当初は「刑事司法の実際」という講義、それを発展的に広げて今は「裁判と人権」という年15回の講義である。
龍谷大法情報研究会が「法教育フェスタ」として公開講義を開いたという。
「法律の視点で見る桃太郎の読み解き」が実に面白い。
- 山でしば刈りをしたおじいさんは森林法違反、川で洗濯したおばあさんは水質汚濁防止法違反、鬼を退治し財宝を奪った桃太郎は強盗殺人の罪に問われる可能性がある -
「主権が及ばない外国の敵には何をしてもよいとの考えから桃太郎は処罰されなかった」と語られたという。
尊敬する弁護士の一人でもある。
是非その経験を生かして大成してほしい。
こんなことは初めてであり、残念である。
龍大生というか、私が「裁判と人権」という講義で教えてきた教え子の皆さん。
若い大学生相手に講義するのは私にとっても学ぶべきところがある。
我が日弁連が『死刑廃止』に決定したこともあり、改めて死刑問題を考えてほしいからである。
無論、授業でも十分に説明した。
死刑制度についての賛否も問うた。
別に、賛否どちらの結論でもよいのだが、それなりに「論理的」なことが評価の対象となる。
抑止力については『証明されておらず、抑止力はない』と講義で説明している。
無論、個々の犯罪者は色んなことを言う。
たとえば、
①未成年で死刑にならないから決行した
②死刑にしてほしくて(無差別殺人を)行った
など色々と述べていても、大きく総体的にみれば、抑止力はない。
<司法を取り巻く状況を、学生に刺激的に教えてほしい>というのが大学の依頼であり<人権>の観点から若い学生に幅広く講義している。
そして龍大の場合、一年に一回特別ゲストを呼ぶことを許されている。
冤罪被害者や周防監督に来てもらったこともある。
「沖縄問題」を取り上げることにした。
沖縄問題は、 日米関係・防衛の在り方・民主主義・地方自治・人権・メディアの在り方など、言わばこの国の様々な諸問題を凝縮しているといえる。
にもかかわらず本土の人間には、どこか「他人事」である。
ゲストは、沖縄在住の弁護士で、沖縄問題に取り組み、数々の訴訟の代理人となってきた専門家である。
ニュースによれば、翁長雄志知事は平和宣言で、戦後73年を経ても全国の米軍専用施設の70・3%が沖縄に集中し、基地から派生する事件・事故や環境問題に悩まされ続けている理不尽さを訴え、「20年以上も前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場問題の唯一の解決策と言えるのか」と日米両政府に現行計画の見直しを求め、さらには、民意を顧みない辺野古新基地建設は沖縄の基地負担軽減だけでなく、アジアの緊張緩和にも逆行していると指摘し、「『辺野古に新基地を造らせない』との私の決意は県民と共にあり、これからもみじんも揺らぐことはない」と強調した、という。
相変わらずである。
言葉だけそれらしく言いながら、実際は何もしない。
そう思って次回の龍大講義は、ゲストを招いての沖縄問題である。
お読みいただければ幸いです。
私の本業は弁護士ですが、その一方で、大学の講師もしています。
龍谷大学法学部の依頼で1回生向けの講義を1996年から始めており今年で18年目になります。
加えて、2009年からは大阪府立大学経済学部で「労働法」の講義も担当することになりました。
つまり、毎週2回若い大学生相手に講義をしているわけです。本業とは離れますが、
楽しく且つやりがいがあります。
若い人たちに伝えたいことはたくさんあり、
また、若い人たちの反応が大変心地よいからです。
しかも、毎年、すがすがしい春の訪れとともに新学期が始まり、
この4月は本当に気持ちのよい季節です。
今年も4月11日(龍大)、12日(府大)と連続して始まりました。
心地よい春の季節。
もっとも今年は、11日、12日とも、寒の戻り。コート着用の新学期でした。