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by kazuo_okawa

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龍谷大学で「裁判と人権」というテーマで講座を持っている。
ちょうど「再審」の講義をしたところであった。

再審は昔はほとんど認められず「開かずの門」と呼ばれていた。
それは再審に要求される「新規・明白」な証拠が、その証拠自体によって「無罪」と示すものとされていたからだ。

しかしいわゆる白鳥決定は、新規・明白な証拠だけではなく他の証拠とも合わせて「疑わしきは被告人の利益に」の観点から判断すべきと画期的な決定を示したのである。
白鳥決定は実に素晴らしくその後「死刑」からの「再審無罪」が相次いだ。

そういう講義をしていた直後の袴田事件高裁決定である。

東京高裁は、静岡地裁の再審開始決定を取り消した。
問題は、犯行の際の着衣とされたシャツなどの血痕について、地裁は、弁護側が提出した新鑑定を踏まえ、「犯行時のものではない疑いがある」として再審を認めたが、高裁は「鑑定手法には深刻な疑問がある」と退けたのである。

決定全文を読んでおらず、あくまで新聞報道の限りだが、これでは白鳥決定が生かされていない。

つまり白鳥決定は、新規・明白な証拠だけでなく、その証拠と、従来の証拠と総合的に判断して「有罪」への「合理的な疑い」がないか判断すべきとしたはずなのに、今回の高裁決定はもっぱらこの「新証拠」のみを批判しているように読める。

しかも今回、地裁段階で検察側が「ない」と主張してきた問題の衣類の写真のネガが、高裁になって一転開示されるという、はっきり言ってあまりにも信義に反する検察のやり口がある。

どうしても高裁決定には疑問が残る。

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by kazuo_okawa | 2018-06-12 23:41 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)