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by kazuo_okawa
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タグ:羽生善治 ( 49 ) タグの人気記事

羽生善治と”AI世代”

20日に放映された「羽生善治と”AI世代”」 は、将棋界の絶対王者羽生竜王の素晴らしい考え方と、その羽生竜王を倒すにはどうあるべきかということがよく分かる番組である。

番組は、佐藤天彦名人との今期名人戦、豊島将之八段(当時)との今期棋聖戦を中心に進むが、タイトルの”AI世代”にはあまり意識しない方がよい。

結局は「AI」を離れたところで、絶対王者羽生を倒すからだ。

羽生竜王の考え方が分かるのは次の言葉である。
「テニスのラリーをしていて、一番厳しいコースに打たれて、それを返せたときが一番嬉しい。一番厳しいコースに打ってくれないと楽しくないではないですか」

羽生竜王は、ただ勝てばよい、という考えはしていない。
現に、四年前の王座戦で豊島八段相手に防衛しながら、つまり勝った将棋でありながら「面白くない将棋を指してしまった」と感想を述べているのである。
そのとき豊島八段は、「頑張った将棋を、『面白くない』と言われてかなり悔しかった」と述べている。

ではその豊島八段が、羽生竜王の厚い壁をどう破るのか。

番組は、名人戦と並行して進む。

名人戦は、佐藤名人からみて1勝2敗となって第四局。
名人が不利な状況である。

第四局が佐藤名人の地元で行われたとき、佐藤名人は、子供時代を思い出し、子供ころのように将棋を楽しんでいるかと振り返る。

そして、結果を求めることは肩に力が入りすぎる、良い作品(将棋)を作ることが重要と次のように気付く。

「偉大な先輩と『良い作品』を作りたい。作品を作るという視点からすれば羽生さんは最高の相手」
そういう心境に至った佐藤名人は、第四局から3連勝して見事、名人位を防衛する。

一方の豊島八段。
羽生棋聖を倒すために、「出来るだけリラックス」することが重要であると考える。

豊島八段は、棋界で一番,AIで研究している棋士だが、棋聖戦最終局には、ソフトの研究も減らし、「自分らしさを生かそう」と対局に臨むのである。

そして、重要な最終局に、41飛という意表をつく一手を放つ。

これは42玉の底に位置し「玉飛接近すべからず」の格言にも反する。
この一手の後、最終的には豊島八段の初のタイトル奪取となるのである。

しかし、この41飛に対して、羽生棋聖が対局時に思ったことがこれまた秀逸である。
「こういう手が世の中にあるのかと思って感心した」

羽生棋聖は、推測だがと前置きをしながら、この一手は,ソフトの発想ではない、豊島さんならではの一手だろうと述べるのである。

絶対王者自身が、「勝つこと」よりも、より高い次元での戦いを求めている。
その絶対王者に勝つには、「勝つこと」にとらわれていたのでは絶対に勝てない。

佐藤名人の防衛と、豊島八段のタイトル奪取は、その何かが、何なのかが浮かび出される。

将棋とは、勝負とは、実に奥深いものである。
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by kazuo_okawa | 2018-10-22 22:13 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

意外性に出会いたい!

アマゾンにある本を注文したら、以前、「注文かご」に入れたままだった書物が一緒に送られてきた。
それが『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)である。

不登校や引きこもりの子供の支援のために20人の著名人がインタビューに答えている。
その一人が羽生善治竜王である。
多忙であろうにこういうインタビューに気軽に答える。
それが素晴らしい。

そして本書の趣旨からすれば、羽生竜王の印象に残る言葉は「学校に行かないことに罪悪感を持たない」「学びに年齢は関係ない」「いつ始めても、いつやめてもいい」

しかし私は羽生竜王の別の言葉に目が止まった。

将棋を続けるモチベーションは?との問いに対して、羽生竜王の言葉は
「「意外性に出会いたい」に尽きます」という。

いやあいいですね。
我が意を得たり!
全く同感である。

将棋、本格ミステリ、マジック、パズル…。
全て「意外性」を求めてともいえる。

実に魅力的な知的エンターテインメント!

そして、将棋界では、「100」か「ゼロ」かの竜王戦が始まった!
楽しみである。

【追記】
『学校に行きたくない君へ』自体も名著である。
<不登校や引きこもりの子供の支援>をしている方たちの支援のためにも購入をお進めする。
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by kazuo_okawa | 2018-10-12 00:16 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

藤井七段最後の新人王戦

帰宅して10月10日付け朝日新聞夕刊の一面に驚く。

何と、これから始まる将棋新人王戦三番勝負の記事である。
何か、ほかに大事なニュース記事はなかったのかとも思うが、将棋ファンとしては嬉しい。

決勝戦三番勝負は、藤井聡太七段対出口若武三段である。

藤井聡太七段は将棋ブームを牽引した一人であり、将棋史に残ることは間違いない若き天才である。
一方、出口若武三段はいわゆる奨励会三段でまだプロではない。
普通に考えれば、これから始まる新人王戦などは新聞記事にはならないが、それが記事になるのは、何しろデビュー2年の藤井七段が早くも新人王戦の出場資格を失う(それゆえ最後の新人戦)からであり、その一回きりの新人王を獲得するかが注目されているからである。

何せ過去の新人王は、羽生善治竜王、渡辺明棋王、佐藤天彦名人など棋界を牽引する超一流棋士の登竜門となっている。

おそらくこの三番勝負は藤井七段の勝利、つまり新人王獲得で終わるだろう。

しかし、この新聞記事で思うのは、藤井井七段よりも出口若武三段の「強運」である。

何故なら、奨励会三段が一般紙の一面を飾ることなど、普通はありえない。
それがなったのは、相手が藤井七段だったからである。
それはある意味で、出口若武三段の強運と言えるだろう。

実際、新人王戦の決勝戦にまで行きながら惜しくも新人王を逃したものの、その後活躍した棋士は少なくない。
佐藤康光元名人(現将棋連盟会長でもある)、郷田真隆元王将、中村大地王座、豊島将之二冠などこちらも素晴らしい。

出口若武三段にはそのチャンスがある。

その強運を生かせるかどうかが興味深いのである。

【10月17日追記】
藤井聡太七段は17日、新人王戦決勝3番勝負の第2局で、出口若武三段を105手で破り、大方の予想通り優勝した。もはや、誰も驚かないことが逆に凄過ぎる。
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by kazuo_okawa | 2018-10-11 03:40 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

画一化に向かう社会

ビッグイシュー最新号(344号・2018年10月1日発売)は羽生善治竜王のスペシャル・インタビューである。

竜王は、日本将棋連盟の発行する免状の一枚一枚に署名しなければならないなど、対局以外の「竜王位」としての仕事も多い。
そうでなくとも将棋界の「顔」である。
将棋解説や講演、他の世界の方たちとの交流などひきも切らない。

そのような超多忙であるにもかかわらず、ビッグイシューにも協力する。
しかも、そのビッグイシューによれば、羽生竜王の「謙虚さ」を絶賛している。
凄いとしか言いようがない。

ビッグイシューのインタビューのテーマはおおむね3つ。
①年齢との闘い、
②AIとの付き合い方、
そして、③スポーツ界の勝利至上主義の弊害について。

いずれも関心を引きつけるテーマである。
①②は、羽生竜王は他の媒体でも答えているが、私には③が興味深かった。

羽生竜王の、柔軟な考え方のわかる答えである。

将棋ファンにとっては、ビッグイシュー最新号の羽生竜王のインタビューを読むだけでも値打ちがあるだろう。

ビッグイシューの成り立ちからして、ぜひ購入してお読みください。

「画一化に向かう社会」という表題は、記事のリード文である。

そして、それに引き続いて「しかし、いろんな世界や考え方があって、それらをたくさん受容できる社会の方が楽しい」と続いている。

羽生竜王のこの考え方には多くの方が共感を覚えるだろう。
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by kazuo_okawa | 2018-10-08 00:20 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
『泣き虫しょったんの奇跡』は、将棋棋士・瀬川晶司の自伝ノンフィクションである。

その小説を今回映像化した。
サブタイトルは『サラリーマンから将棋のプロへ』。

将棋のプロは奨励会というプロ養成機関に入会し、そこを勝ち抜き四段になってプロとなる。瀬川氏は奨励会に入会したものの26歳までという年齢制限で奨励会を退会。

従来の制度なら、二度とプロ棋士にはなれない。

瀬川氏も退会後約9か月、魂を奪われたように引きこもり、その後サラリーマンへ。
再び将棋をはじめ、その後、アマチュアとしてプロに勝ちまくったことから、それまでにない異例のプロ編入試験を実現させ、そして実際にプロ入りした。
その意味で奇跡の物語であり、その瀬川氏自身の実話である。

映画冒頭は駒を大橋流で並べる場面から始まるが、手つきが様になっている。

そして70年代からのストーリーは、谷川浩司中学生棋士誕生のニュースや、羽生善治七冠誕生へ向けて「虹をかける」記事など、将棋史を思い起こさせ、そういう点からも将棋ファンとしては実に懐かしい。

また、瀬川氏のプロ編入は、当時、リアルタイムで楽しんだ。
そして瀬川氏の原作を読んでいるものからすれば、実に感動的である。
映画自体は、現在のプロ棋士も出演し、これも楽しい。

それやこれやで将棋ファンにとっては、そのデティールも含め、実に感動的で素晴らしい映画である。

ただ、『3月のライオン』のように、将棋を全く知らないものにも楽しめるかどうかは分からない。

知らない人へ、いかにその『奇跡』を伝えるか。
『伝える』難しさ、という別のテーマを同時に思い起こしてしまう。

とはいえ、将棋ファンたる私は感動しました。
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by kazuo_okawa | 2018-09-22 19:25 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

泣き虫しょったんの奇跡

将棋のプロになるには奨励会を勝ち抜かなければならない。
勝ち抜いて四段になって初めてプロとなる。

そしてこの四段になるための奨励会には年齢制限がある。
それは、夢破れてプロになれない者に早くあきらめさせて別の道を歩む決断をさせる、という面はあるが、同時にこの制度ではいわゆる「遅咲き」は救えない。

瀬川晶司氏は一度は年齢制限から将棋界を退会したものの、サラリーマンになって、アマチュアとして活躍し、プロを打ち負かすまでに至った。
そこで、彼の周りのものは瀬川氏をプロに、と動き出す。
しかし、将棋界の壁は厚い。
ずっとそういうシステムでやってきたではないか、というわけだ。

13年前、私が覚えているのは、米長邦雄新会長が、「プロ入り試験」をする案をリードし、結局、その試験官(棋士)6人と瀬川氏が「差し分け」(3勝3敗)以上なら「プロ入り」を認めるというものだったが、その6人がバラエティに富んでいて非常に驚いたことである。

古田靖氏の「奇跡の六番勝負」(河出文庫)は、瀬川氏作の「泣き虫しょったんの奇跡』とは違うが、ジャーナリストの立場からその経緯が詳細に書かれていて興味深い。

私が一番感心したのは、羽生善治である。将棋界で瀬川氏のプロ入りに反対や慎重な意見が多い中、棋界の王者羽生善治は次のようにコメントしたという。

「瀬川さんが銀河戦でこれほど勝っているのは重い出来事です。年齢制限を設けることは悪いことではないが、20歳を過ぎたらノーチャンスはどうか。ハードルは高くても何らかの道を作ったほうがベターだと考えている」

今から考えれば、当たり前の意見だが、当時の頭の固いごちごちの将棋界でこういうコメントを出せるのは羽生善治の柔軟性であろう。

改めて羽生善治の凄さを感ずる。

「泣き虫しょったんの奇跡」は映画になる。
実に楽しみである。
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by kazuo_okawa | 2018-08-21 23:01 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

師弟~棋士たち魂の伝承

野澤亘伸氏の著(光文社)である。

内容は
「谷川浩司-都成竜馬」
「森下卓-増田康宏」
「深浦康市-佐々木大地」
「森信雄-糸谷哲郎」
「石田和雄-佐々木勇気」
「杉本昌隆-藤井聡太」
の6組の師弟の記事とともに、羽生善治永世七冠の特別インタビューを収録したものである。

まあ、正直、将棋ブームにのった「あやかり本」くらいに思っていた。

現にそういう本もあるからである。

加えてこの6組の師弟は、将棋ファンにはあまりにも有名であり、それぞれのエピソードも、将棋ファンならおおむね知っていることをまとめたものなのだろう、とくらい思っていた。

しかし…。

購入して読み進めると、不覚にも最初の「谷川浩司-都成竜馬」編でぐぐっときた。

知らないエピソードは、都成三段奨励会時代に彼女を泣かせてしまったことである。

どんなことがあっても絶対に言ってはいけない言葉を発する。
『お前のせいで、負けたんだよ』
恋人も自分の誇りも傷つけた。
電話の向こうで彼女が泣く…。

こにくだりに、三段時代の苦しみが凝縮されているだろう。

他の章もいい。

無論、王者・羽生善治のインタビューもいい。
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by kazuo_okawa | 2018-08-07 23:39 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
羽生善治棋聖に豊島将之八段が挑戦していた第89期棋聖戦五番勝負の最終局で、豊島八段が見事に勝利し、棋聖位を奪取した。
豊島八段の初タイトルである。

応援してきたファンの一人としては率直に嬉しい。

若くから将来の名人と嘱望され、その実力通りに勝ち進んできたが、その強さに比して「あと一歩」と思うことも少なからずあった。

ソフトに勝利した直後、豊島七段(当時)にインタビューする機会を得たが、そのとき彼は力強く目標はA級八段昇格とタイトル奪取と述べていた。

またソフトの影響から、このソフトの利用は直ちに効果が出なくても、近いうちに必ず役立つ、とも述べていた。
豊島八段といえば「序盤、中盤、終盤、スキがない」。
しかしこのソフトの利用後、彼は、鋭い踏み込みと思い切りという武器を間違いなく手にした。

45手目羽生棋聖の新手47角や、「難しい将棋でよくわからない」(豊島八段の言葉)将棋は、同時に見ていて面白い将棋でもある。

これで将棋界は8つのタイトルを8人で分け合うという空前の戦国時代に入った。
関西所属棋士から3人いるというのも関西将棋ファンとして嬉しい。

無論、しかし、このまま8人のタイトルホルダーで分け合っているだけでは全く面白くない。

この先、誰が複数タイトルを集めていくのか。
そこが俄然興味深い。

豊島新棋聖には天下を取る勢いで頑張ってほしい。
心から応援している。

【追記】
Abemaの佐藤天彦名人の「振り返り解説」を聞くと、豊島八段の38手目41飛が「人間にはさせない手」と指摘していた。
居飛車豊島八段が42玉のその後ろに飛車を回るのであり「玉飛接近すべからず」という将棋の格言に反しているからである。こういうところにソフトとともに研究している姿が窺える。

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by kazuo_okawa | 2018-07-17 18:58 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

うつ病九段!

昨年度に長期間休場した棋士先崎学九段の新刊書である。
先崎九段の休場の原因はうつ病であり、その発症から回復までを自らの手で綴ったのが『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』である。

私自身、将棋ファンであり先崎九段の著はほとんど読んでいて、いつもその洒脱な文章に感心している。

そして職業柄、依頼者にうつ病患者が少なくないこともあって、直ちに購入し、そして一気に読み終えた。

本書では、うつ病発症の原因は詳しく書かれていないが、いわゆる「竜王戦挑戦者交代事件」であろうことは、発症後に、将棋ジャーナリスト大崎善生氏が、日経新聞2017年9月17日付の王座戦観戦記で次のように記載して、原因を暗示していた。
即ち大崎善生氏は「私の古くからの友人先崎学は倒れた。棋士が棋士を疑う。その図式に繊細な彼の神経は耐えられなかったのだろう」と記している。

本書は、うつ病についてリアルに描かれていて、うつ病たるものがよく理解できる。
その意味では、うつ病に関心ある方には興味深い本だろう。

しかし、将棋ファンとして強く印象に残ったのは次の一点である。

文中随所に出てくる棋士について固有名詞で描かれ、いずれも、〇〇さん、〇〇君、〇〇先生、と敬称付きなのだが、ただ一人羽生善治竜王だけは「羽生」と呼び捨てである。

無論、先崎九段が羽生竜王をないがしろにしているわけではない。
むしろ畏敬の念をもっていることは「一葉の写真」その他随所に開陳している。
しかし、敬称抜きなのである。

ここに、何とも言えぬ先崎九段の羽生竜王に対する別格の思いが読み取れる。
本書のテーマではないが、将棋ファンとして、ここが一番印象に残る。

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by kazuo_okawa | 2018-07-16 22:39 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

増田六段、勝つ!

羽生善治竜王への挑戦者を決める第31期竜王戦決勝トーナメントが進行している。

7月11日は、佐藤康光九段VS増田康宏六段 戦が行われた。

増田六段は前期竜王戦決勝トーナメントで、藤井聡太七段に敗れ、藤井四段(当時)の29連勝という新記録を許した。
その屈辱をバネに、増田六段は今期1年ぶりとなるリベンジマッチで藤井七段を制し、本局へと勝ち進んだが、明らかに強い。
本局もその充実ぶりを示している。

相手は元竜王の強豪佐藤康光である。

にもかかわらず圧倒している。
将棋連盟アプリで棋譜を追いかけると、57手目、ただ捨ての「歩頭桂」が凄い。
凄すぎる!

そもまま見事に勝利した。

やがて将棋界は遅かれ早かれ「藤井時代」が来るのだろう。
その時に、増田六段が藤井七段の好ライバルとなっていればこれほど楽しみなことはない。

さてその増田六段、次の相手は久保利明王将!

いやあ、実に楽しみな対局である。

【追記】
7月19日、久保王将は増田六段の勢いを止めて勝利した。
さすがである。
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by kazuo_okawa | 2018-07-12 00:54 | 将棋 | Trackback | Comments(0)