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by kazuo_okawa
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タグ:竜王戦 ( 5 ) タグの人気記事

15日東京への往路、車中で、「将棋コンピュータ・ソフトを上回る藤井聡太」とネット上話題になった竜王戦五組決勝をタイムシフトで見る。

先手石田直裕五段、後手藤井聡太七段の対局であるが、確かに65手目からが実に面白い。
後手番藤井七段は6筋に、62金63銀。
飛車は81に配置され、よくある「81飛62金型」である。

65手目石田五段が64歩に同銀とつり上げ、開いた63の地点に歩!
取ると81飛と63金の間の72銀と割り打ちになるから、普通は72金とよるか、61金と引く。
いずれにせよ、金は逃げる。

ところが藤井七段は、人間的には読めない63同銀!

この瞬間、解説は驚き、視聴者も驚きのツイートが画面いっぱいに流れる。

この後、後手86飛車、87歩、 76飛車、77歩、これを藤井七段は「飛車ただ捨て」の同飛!
圧巻である。
この瞬間、「あああ…」、というツイートや「ソフト越え」の文字が流れる。

これを66手目、64同銀のときから読んでいるのであるから解説のプロもうなる驚異の読みである。

この後も、藤井七段の攻撃は、歩頭の桂馬や、66角捨てなど妙手も続くのであるから本当に見ていて面白く、また強すぎるのである。

確かにこれはタイムシフトで見る価値のある対局である。
いや「見る将」なら必見!
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by kazuo_okawa | 2018-06-16 07:57 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
日刊ゲンダイ5月4日号の三浦弘行九段への特別インタビューが泣ける。
三浦九段は、昨年の、竜王戦挑戦者交代事件の被害者だ。
スマフォ利用という言われなき嫌疑をかけられ、挑戦者資格を剥奪された。
今や、彼は完全無罪であることがわかっている。

その彼が、スマフォ利用を疑われていた時期は、人に対して疑心暗鬼になっていたという。
三浦九段は、そのときを振り返り、「私には人を見る目がなかった。世の中にはこんなにいい人がいる」と述べているのである。
そして「いい人」として、実名を挙げているのが、ご存じ羽生世代のスペシャリスト丸山忠久九段である。

丸山九段は事件当時から、三浦九段に不正はないと広言し、連盟の方針(挑戦者交代)にも批判していた。

しかし事件当時は、もっともらしい説明に、三浦のスマフォ利用を「疑った」者も少なくなかった。
いやむしろ、スマフォ利用を疑った者が多かったろう。
人は、誤った情報に左右されやすい。
ましてや「竜王」というビッグネームがその旨の指摘すれば、多くはその肩書きに迷わされ、誤ってしまうだろう。

しかし、丸山はそうではなかった。

丸山はまるで求道者のごとく「角換わり」という一つの戦法を追及してきた棋士である。

おそらく、丸山にとっては普段同様に、人の意見に左右されずに、自分の確信を表明したに過ぎないのだろう。

ここにスペシャリストの神髄をかいま見る。

改めて丸山九段に敬意を表する。


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by kazuo_okawa | 2017-05-05 09:59 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
2月7日、羽生三冠の講演会が大阪で開かれた。
題名は「先見力と決断力」
会場はビジネスマン中心に超満員。

私は羽生の著書は約20冊持っているが、そのうち約3分の1は『決断力』(角川ONEテーマ)『直感力』(PHP新書)など人生の指南書か対談本である。
羽生の著作は何度も読んでいるので、考え方はそれなりにわかっているつもりだが、それでも改めて聞いてみると実に素晴らしい。
棋士の指し手の決断に至る「直感」「読み」そして「大局観」の説明とその三者について羽生なりのバランスのとり方が述べられる。
加えて、勝負師としての「調子」「運やツキ」「モチベーション」「プレッシャー」について羽生の考え方を示す。
更には「記憶」「情報」「AI」という興味深い話に移っていく。

私が感心したのは羽生は常に柔軟に対応していることだ。
年代に応じて、また環境の変化にも応じていることが分かる。

今、彼は意識的にアクセルを踏んでいるという。
若いときは放っておいてもアクセルをかけがちだから若いときはブレーキが必要だが
今は逆だという。
彼はそれを意識してアクセルを踏むというのである。
また小さなリスクを重ねることがいい、ともいう。

ここで羽生は、大きな試合を控えており、この対局でリスクを取らない戦法を選ぶかどうか
という話に続ける。
自分にとって得意戦法をとることが一番リスクが低いのだが…。

さてこの「大きな試合」とは何か。
熱心な将棋ファンならノータイムで気付く。
言うまでもなく来週に控えた対三浦戦である。

しかし、聞き手の多くはビジネスマンであり、
将棋ファンでなければこのくだりは一般論としか思わないだろう。

羽生はその後ミスの話に続ける。
自らの最大のミスのエピソードを挙げる。

しかしミスした方が負けるとは限らない、と続けるのである。
むしろミスをしてうまくいくこともある。
そこに人生の機微がある。
つまり不確定なものの面白さがあるという。

羽生のまとめがいい。

将棋界の未来について「この先どうなるか。先が見えない」という人がいる。
しかしもともと先が見えていたのか。
いやもともと先が見えない。
ならば大まかの方向性のもとに、それに沿っていき、もしも予期せぬことが起こったらそこでまた考える。

羽生はこのように締め括くった。
1時間30分ぴったりの見事な内容である。

改めて将棋界の至宝羽生の素晴らしさに感銘する。

【追記】
来週の対三浦戦。
羽生講演を受けて、私は戦型を「角換わり」と予想する!

【2月12日追記】
「将棋ソフト不正使用騒動の三浦九段 復帰戦の対戦相手は“因縁”の羽生三冠」という週刊朝日の記事がひどい。
あくまでネット上で読んだ限りだが、
「第三者調査委員会の調査で疑惑が晴れたわけだが、動画の視聴者は、三浦九段の一挙手一投足に気を配るだろう。」という書き方自体が予断を持っている。
三浦復帰戦で対羽生という好カードに、将棋ファンの多くはそんな見方はしないだろう。
ましてや「羽生三冠にもプレッシャーがかかる。「限りなく“黒に近い灰色”だと思います」とメールの内容が報道され、妻の理恵さんがツイッターアカウント上で釈明したことで、騒動が広がる結果となった。」においては事実認識としておそらく間違っている。
それまでは、<三浦九段疑わしい、処分止む無し>の空気が、羽生の(理恵さんによる)ツイッター<週刊文春の記事は正しくない。「疑わしきは罰せず」である>によって、空気が変わったと言われているのである。
しかも、羽生は、渡辺竜王の要請で、しぶしぶ島宅に行ったに過ぎないと思われる。
何故に、週刊朝日が、こういう「煽る」記事を書くのか!
冤罪被害者たる三浦や、それに巻き込まれた羽生の立場を無視して、単に煽っているにすぎない記事である。
長年の将棋ファンとして、「週刊文春」もひどいが「週刊朝日」もひどい。

【12月22日追記】
羽生はこの時から、竜王戦にかける並々ならぬ決意を秘めていたと思われる。永世七冠を達成した今、講演を振り返ると実に興味深い。





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by kazuo_okawa | 2017-02-09 01:17 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
竜王戦挑戦者まであと一歩とせまった関西若手実力者棋士糸谷六段は、
大学院で哲学を学ぶという異色のキャラクターである。

その糸谷六段の著作が
「現代将棋の思想~一手損角換わり編~」である。
帯文句がいい。
「一手損角換わりとは何か?現代将棋をめぐる知の冒険」である。

ところが関西将棋界会館での大盤解説会などに参加すると
解説の若手プロ棋士が、この糸谷六段の著作を表して
「結局何が書いているのか分からない」
「難しい本です」などと笑いを誘っている。

まあ、関西では、笑いを取るというのが、いわば「お約束」であるから
解説者もどこまで、本気かは分からない。
或いは、糸谷六段は仲間内ではいわゆる「いじられキャラ」なのか。

しかし、同書は、はっきり言ってかなり素晴らしい本である。

一つは、従来の定跡本のような、棋譜の解説よりも、「思想」に重点を置いていることが凄い。
つまり、従来の将棋本に比べて、盤面図と棋譜よりも、考え方(従って活字が続く部分)が多い。
私には、ここが面白い。

考えてみれば、数学では「数式を使わない数学入門」というのは、今日では普通にある、定番の入門書スタイルである。
同じように、将棋実戦書も「棋譜を使わない将棋入門」という実戦書が出来て不思議でない。
私はかねてからそのように思っていた。

つまり、棋譜の部分を出来る限り少なくし、考え方を中心にした実戦書である。
私はそういう著作があればいいと思っていたが、糸谷六段の著はその路線に近い。
私は、むしろ、糸谷六段にその路線をより進めてほしいと思っている。

同書冒頭は、戦型は最初の4手で決まる、として実に戦型のチャート図が掲載されている。
プロなら当然分かっていてもアマチュアには便利な図であり、その後の思想などもアマチュアには分かりやすい。

9月2日、糸谷六段は竜王戦挑戦者決定戦三番勝負第2局で、羽生名人に敗れ1勝1敗となった。

糸谷六段には是非頑張ってほしい。
実戦書も。
勝利も。

【追記】
糸谷六段はこの年、羽生名人に勝ち挑戦者を獲得、そして森内俊之竜王に勝利して、竜王位を奪取した。

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by kazuo_okawa | 2014-09-03 01:30 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
帰宅して、録画していた将棋竜王戦7番勝負の第2局を見る。
挑戦者森内の連勝である。

今、将棋界は、この竜王戦タイトルホルダーの渡辺と
森内名人、そして羽生の3人が7大タイトルを分け合っている。

なかでも「名人」と「竜王」は、伝統と賞金額から
2大タイトルで有り、そのタイトルホルダー同士の激突とあっては
将棋ファンとして見逃せない。

そして結果は森内の連勝である。

しかし何よりも将棋ファンの度肝を抜いたのは
森内名人の、渡辺竜王に対する「往復ビンタ」である。

「往復ビンタ」とはいささか下品な言葉であるが
実は「言い得て妙」の言葉である。
これは、将棋界の俗称のひとつで、同じ戦型で、先後、共に連勝することを言う。
といっても、将棋の知らない方には、これだけでも
何のことか分からないでしょうね。
要するに、負けた側の立場に立ってもやはり勝つ、ということです。
例えば、ある戦型で片方が負けますね。
敗北はそれだけでも悔しいものですが、
勝った方が、今度は、先手後手入れ替わったろう、と負けた側に立場を変える。
しかし、それも負けたら、ショックでしょう。
あたかも往復ビンタをくらったようなものですね。

とまあ、いささか解説が長くなりましたが
名人対竜王という大一番で、森内が
「往復ビンタ」を狙った事が凄い。

そして渡辺竜王も激しい手順で応じた。
両者の対応は見ていて面白い。
私は、プロたる者、ファンが見ていて面白い将棋をすべきである、と思っている。
無論、勝負師たる者、勝負にこだわるのは当然であろう。
しかし、ただ勝てば良いというものではない。

その意味で今期竜王戦は見ていて面白い上、
しかも、森内名人は見事に「往復ビンタ」をしたのである。
これは凄い。
実に凄い。

「往復ビンタ」をされて負けた渡辺の心中やいかに、と思うが、
渡辺は、これで終わる男ではない。
かつて、最強羽生を相手に、3連敗から4連勝をした男である。

次はどうなるのか。
森内が更に完膚無きまでに渡辺をたたきつぶすのか
それとも渡辺が巻き返すのか。
それは、渡辺が(往復ビンタされた)同じ戦型を選ぶのか、という興味もある。

第3局が実に興味深い。

【2018年10月26日追記】
この年まで渡辺竜王は竜王戦9連覇していたが、この年は結局森内名人が奪取、そして翌年は糸谷、その次は渡辺、さらに翌年は挑戦者交代事件と、竜王戦は波乱万丈の棋戦となった。
そして2017年は羽生善治の奪取で永世7冠となり、今期は羽生の100タイトル奪取がかかっている。

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by kazuo_okawa | 2013-10-30 22:45 | 将棋 | Trackback | Comments(0)