人気ブログランキング |

私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa

タグ:石川一雄 ( 2 ) タグの人気記事

狭山事件の全面広告

本日(28日)の朝日新聞朝刊に冤罪を訴える狭山事件の全面広告が掲載されている。

事件発生は1963年であるが、私は京都大学入学後、法学部のとあるサークルに入って「狭山事件」に関心を持つようになる。

そして1983年、弁護士になってから、第2次再審請求審の弁護団に入れてもらい、専ら「脅迫状」の担当をさせてもらった。
それは、この狭山事件の中で、直接的な「客観的証拠」が「脅迫状」であり、<石川一雄氏が脅迫状を書いていたら有罪>、<書いていなかったら無罪>となる非常に大きな証拠であるからだ。

実際のところ、何ら「筆跡鑑定」の手法などを知らなければ、例えば「ら」の字など、「脅迫状」の字と、石川氏の字とはそっくりに見える。
だから書いたのは「同一人物」と思ってしまうところに冤罪の落とし穴がある。

実は、字を書けない人が、字を覚えていくと、「ら」の一画目は二画目よりも低い位置に書いてしまうことが多く、そのような「ら」の「一致」は何ら珍しいものではない。

それゆえに「ら」の字が似ているからといってそれは何も「有罪」を立証しない。
それは、犯行現場に残された血液型がA型であっても、A型は無数にいるゆえ決め手にならないのと同じである。

そして、「脅迫状」をより細かく分析すれば、むしろ石川氏の筆跡とは異なることが分かってくる。

私自身は現在は弁護団を辞退させてもらっているが、先の経験から、狭山事件は冤罪と確信している。

と同時に、我が国の「刑事裁判」が、あまり数学的に考えていないと感じることが少なくない。

もっと、統計的手法、確率的手法をとるべきと考えて、私は、昨年、「数学的刑事弁護」(浦功編著「新時代の刑事弁護」所収)を発表させてもらった。

その動機の一つは狭山事件にある。
.

by kazuo_okawa | 2018-10-28 17:52 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)

獄友を観る!

7日、第七藝術劇場にて、映画「獄友」を観る。
いまや冤罪映画監督とも言われる、金聖雄監督の冤罪モノ3作目である。

冤罪は最大の人権侵害。

今回の主役は石川一雄氏(佐山事件)、桜井昌司氏(布川事件)、杉山卓男氏(同)、菅家利和氏(足利事件)、袴田巌氏(袴田事件)の5人。
彼らは、一時期、同じ千葉刑務所で受刑していた。
それ故に「獄友」。

しかし彼らはいずれも冤罪被害者である。
扶川事件はアリバイがあった。
袴田事件は捜査側の証拠ねつ造がある(この点は拙著『ホームズ!まだ謎はあるのか?』(一葉社)の冒頭に、それに気付いた弁護団の視点がホームズ流推理術であることを示している)。
足利事件は犯行現場のDNAと菅家氏のDNAが一致して有罪とされたが,後にDNA分析の精度が上がることで却って逆に冤罪が証明された。
狭山事件は真犯人を取り流した警察が部落民に対して見込み捜査した差別事件であり、部落解放同盟が長年支援に取り組んでいる。

足利事件の初期のDNA、狭山事件の「脅迫状」においてこれを有罪立証と考えるのは、確率的に不合理であり決定的に誤りである(拙稿『数学的刑事弁護~検察官の誤謬に打ち克つ』(「新時代の刑事弁護」所収)。

上映終了後、金監督と櫻井氏のトークショー。

櫻井氏の話術には感心させられる。
「みんな悪い人はいないですよ。いや、杉山は本当に悪人だけどね。袴田さんがあんな状態になったというのは本当に許せない。彼は冤罪と逃げずに闘ったから精神がああなったんですよ。菅家さんは本当にいい人。時速40キロのところは40オーバー出来ない人ですよ。犯罪なんかしない。石川さんは、冤罪エリート、だって社会党代議士なんかが来たりするんだもの。」など軽快に冗談を交えながら進める。

映画は、制作時から、私は支援している。
映画最後のクレジットに、私の名前が出ています。

冤罪を無くすためにも、多くの方にご覧いただきたい。


.

by kazuo_okawa | 2018-04-08 09:25 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(0)