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by kazuo_okawa
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森友事件ではないが『水俣病訴訟』も「まだやっているのか」という人がいる。

森友事件は安倍政権が責任を認めないから終わっていないのであり、同様に、水俣病訴訟は国が真に患者の全面救済を果たさない中、何度も幕引きを図ってきたから、いまだに終わっていないのである。

3月28日に下された大阪高裁補償協定訴訟判決はその結論も、その論理のひどさもあまりにお粗末なものであった。
そのお粗末な論理をご紹介するが、そのために、水俣病裁判史を簡単に説明する。

水俣病は、石油化学コンビナート政策という「国策」から生じた公害である。
無論、直接の加害者は有機水銀という毒を垂れ流したチッソにあるが、それを何ら止めなかった国にも同様の責任がある。
チッソの責任が裁判によって認められた後、患者達がチッソとの交渉の結果、将来にわたる全ての水俣病患者の補償をチッソは約束した。
これが「補償協定」と呼ばれるものであり、後々問題となる。

この補償協定は裁判の判決のあとに作られた枠組みであり、当時、裁判を超えるものとして構築された。そしてこの補償協定の対象者(水俣病患者)は、公健法上の「認定」を受けたものという仕組みである。これは歴史的にも画期的な仕組みである。
この仕組みの通り、水俣病患者が、正しく認定されていれば、後に続く、混迷は生じなかった。ところが実際は、この認定制度が、激しく歪められてきたのである。

そのため私達はまず最初に国県の責任を追及する訴訟(これは2004年最高裁で勝訴)、次いで、公健法上の「認定」を求める訴訟を闘ってきた(これも)2012年最高裁で勝訴)。これで本来、補償協定が認められるはずであった。にもかかわらずチッソが拒否したため、三度裁判をせざるを得なくなった。
現在係争中なのは、その第三弾の訴訟、チッソに補償協定を認めさせる訴訟である。

一審判決(大阪地裁)は補償協定の歴史的意義を正しく受け止めた素晴らしい判決であったが、2審判決は最初に結論ありきのひどい判決であった。
要するに、「損害賠償判決を受けたものは、補償協定は受けられない」というのがチッソの理屈であり、大阪地裁は否定したが、大阪高裁はそれを肯定したのである。

無論、我々患者側も、二重に受け取れるといっているのではない。
「判決を超える」補償協定は手厚い補償内容であり、損害賠償で足りない部分を補償すべきと言っているのである。

前置きが長くなったがお粗末な論理な紹介する。
協定外の手続によって別途補償を行うことを予定していなかったというのは一、二審とも同じである。
それは補償協定の補償が手厚いからである。
それゆえここまでは同じであるが、高裁判決はそこからいきなり「二者択一」と決めつけるのである。
これは全く論理の飛躍である。

 いわゆる二者択一論として原判決は次のように言う。
 「本件協定は、協定に応じた者については、そもそも、協定外の手続によって別途補償を行うことを、予定していなかったものと考えられる。すなわち、当事者の合理的意思としては、本件協定に従って補償を受けることは、訴訟による損害及び判決に基づく履行とは、そもそも二者択一の手続として想定されていたものと解することが自然である」(51頁)
 この論理、果たして「すなわち」でつながっているであろうか。

 一見もっともだが、ゆっくり読めば「すなわち」の前後で論理があやまっていることは明らかである。
  
 前段は正しい。なぜなら、協定の補償が十分に手厚いのであるから協定の補償に応じたものが、協定外の手続を選択することは予定していない。
 しかし、そのことから「逆」は言えず、二者択一論を導くことは出来ないのである。

 要するに原判決は次のように言っているのに等しい。
  ①「Aを選べば、Bは選ばない」
  ②「すなわち」
③(「B選べば、Aは選ばない」ので)A、Bは二者択一である。

「すなわち」以下、A、Bは二者択一である、と導く前に、
  「B選べば、Aは選ばない」という重要な部分が書かれていないので
  論理がわかりにくいのである。

  「逆は真ならず」であるが、「逆も真」とみる初心者が陥りがちな極めて初歩的でお粗末な論理的誤りを原判決は行っているのである。

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by kazuo_okawa | 2018-06-10 10:56 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)
1982年から続けた私たちの水俣病訴訟。

その意義は何度もブログで発信した。

あくまでも国の責任を追及し、運動の高まりからチッソが補償を約束したその責任を果たせという私達関西訴訟の基本理念に沿った訴訟の実質的に最後の訴訟です。

一審大阪地裁は今年5月に勝訴。
現在は大阪高裁で審理中。

2回目ですが、結審予定です。
2017年12月19日午後4時。
別館82号法廷です。

各地からお越しいただくため、裁判終了後、引き続き大阪弁護士会館1004号室で、報告集会を開きます。
裁判傍聴並びに報告集会へのご参加をお願いします。

【12月19日追記】
本日、別館82号法廷の傍聴席を満席にして頂きました。
ありがとうございました。
次回は判決、2018年3月28日午後1時15分。
別館82号法廷です。
引き続きご支援宜しくお願い致します。

【6月10日追記】
残念ながら大阪高裁は逆転敗訴判決であった。
6月10日に、大阪高裁判決のお粗末な論理を取り上げた。
そちらもお読みいただきたい。

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by kazuo_okawa | 2017-12-18 13:41 | Trackback | Comments(0)