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by kazuo_okawa
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タグ:労基法第26条 ( 1 ) タグの人気記事

弁護士の給与未払という興味深いニュースが流れていた。

業務停止が予見できたとして、弁護士法人「アディーレ法律事務所」に所属していた男性弁護士(退所済み)が、同事務所に対して業務停止中の未払い賃金の支払いを求めた訴訟で、東京地裁が1月23日、東京簡裁の棄却判決を変更し、事務所に約54万円の支払いを命じる判決を出した、というものである。

予期できたかどうかとか、了解済みだったかどうかその他、結構いろいろな争点がある事件のようであり、ニュース以外の情報はないので全体を評価できないが、関心を引いたのは、「(アディーレ法律事務所が)自宅待機期間中の給料について、労基法26条に基づく休業手当の範囲内で、賃金を支払えば足りるとの認識に基づいて、賃金を支給」とのくだりである。

法律上「使用者の責めに帰すべき事由」によって働けないときは、賃金請求権は失わないとされている。
平たく言えば、使用者の責任で働けなくなったときは、働いてなくとも給料払えよ、ということである。

これに関して、二つ法律がある。

民法第536条第2項
「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。」

労基法第26条
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」

労基法は民法の特別法、そして特別法は一般法に優先する。
だから労基法に基づき6割だけ払えばよい。
こう思っている使用者は多い。

しかしそれは間違っている。

両者の関係について、両者は併存するのである。
両者の違いは ①帰責事由は労基法の方が広い。例えば、広い部分は監督官庁の勧告による操業停止、親会社経営難からの資金資材の入手困難などがあげられる。
さらに②労基法は罰則を持って強制される。

以上の違いはあるが、民法第536条第2項の使用者の責めに帰すべき事由がある限り、労基法によって60%支払ったからと言って、残り40%を支払わなくてよい、とはならないのである。

社労士さんなどから、よく聞かれるので念のため。
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by kazuo_okawa | 2019-02-05 00:15 | 労働 | Trackback | Comments(0)