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by kazuo_okawa

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うつ病九段!

昨年度に長期間休場した棋士先崎学九段の新刊書である。
先崎九段の休場の原因はうつ病であり、その発症から回復までを自らの手で綴ったのが『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』である。

私自身、将棋ファンであり先崎九段の著はほとんど読んでいて、いつもその洒脱な文章に感心している。

そして職業柄、依頼者にうつ病患者が少なくないこともあって、直ちに購入し、そして一気に読み終えた。

本書では、うつ病発症の原因は詳しく書かれていないが、いわゆる「竜王戦挑戦者交代事件」であろうことは、発症後に、将棋ジャーナリスト大崎善生氏が、日経新聞2017年9月17日付の王座戦観戦記で次のように記載して、原因を暗示していた。
即ち大崎善生氏は「私の古くからの友人先崎学は倒れた。棋士が棋士を疑う。その図式に繊細な彼の神経は耐えられなかったのだろう」と記している。

本書は、うつ病についてリアルに描かれていて、うつ病たるものがよく理解できる。
その意味では、うつ病に関心ある方には興味深い本だろう。

しかし、将棋ファンとして強く印象に残ったのは次の一点である。

文中随所に出てくる棋士について固有名詞で描かれ、いずれも、〇〇さん、〇〇君、〇〇先生、と敬称付きなのだが、ただ一人羽生善治竜王だけは「羽生」と呼び捨てである。

無論、先崎九段が羽生竜王をないがしろにしているわけではない。
むしろ畏敬の念をもっていることは「一葉の写真」その他随所に開陳している。
しかし、敬称抜きなのである。

ここに、何とも言えぬ先崎九段の羽生竜王に対する別格の思いが読み取れる。
本書のテーマではないが、将棋ファンとして、ここが一番印象に残る。

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by kazuo_okawa | 2018-07-16 22:39 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
日経将棋欄で本日(3月8日)まで掲載されていたのが、王座戦二次予選先崎学対三浦弘行である。
その先崎の自戦記が実によい。

棋譜解説がほとんどないのは、文章力ある先崎ならではの手法だが、スマフォ疑惑冤罪に苦しんだ三浦へのリスペクトと、棋士として高度な技術の駆使こそがプロの使命として全力を挙げて戦う姿がいい。

また随所にみられるごく自然なエピソードに先崎の思想が垣間見れる。

クライマックスの51香!
「カオスな魔の一瞬を作る」というくだりには羽生世代の元祖天才先崎の矜持だろう。
結果は先崎の勝利だが、先崎のそのくだりの解説には泣かされる。

人間同士の闘いにはまだまだドラマがあるとつくづく思うのである。

【9月7日追記】
先日送られてきた将棋ペンクラブ会報によれば、この先崎の自戦記が、将棋ペンクラブ優秀賞を受賞していた。おめでとうございます。

【9月20日追記】
日経9月17日付の王座戦観戦記で大崎善生が「私の古くからの友人先崎学は倒れた。棋士が棋士を疑う。その図式に繊細な彼の神経は耐えられなかったのだろう」と記している。先崎の休場により叡王戦での渡辺竜王・先崎戦は渡辺の不戦勝となった。先崎の自戦記といい、この大崎の観戦記といい、色々な思いが巡る。



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by kazuo_okawa | 2017-03-08 20:06 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
A級復帰を決めた超一流プロ棋士久保九段に、2月18日、指導対局を指して頂く。
私の入っている日本将棋連盟支部の師範ゆえである。
日本将棋連盟支部の会員と聞けば何やら物々しく思われるかも知れないが、私自身は「将棋世界」を定期購読できるので便利ゆえ会員となっている。

私自身は実戦派ではなく、プロ将棋の観戦を楽しむ派であるが、それでも超一流棋士の指導を仰げるとなれば別である。
超一流棋士に指導を仰ぐことは将棋ファンとしては至福の時なのである。

さて将棋ファンなら熟知の通り、指導対局はプロ側(上手という)が駒を落とす。
私はアマチュア初段、それゆえ「2枚落ち」のハンディでお願いする。

さて作戦をどうするかである。
実は「将棋大観」を始め、「駒落ち定跡」の著は数知れない。
私も、何冊か持っている。
先崎学の「駒落ちのはなし」は読み物として大変面白い。
この本はお薦めである。
しかしまあ、先崎曰く、2枚落ち定跡は完成されている、という。
従って、完璧にマスターすれば、上手に勝てるのだが、それが知る人ぞ知る「銀多伝」と「二歩突っ切り」という戦法なのである。
確かに素晴らしいのだが、上手が変化球を投げてくれると対応するのが難しい(これも事前に勉強しておけばクリアできるのだが)…。

まあ、なんやかんやで「駒落ち定跡」を勉強する時間はない。
しかも、もともと私は観戦将棋派である。

そこで閃いた!

久保師範は「さばきのアーティスト」「振り飛車党」である。
ならば、その得意戦法「振り飛車」を教えて貰うのが正攻法であるまいか。
幸い私は、観戦を楽しめるくらいには平手の定跡は知っている。

さて飛車はどの位置に振るか。
久保流中飛車か四間飛車か。
これまでの経験で、駒落ち戦の上手は、端からの攻めに気をつけつつ、中央を厚くする。
そうすると、中飛車はなかなか厳しく、四間飛車が良いだろう、と考えた。
四間に飛車を振ると、角との睨みが、丁度良いのである。
そして、あとは久保流さばき(要するにこちらの攻め駒と、相手の守り駒を交換していく)。
するともともとハンディがついいているから、理論的にはこちらが必勝のはずである。
理論的には…。

さて本番。
2局指導して貰うが、2局とも「四間飛車」戦法。
1局目は、四間からの攻めで手薄となった、上手の、9筋から突破する!
2局目は、四間の数の攻防から、上手の隙間を作って角を成る!
とまあ、それなりに作戦通りにいったのだが、将棋は中終盤からが難しい。

結局、1勝1敗!
3時間、脳内に汗をかきました。

とはいえ、超一流プロに、二枚落ちで1勝1敗は気分が良い。

打ち上げの席でも、「歩のうち捨てはしびれました。素晴らしい手でした」などと久保師範に褒められ、その日は、気分良く帰宅。

連れ合いに結果を話すと「1勝1敗!さすが超一流プロやね」と久保師範を絶賛!

う~ん、まあ、確かにそうなんですが…。




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by kazuo_okawa | 2017-02-20 21:31 | 将棋 | Trackback | Comments(0)