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by kazuo_okawa
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日経社説の責任!

「働き方改革法案」強行裁決後の28日の、日経新聞社説は「脱時間給の制度化を今国会で確実に」という見出しの元、脱時間給こと高度プロフェッショナルこと残業代ゼロ法案についてその必要性を論じている。

しかし、その根拠とするところは、結局「先進国に見劣りする日本の労働生産性を引き上げる意義がある」「ホワイトカラーの仕事は成果が労働時間に比例しない傾向が一段と強まっている」の2点にすぎない。

改めて指摘するまでもなく、これはもっぱら使用者の都合に過ぎない。

こんな使用者側の論理だけで強行採決するのはそれだけで不当だろう。
日経が経済新聞だとしても、こんなに露骨に使用者に肩入れするのはどうなのだろうか。

まず、「日本の労働生産性が先進国に見劣りする」というのは、そのデータ自体がいささか疑問である。
それはおいても、労働生産性とは「労働による成果(付加価値)」を「労働投入量」で除したものであり、その付加価値とは「営業利益-(人件費+原価償却費)」であるから、要するに、人件費が低くなればなるほど労働生産性が上がる、というそれだけのことである。

つまり、もっともらしい「経済用語」を並べているが、平たく言えば、人件費を下げたい(残業代を払わずに働かせたい)ということに過ぎない。

次に、「ホワイトカラーの仕事は成果が労働時間に比例しない傾向が一段と強まっている」というのはそうかもしれない。
しかしだからといってそれを、労働者に転化するのは間違いである。
成果の責任はあくまで使用者にある。

このことはかつて、成果給が猛威を振るった20数年前に批判したことがある。
つまり、労基法も認める「出来高給」とそもそも労働法が予定していない「成果給」は区別しなければならない、と。
たとえば、椅子を幾つ作ったかで給与を決めるのは「出来高給」として許される。
しかしその椅子が売れるかどうか(それが「成果」)を労働者に転化するのは無茶だろう。

今回の残業代ゼロ法案はもっともらしく「高度プロ」などと述べるが、結局は、本来使用者が負うべきリスクまで労働者に負わせるというもので、論理的におかしいのである。

無論、労働者の「成果」が企業に爆発的な利益を生み出したときに、それに見合う報酬を労働者に与えるというなら別である。
しかし、そういう利益は使用者が独占するのである。

ならばおよそ公平とは言えないであろう。

この残業代ゼロ法案は「過労死」を生む。

そういう観点からの批判はあちこちでされており、それはそれで正しい。
しかし、高プロ推進者の発想が根本的におかしいことをまず批判すべきだろう。

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by kazuo_okawa | 2018-05-28 23:53 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)
30数年前の話であるが、私が司法試験を最終的に合格した時の、労働法における口頭試験(面接試験)の質問は、副業に関して生ずる問題を問うものであった。

A社で働く労働者が、副業でB社で働くと、トータルで労働法の規制時間を超える。
その場合の、残業割り増し手当はどこが払うのか、労災においてはどうなるかなど、法律的には実に面白い問題であり、詳細は忘れたものの、その質問は今でも覚えている。
(きちんと答えて合格していますので、そのことは念のため)

細かくは省くは、当時は、副業は好ましくない、という社会状況であった。

そもそも労働者は、やりたくて副業をするのではない。
生活のためにやむなく副業するのであるが、そうであれば、本来は、本業のところで権利(労働三権)を行使して賃上げを求めるべきであり、それゆえ副業は好ましくない、とされてきた。
厚労省の就業規則モデルも、会社(使用者)が労働者の副業を禁止するものである。

それがどうだ!

今年になって、 厚労省はその方針を変えた。

「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表し、表題通り、副業・兼業を促進し、会社の就業規則モデルも副業禁止から、副業容認モデルに変えているのである。
これはいかんでしょ!
厚労省は一体どうしたのか!

副業・兼業を勧めるというのは、時短の流れに逆行し、どこまで労働者を働かせるのというか!

ここまで言えば、誰しもわかる。
安倍首相の「一億総活躍社会」という名の、一億国民に働かせる政策。
それに迎合したものであることは明らかだ。

働き方改革法案における、裁量労働制の、厚労省データのインチキ性は大きく報じられた。要するに、官僚(厚労省)は安倍政権に忖度しているのである。

そしてこの「副業・兼業の促進に関するガイドライン」である。
物悲しいとしか言いようがない。

スーパー裁量労働制といわれる「残業代ゼロ法案」こと高度プロフェッショナル制度は到底許してならないが、同じように、副業・兼業を促進するこのガイドラインも批判されなければならない。


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by kazuo_okawa | 2018-03-21 17:00 | 労働 | Trackback | Comments(0)