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[ 2018-01 -30 00:01 ]
1月29日の朝日新聞夕刊に、非常に面白い記事が出ていた。
表題の見出しで「静岡県内の建設関連35社でつくる県建設コンサルタンツ協会が、日本一の富士山(標高3776メートル)の「体積のはかり方」を募集している。答えが出ていなくても、正確でなくてもOK。はかり方のユニークさや面白さがコンテストでの審査ポイントとなる。」という記事である。
この種の話題に少し詳しい人なら、2003年のベストセラー「ビル・ゲイツの面接試験~富士山をどう動かしますか?」を直ちに思い起こすだろう。
わざと答えの無い問題を出して、その答え方から、その柔軟な思考力を見出し、そのことによって真の意味での「知性」を採用するのが、ビル・ゲイツの面接試験だとして話題を呼んだのである。
ビル・ゲイツの入社試験は「富士山」が好きで、富士山を動かすのにどれくらいの時間がかかるか?という問題もある。
また大きなモノ(ミシシッピ川の流水量など)をはからせるのもある。
何が言いたいのかといえば、この朝日の新聞記事を読めば「ああ、ビル・ゲイツの入社試験だな」と思ってしまうのである。
ちなみに、この書がヒットした後「グーグルの入社試験」など入社試験モノが続いた。
さらには「オックスフォード&ケンブリッジ 世界一考えさせる入試問題」など入試問題モノも出版され、そのころに現実の東大の数学入試問題「円周率が3・1より大きいことを証明せよ」が名問題などと話題となったものである。
さてそういった歴史をこの記事を書いた記者が知っているのかどうかは知らない。
しかし、記事中「そんな斬新なアイデアを協会は期待する。」と記者は書くのだけれども、実はこの協会の問題自身は,全く「斬新なアイデア」ではないのである。
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