まずは先勝である。
竜王戦七番勝負第1局が10月9、10日に、恒例の「セルリアンタワー能楽堂」で行われた。
なんと言っても、50歳となりそしてタイトル通算100期の大記録を目指す羽生善治九段が挑戦者ゆえ注目される。
迎え撃つ豊島将之竜王(叡王)は実力があり、タイトルを奪取しながらも不思議と防衛が出来ない。
豊島ファンとしては何としてもそのジンクスは破ってほしい。
さて注目の第1局。
先手羽生九段の矢倉を受けて立つも、後手豊島竜王は、超急戦策。
6手目74歩、10手目73桂、そして居玉且つ金銀を動かさないまま16手目65桂である。
いやあ、これを見ただけでワクワクしますね。
豊島流が戻ってきた!
豊島二冠は、研究に裏打ちされて「序盤中盤終盤隙が無い」
しかもそれに加えAIを研究相手として、序盤から隙あらば仕掛ける!
これがリニューアル豊島将棋の魅力であり、2年前からタイトルを奪取してきた!
それが、ここ最近、過密日程と「負けない将棋」永瀬拓矢王座との長い闘いにいささか調子が狂わされおかしくなったように思える。
しかし本来の豊島将棋が、重要な本局で、まさに、戻ってきた!
そして超急戦策の65桂銀取りを、なんと、羽生九段は逃げない。
凄い!
まさに「勝利は勇者に微笑む」羽生流でもある。
いいですねえ。
その後も激しく、難しい展開。
その難しさを、裏から表現したともいえるだろう、解説陣は何度「初心者はまねをしないように」と言っただろうか。
結果は、52手という、竜王戦史上最短記録で豊島二冠の勝利!
短手数でも、濃厚で迫力ありましたね。
第2局以降が実に楽しみである。