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私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa

藤井二冠の一年

元旦紙を読んでいると、昨年に引き続き棋士へのインタビューや対談が掲載されているのは嬉しい。
かつてはあまり目立たない場所の下段の将棋欄だけであった。
その時代を思う昨今の将棋ブームは実に感慨深い。

朝日は、渡辺明三冠と井山裕太三冠の共に名人同士の対談。
朝日は、囲碁将棋とも名人戦の主催社ゆえの企画だろう。

そして将棋ブーム火付け役の藤井聡太二冠はスポニチがインタビュー。
この記事は凄い。藤井二冠はいわゆるタイトル戦での「勝負メシ」を覚えている。
その記憶力に驚かされる。私など作日の晩御飯すら覚えていないのに…。

さらに藤井二冠は棋聖でもあるから、その主催社産経新聞は囲碁の芝野虎丸十段を交えての鼎談。
(そうすると、王位戦主催社は藤井二冠のインタビューをしている可能性はあるが残念ながら神戸新聞などは購入していないので分からない。)
いずれにせよ藤井二冠が主役であることはわかる。

そう思えば各紙将棋欄も、本来なら藤井二冠でスタートしたかったろう。
しかし、朝日毎日はA級順位戦。読売は竜王戦。日経は女流王座戦。
載せたくとも載せられない。
産経も同じである。藤井二冠がタイトル保持者故載せたくとも載せられない、
しかし、その産経、なんと藤井二冠の師匠杉本昌隆八段の登場である。

日経の一面広告でも杉本八段は大きく顔写真が出ている。
今朝のカンテレ新春特別番組「藤井聡太18歳」でも日本で一番有名な師匠と紹介されていた通り。

とまあなにわともあれ、今年も藤井二冠の活躍が見られそうである。

【5日追記】
4日の朝日新聞朝刊は芝野虎丸二冠と藤井聡太二冠の対談であった。これまた魅力的な顔わせである。そして同じく4日日経夕刊は藤井二冠の単独インタビューである。

【12日追記】
将棋プレミアムは1月2日に、藤井二冠に対して東大クイズ王林輝幸氏がオセロ対決しながらインタビューをうけるという企画を公開した。
この企画は、かつて羽生九段が有働由美子アナウンサーと同じくオセロをしながらインタビューを受けた読売テレビの特集を思いだす。

インタビューする方は予めこういうことを聞こうと考えているのであるが、聞かれる方はゲームをしながらインタビューにも答えるのであるから大変である。
しかしゲーム自体は、オセロのゲームのみならずあらゆる盤上ゲームに詳しく、オセロも必勝法を知っている羽生九段の圧勝であった。

藤井二冠の方もオセロは勝利。
藤井二冠は、オセロは端をとる方が有利、というくらいの知識で勝利するのであるから、やはり素晴らしい。
感想を述べるとき、後方にいたオセロ協会の立会人が、いちいちうなづいていたのが印象に残る。

9日は、Abemaテレビが昨年行われた第61期王位戦の記念対局藤井聡太王位対里見香奈女流王位戦のビデオ放映である。
平手であるが、持ち時間が藤井王位は10分、里美女流王位は1時間とハンデをつける内容。

そして10日NHK将棋フォーカスは藤井二冠。
何のことはない、テレビも藤井二冠一色である。



# by kazuo_okawa | 2021-01-03 11:39 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

前例踏襲!?

通常、首相たるものメディア・新聞を公平に扱うものである。
仮に、インタビューに応ずるとすればどのメディア・新聞にも応ずるのでなければならない。
何故なら、どのメディア・新聞にも背後に無数の視聴者・読者が存在しており国民の「知る権利」に応えるものだからである。

ところが、安倍晋三前首相はその「公平性」を破った。

自分に対して耳の痛い質問はせずに、言いたいことをそのまま喋らせてくれるメディア・新聞を選別してそういうところのインタビューのみに応じていたのである。

では菅義偉首相はどうなのか。
元旦の新聞各紙を見ていると、菅首相は、なんとサンケイスポーツに江本孟紀氏と対談していた。
話題はスポーツ中心であり、かつて安倍前首相が産経新聞の単独インタビューに応じていた「改憲」に向けたギラギラ感などはないが、それにしてもフジ産経グループのサンケイスポーツである。
メディア・新聞を選別していることは違いない。

菅首相は学術会議問題で「前例踏襲でよいのか考えた」と強く述べていたが、安倍前首相のメディア・新聞選別のその悪しき前例は、考えずに踏襲しているようである。

【追記】
まあ全体にオリンピック盛り上げムードであるが、日刊スポーツでは東京2020組織委委員会会長である森喜朗氏がインタビューに答えているがその見出しが「コロナ禍拡大しても「中止にはできない」」である。国民の安全など考えていないと言うことだろう。

# by kazuo_okawa | 2021-01-02 16:27 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)

独裁国のメディア

毎年、元旦には主要5紙とスポーツ紙5紙の読み比べをしている。
元旦紙は各紙とも特ダネを目指すし、そうで無くとも力を入れて特集記事を編むので、各紙単独でも読み応えがある。
それを全紙読む。
こんなことを10代からしている。

昨年(2020年)は、一昨年(2019年)大晦日に、「ゴーン被告人出国」という大きなニュースが飛び込んできたので、その点からも元旦記事にどう報じられるか興味深かったのだが、今年はそういう意味ではビッグニュースは無い。

朝日新聞の吉川氏が1300万円受領の疑いの記事、毎日新聞の中国「闇」ワクチンを日本企業経営者らが摂取の記事、読売新聞中国「千人計画」に日本人関与などはそれなりに興味深い記事ではあるが特ダネ感はない。

ただ5紙を読んでいると、中国問題が大きな課題であることが印象に残る。

無論だからといって国内問題のアベ菅政権の責任を軽んじていいいわけでは無い。
このまま行けば日本も中国のようになりかねないこそ、きちんと批判する必要がある。
読売社説ですら、固有名詞こそ出していないが国会で嘘をつき、説明を拒むことへの批判をしている。
毎日社説は我が国の「再封建化」に対して民主政治の再生の可能性にかけよとしている。

まあ、それよりも気持ち悪いのは、スポーツ5紙である。
5紙全ての一面終面が「嵐」の記事で、それはそれで構わないのだが(同じニュースが全紙一面トップとそんなことは普通に良くある)、一面終面の「嵐」の写真は全て全く同じ写真。
そして「ジャニーズ事務所提供」とのクレジットはない。

スポーツ新聞であり、あれこれ目くじらをたってる必要は無いのかもしれないが、提供元を伏せて、そして全紙全く同じ、新年早々、何やら独裁国のメディアを想像してしまうのである…。


# by kazuo_okawa | 2021-01-01 16:49 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)

絶望の民主主義

今朝の朝日新聞を読んでいると、中国の裁判所で香港活動家らが実刑判決を受けたという記事が出ている。
言うまでもなく、非民主的な秘密裁判の結果であり、読んでいるだけで絶望的な気分になる。

では我が国はどうなのか。

同じく朝日新聞の本年最後の社説は、「日本は民主主義国だと誰もが言う」で始まり、「国民主権、権力分立、議会中心主義、法治主義など民主政治の基本原則を再起動させる。(略)
いまならまだ、カジは切れる」で終わる。

今の日本は「民主主義国」でないことを含んでいる。
朝日の読者ならこの認識に異論はないところだろう。

では自公の支持者はどうなのか。
あからさまな嫌中派でなくとも、非民主的な中国の状況は大いに批判しているだろう。
ならば同じように、今の政権を批判すべきだと思うが、残念ながらそうではない。

そして我が国は今も「民主主義国」と思っている人が多い。
そのことが余計に絶望的な気分にさせる。

カジは切りたいのだが…。

# by kazuo_okawa | 2020-12-31 14:21 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)

建艦競争

本日(12月30日)の朝日新聞将棋欄の(剣)氏の観戦記が興味深い。

A級順位戦佐藤天彦九段対広瀬章人八段を取り上げたものだが、そこで佐藤天彦九段の思いが紹介されている。
佐藤九段は名人位を奪取・防衛していたころは実に強かったが、失冠してからはやや精彩を欠くように見える。
その思いの一端が(剣)氏の一文に窺い知れる。

現在の将棋界は、皆が一斉に似たようなソフトで研究する。
その将棋界の現状を佐藤九段は、第1次世界大戦後の主力艦建艦競争になぞらえ、結果的に戦力差はつかず国力は疲弊する、と比喩を使っている。

佐藤九段は表現力が巧みである。

観戦者は皆、ソフトの評価値を見ながらどちらが優位か知りながら楽しむが、対局者のみその評価値を知らない状態を「評価値ディストピア」と称したり、例えば序盤研究が進んで互いに時間を使わずに手がさっさと進んでいく状態を「通学路」(いつも通る道という意味である)と称したり、その表現に感心する事が多い。

その佐藤九段が「建艦競争」と称するのは言外に「こういう在り方でよいのか」という意味を含んでいる。

佐藤九段は、奨励会三段時代、「フリークラス」というプロ入りを選択できたときに、その権利を行使せずに周りを驚かせた。
例え、プロ入りが遅れてでも、三段リーグを勝ち抜く道を選び、そしてプロ入りした棋士である。
揮毫は「王道」。

今日、将棋界に限らず、コンピュータソフトAIとのつきあい方は、人に突き付けらた課題である。
全面的に依拠するのか、利用しつつも距離を置くのか…。

佐藤九段が、模索しながら闘っているということを知るだけでも、本日の観戦記は凄い。


# by kazuo_okawa | 2020-12-30 12:12 | 将棋 | Trackback | Comments(0)