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私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa

まず東京に…

13日の夕刊トップは、政府の処理水海洋排出決定である。
地元の意向を無視した独断としか言いようがない。

何日前だったか、ジャーナリストの高野孟氏が、まぐまぐニュースに
「安全なら東京湾に流せ。トリチウム汚染水放出で復興を妨げる菅政権の蛮行」という記事を寄稿していた。

そもそも2020東京五輪は、安倍晋三前首相が2013年9月のIOC総会で「福島原発は完全にコントロール下にある」と世紀の大嘘をついて誘致したもので、それと辻褄を合わせるためにはどうしても五輪前に汚染水についての方針だけは決めておかなければならなかった、という。
仮に五輪が開催され世界中から記者が集まってくれば、必ず福島事故汚染水はどうなっているのかと質問が飛ぶに決まっているが、その時に、汚染水の処分方法が決まっていないとは答えられないだろう、というものである。

高野氏の指摘に全く同感である。

そしてこの身勝手で非情な方針に対して福島の漁業関係者は強く抗議しているが、どこ吹く風の菅政権に対して、高野氏は、福島の抗議を無視してまで安全というなら東京湾に流せと鋭く指摘しているのである。

この、安全なら東京湾に、というスローガンで思い出すのは、広瀬隆氏の『東京に原発を』という著作である。
広瀬氏は、『ジョン・ウェインは何故死んだか』などの話題作を次々と発行してきた反原発の旗手である。
その広瀬氏が主張した「東京に原発を」というスローガンを思い出させる。

思えば、菅首相は、国民にまず「自助」を押し付ける政治家である。
そもそも原発の最大の受益者は、東京だろう。
そうすれば、まずは、東京で引き受けるのが「自助」たる精神だろう。

自分たちは、他府県の助けを求めるとあっては「自助」の名も泣くであろう。


# by kazuo_okawa | 2021-04-14 06:06 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)

白鳥とコウモリ

うまいもんである。
東野圭吾氏の最新作『白鳥とコウモリ』である。

謳い文句は「遺体で発見された善良な弁護士。
一人の男が殺害を自供し事件は解決ーーのはずだった。」
「東野版『罪と罰』」

これだけでワクワクするだろう。
同時に『罪と罰』とあるからある種の手法は推測される。
「過去は未来に影を落とす」はクリスティの言葉だが無論、クリスティに限らずミステリの常道の手法でもある。

【以下、ややストーリに触れています】

加害者の息子と被害者の娘が、共に、表面上の「解決」に疑問を抱き、そして「偶然」出会い、惹かれ合う。
こういう設定を考え出し、それを不自然に見せないところが見事である。

何人もの弁護士が登場するが弁護士像の不自然さもないし違和感もない。
おそらく相当に取材をしたのだろう。

白鳥とコウモリについては、作中も出てくるが色々と暗示させる。
そして『罪と罰』といいながら、読後感がいい。
それは心理的抵抗の少ない「真相」にしているからと思われ、近時の東野圭吾氏の手法である。

本作は連載ミステリであり発行時期は東野氏なら随意に選べるだろう。
出版社が考える「ベストテン」狙いの秋の時期に発行という手法もとろうと思えばとれるところ、それもとらない。
軽装版の発行といい、東野氏の出版事情に対するポリシーがうかがえる。
そういう所も興味深いのである。


# by kazuo_okawa | 2021-04-13 07:33 | ミステリ | Trackback | Comments(0)

言論統制!

4月7日に朝日新聞「多事奏論」に田玉恵美論説委員の「NHK値下げ 社説書いた 総務省に呼び出された」というコラムを寄せている。
田玉氏が「NHK受信料値下げは政治の圧力と感じる」と書いたことが「事実に反する」という。
総務省は田玉氏を、わざわざ呼び出して「事実と異なる」と抗議したという。
詳細はコラムをお読み頂きたいが、呼び出すという手法を含めて露骨な言論統制が引っかかる。

抗議する方がその相手を呼びだしている。
一方、その田玉記者が、「抗議の真意を知りたい」と取材を申し込むと断られたという。

自分は、内容を知らせずに人を呼び出し、他方、その「取材」は断る。
勝手なものであある。

そう思っていたら、4月8日、毎日新聞はその総合・社会面に
「NHK 異論を排除?沿道から五輪反対の抗議 聖火中断 音声途切れた30秒」という大きな記事を寄せている。
要するに,NHKは五輪反対など異論を排除して放映しているという疑惑である。
木許はるみ氏の署名記事で、抗議デモも報ずる北京五輪ニュースとのダブルスタンダードと批判している。

すでに辞表を書いて退任した山田真貴子元内閣広報官のNHKに対する圧力があったのか国会で問題となり、「抗議の電話はしていない」「抗議の電話は受けていない」という答弁で終わっている。
反対解釈すれば、「電話はした」と受け取れる。

じわりじわりと言論統制がいきわたっていると受け取られかねない。
メディアはこぞってこの問題を継続してとりあげてほしい。


# by kazuo_okawa | 2021-04-12 07:19 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)

藤井世代の新鋭

伊藤匠四段の将棋をAbema,NHKと続けて見た。
ニューフェイスらしく気持ちよい攻め将棋である。

昨年10月にプロ入り。
藤井聡太二冠と同学年であるが生まれ月の関係でわずかに若い。
現在、プロ最年少である。
この新四段はなんと言っても小学3年生の時、小学館学年誌杯争奪全国小学生将棋大会準決勝で藤井少年に勝利して彼を大泣きさせたというエピソードを持つ。

とはいえ、デビュー以来5勝3敗とまあまあの数字。
しかしAbemaの対局内容は実に面白かった。
久保利明九段のゴキゲン中飛車に対し、超速ではなくて65,66と銀を縦に並べる戦法で勝利。
さらに対船江恒平六段には相横歩取りで、先手伊藤飛車は2→3→2→8と動き後手82歩に83歩と合わせる。
72金で受かる、といわれているところ、77金で船江飛車をまず追い82歩成りから61角という研究手の強攻策で快勝。
いや見ていて面白い。

そして11日のNHK杯。
松尾歩八段相手に、対船江戦と同じく、相横歩取で「2→3→2→8と動き後手82歩に83歩と合わせる」同じ戦法であるが、松尾八段の王手飛車をくらってから敗勢のまま敗北。
放映日は逆であるがおそらくこのNHK杯を改良して船江戦を戦ったのだろう。
果敢な姿は心地よい。

父親は弁護士。
これは豊島将之竜王と同じである。

藤井二冠の刺激を受けて成長していけば楽しみである。


# by kazuo_okawa | 2021-04-11 12:20 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

コロナ下の大学講義

つくづく若い人たちを相手に話すのが好きなんだと思う。
8日から龍谷大学法学部での講義が始まった。
私は、1996年から法学部前期の講義を引き受けている。
途中、ロースクールと兼任した時もあったが、法学部の講義はずっと続けさせてもらっているのである。
「教える」ことは「教わる」ことでもある。
学生の反応は私にとっても実に心地よいのである。

昨年は、オンライン授業。
今年は、対面授業となり、2年ぶりに大学キャンパスに行く。
ここに建物があったはずだが、という場所は広々と敷地になっており、全体にコロナ対策をしていることが窺える。

講義は大教室であるが、密にならないように席をひとつづつ明けている。

さて講義。
毎年、と言っても昨年は例外だが、学生に「『人権』に対するイメージ」と「新聞を購読しているか」を聞く。
スマフォでニュースを見ることの多い学生たちであり、新聞購読者は毎年激減しているがかろうじて今年もゼロにはならなかった。

『人権』イメージも今年は悪くない。
『人権』に対して、一番ひどかったには2015年~2016年ころだろうか。
高校教育や社会情勢などが反映しているのだろうか、とつくづく思う。

過去の教え子には、私の講義が一つの刺激になって大阪で弁護士になっている者もいる。
こういう出会いは本当に嬉しいのである。
今年はどうなるか…。


# by kazuo_okawa | 2021-04-10 08:40 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)