私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa

羽生善治×AI

羽生九段の研究パートナー長岡裕也五段の著書である。

まじかで研究してきた者から見た「羽生善治論」である。

2008年、竜王戦で3連勝4連敗となり永世七冠を逃したとき、羽生九段は長岡五段を研究に誘う。
それは100年に一度の大勝負に敗れ、打ちひしがれるのではなく、直ちに気持ちを切り替え新たにスタートを切る証であった!
そこに羽生九段の精神力の強さがうかがえる。

羽生九段は、解説その他多忙だがそれはそれは「将棋界のために」という責任感であり、それでいて、いかなる時でも「多忙」を口にしない。
無論、勝負の言い訳にもしない。
そんな中で最新の研究をするわけである。

将棋ソフトは参考にしつつも絶対視しない。
むしろ安易にソフトに回答を求めることはしない。
これを羽生九段は、長年一線で闘ってきた加藤一二三九段の生き方に照らして「目先の利益を取る」というやり方をしないと長岡五段は述べる。

そしてそれは、将棋の研究論のみならず、人生哲学にも通ずると。

「ミスをしても切り替える」
「今、出来ることをやるしかない」
「大一番」の前後も平常心を保つ。

羽生善治論として、なかなか興味深い一冊である。

とはいえ、一番興味深いのは、羽生九段が、当時プロ3年目の無名の棋士長岡五段を何故指名したのかという点であり、同時に、羽生から正月早々に直接電話を受けたときの長岡の驚きが面白い。
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# by kazuo_okawa | 2019-02-11 07:16 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
木村拓哉、長澤まさみら豪華俳優陣で話題を呼ぶ映画「マスカレードホテル」を見に行く。
東野圭吾のヒット作の映画化である。

(少しトリックに触れています)

もともと原作自体が面白い。
映画も、ほぼ原作に忠実で、面白く見られた。

もっとも私自身は、原作にある、潜入捜査官新田(これを木村拓哉が演ずる)がホテルの客のカバンを勝手に開けようとするところ、有能なホテルマン山岸(これを長澤まさみが演ずる)が体を張って防ぐ、というシーンが印象に残っていたのだが、それは映像化されていなかった。

実はその点がいささか残念なのであるが、それでも作品自体は素晴らしい。

「マスカレードホテル」の事件は「連続殺人事件」であり、犯行現場に同じような謎の数字の記号がおかれていることから、同一犯の連続殺人とみられる。

この「連続殺人モノ」は、いわゆる「見立て殺人」モノを始め、本格ミステリにおける一つのパターンである。
しかし何といっても東野圭吾のアイデアは、次の殺人場所が予告されているというところにあり、それが舞台をホテルにする工夫である。
しかも、そこに登場するホテルの客の怪しさと、客を疑う刑事と、客のいかなる注文も受けつけ客の満足を第一義に考えるホテルマンという組み合わせに感心する。

そして中心トリック。

この「一人ずつ連続で殺される」ということ自体が、実は、「目くらまし」というのであるから、実は東野圭吾のこの趣向が面白い。

東野圭吾はこれまで同じようなトリックを全く違う作品に仕上げてきたことがあったが、このトリックも(一見それと気付かれないように)全く違う作品でも使われるのではないだろうか。
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# by kazuo_okawa | 2019-02-10 15:35 | ミステリ | Trackback | Comments(0)

手品師のジレンマ!

モリかけ事件の一方、加計事件の真相判明の勇気ある功労者ともいえる前川喜平・前文科事務次官の道徳講演が素晴らしい。
それを報ずる記事の中で、道徳教科書の内容を知る。

前川氏の講演は「道徳の教科化」(2018年度から移行措置期間、2020年度から小学校で完全実施)についての疑問を呈示したものだが、道徳の教科書に載っている「手品師の話」というのがひどい。

 <腕は悪くはないのだけれども売れない手品師がいて、いつかは大劇場で沢山のお客さんの前で演じたいと思っていた。ある日、道を歩いていると、寂しそうにしている少年に出会う。彼は父親が亡くなり、母親が働きに出ていて、一人ぼっち。手品師は少年を喜ばせてあげようと手品を見せたら、その子がすごく喜んだ。「明日も見せてくれる?」と言うので「ああ、いいとも」と約束した。
 ところがその日、帰宅すると、電話がかかってきた。
「明日、大劇場で手品をやってほしい。予定の芸人が病気になって、突然出られなくなった」と。手品師にビッグチャンスが訪れた。
 でも劇場に行けば、子供とした約束が果せなくなってしまう。そういうジレンマを抱えた手品師は、劇場に行くのを断って少年の元に行き、たった一人のために手品をした。>

これが、「約束を破らなかった手品師は、誠実ですばらしい」という話として紹介されているらしい。

前川氏は、「自己犠牲が正しい」という一つの徳目だけを押しつけることを批判する。
その批判は正しい。

しかし幼少からのマジックファンとしては、別の観点から腑に落ちない。

こんなマジシャンはいない!

無論、約束を守るマジシャンなどいない、と言っているのではない。
<大劇場にたつ><子供にマジックを見せる>
腕のいいマジシャンなら、普通は、この両方を実現しようと考えるだろう。

<一見不可能な事を実現する>そのトリックを考えるのがマジシャンだからである。
しかもこの状況は、マジシャンなら普通に実現できる。

つまり、大劇場にたちながら、子供にマジックを見せることはマジシャンには極めて容易なことである。
無論この場合、子供には、「対面で」見せるわけではない。
…例えば、子供には、「使い」をよこすなどして、「封筒」を渡す。
その「封筒」の中に、子供への指示と、そしてメンタルマジック!

これは一案である。
しかし、マニアも含めてマジシャンならば、むしろこの「ジレンマ」を楽しみ、すべてが実現するという格好の妙案を考えつくだろう。

そう、我慢してはいけない。
犠牲は良くない!
すべてが幸せになる方法を考える。

そう考えると、教師にとって腕の見せ所たる「教科書」かもしれない。
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# by kazuo_okawa | 2019-02-09 09:17 | マジック | Trackback | Comments(0)

悪質な記事、再び

2月7日も夕刊フジはセンセーショナルに辻元清美叩きを煽っている。

ひどい話である。

私たちが応援している亀石倫子弁護士のツイッターで知ったのだが、
「こたつぬこ‏ @sangituyama」氏が 【拡散希望】として次のように指摘している。

「辻元氏の外国人献金についてですが「『寄付金は外国籍の方からはできません」と記された振込用紙を使って1万円を寄付していたことが発覚』とこの記事にあります。つまりこれは「寄付した側のミス」です。」
実際、政治家側ではこれ以上防止しようがないだろう。

さらに  
「2015年2月に、下村博文文科大臣(当時)が、外国人の方から96万円の献金を受けていましたが、下村氏は「返金したので問題なし」とおとがめもありませんでした。」とも指摘している。

今回「こたつぬこ‏ @sangituyama」氏のツイッターを初めて拝見したが、いやいやネトウヨ相手にきちんと反論し見事なものである。 

是非アクセスしてください。

それにしても、フェイクニュースに騙されないことが重要である。
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# by kazuo_okawa | 2019-02-08 00:44 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)

悪質な記事

6日の帰宅時、駅売店の夕刊フジを見ると、「辻元 違法献金」の大きな見出しが躍っている。

どんな大変なことが起こったのかと、夕刊フジを購入したのだが…。

要するに、立憲民主党の辻元清美国対委員長の政治団体が2013、2014両年に在日韓国人弁護士から2013年5月に1万円、2014年6月に1万2000円の献金を受けた、という記事である。
無論、献金を受けたときは、辻元事務所は相手が外国人と知らない。その後、この人物が外国籍と判明したため、辻元事務所としては別の処理をしている。

ここから先は他のニュースによるのだが、2013年分は本人に返却、2014年分は国籍を問わない「後援会会費」に訂正したという。
そして夕刊フジからの取材があったからだろう。
5日には会計上、訂正したものもすべて返還したという。

ところがである。

先の夕刊フジによれば、この「後援会会費」に訂正したということは全く触れておらず(無論その後の返還もふれず)、「返金されていない」事だけが強調され、見出しにもなっているのである。

まあ、古い案件をほじくり出し、辻元清美潰し、立憲民主党潰しを狙ったとしか思えない悪質なものである。

そもそも、献金に対して制限があるのは「金で政治を動かす」ことが無いようにしているからである。
外国籍者からの献金を容認すると、外国の影響を受けかねない。
だから制限している。
しかし政治資金規正法はザル法であり、色々な手法で実質的に企業献金は容認されているといえる。

要するに法律自体がひどいわけだ。

そんなひどい法律の、重箱の隅を突いたような法律違反を指摘するのであれば、もっと巨大な憲法違反を繰り返す安倍首相こそ巨大な見出しで批判すべきだろう。
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# by kazuo_okawa | 2019-02-07 00:15 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)

藤井、破れる!

まるで漫画のように勝ちまくってきた天才少年藤井聡太七段が破れた!

順位戦C級1組10回戦で近藤誠也五段に136手で敗れ、昨期から続いていた順位戦での連勝記録は、中原誠十六世名人と並ぶ史上最多タイの「18」でストップした。

藤井七段は、この対局に勝利し、さらに同時刻で対局をしていた師匠の杉本昌隆七段が船江恒平六段に勝利すれば、32年ぶり2組目となる師弟同時昇級も達成するところだったが、藤井七段、杉本七段とも破れた。

これで、破れた藤井七段、杉本七段、勝利した近藤五段、船江六段の4人が8勝1敗となり、順位最下位の藤井七段は自力による2期連続の昇級の可能性が消滅した。

藤井七段は昇級するものと思い込んでいたために、ある意味で驚くべき結果である。

と同時に、勝利した二人はいずれも藤井七段に屈辱の敗北経験を持っている。
近藤五段は藤井29連勝新記録の内の1勝を献上し、船江六段は、藤井キラーと呼ばれた井上一門で注目の中破れた。
二人とも、注目の中、意地を示したといえよう。

それにしても最年少名人を目指すには一度の足踏みも許されない藤井七段にとって、自力昇級の目がなくなったのは極めて厳しい。
極めて厳しい状況であるが、それでも藤井七段は、漫画のように昇級するのではないだろうか。
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# by kazuo_okawa | 2019-02-06 00:50 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
弁護士の給与未払という興味深いニュースが流れていた。

業務停止が予見できたとして、弁護士法人「アディーレ法律事務所」に所属していた男性弁護士(退所済み)が、同事務所に対して業務停止中の未払い賃金の支払いを求めた訴訟で、東京地裁が1月23日、東京簡裁の棄却判決を変更し、事務所に約54万円の支払いを命じる判決を出した、というものである。

予期できたかどうかとか、了解済みだったかどうかその他、結構いろいろな争点がある事件のようであり、ニュース以外の情報はないので全体を評価できないが、関心を引いたのは、「(アディーレ法律事務所が)自宅待機期間中の給料について、労基法26条に基づく休業手当の範囲内で、賃金を支払えば足りるとの認識に基づいて、賃金を支給」とのくだりである。

法律上「使用者の責めに帰すべき事由」によって働けないときは、賃金請求権は失わないとされている。
平たく言えば、使用者の責任で働けなくなったときは、働いてなくとも給料払えよ、ということである。

これに関して、二つ法律がある。

民法第536条第2項
「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。」

労基法第26条
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」

労基法は民法の特別法、そして特別法は一般法に優先する。
だから労基法に基づき6割だけ払えばよい。
こう思っている使用者は多い。

しかしそれは間違っている。

両者の関係について、両者は併存するのである。
両者の違いは ①帰責事由は労基法の方が広い。例えば、広い部分は監督官庁の勧告による操業停止、親会社経営難からの資金資材の入手困難などがあげられる。
さらに②労基法は罰則を持って強制される。

以上の違いはあるが、民法第536条第2項の使用者の責めに帰すべき事由がある限り、労基法によって60%支払ったからと言って、残り40%を支払わなくてよい、とはならないのである。

社労士さんなどから、よく聞かれるので念のため。
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# by kazuo_okawa | 2019-02-05 00:15 | 労働 | Trackback | Comments(0)