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by kazuo_okawa
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カテゴリ:労働( 50 )

弁護士の給与未払という興味深いニュースが流れていた。

業務停止が予見できたとして、弁護士法人「アディーレ法律事務所」に所属していた男性弁護士(退所済み)が、同事務所に対して業務停止中の未払い賃金の支払いを求めた訴訟で、東京地裁が1月23日、東京簡裁の棄却判決を変更し、事務所に約54万円の支払いを命じる判決を出した、というものである。

予期できたかどうかとか、了解済みだったかどうかその他、結構いろいろな争点がある事件のようであり、ニュース以外の情報はないので全体を評価できないが、関心を引いたのは、「(アディーレ法律事務所が)自宅待機期間中の給料について、労基法26条に基づく休業手当の範囲内で、賃金を支払えば足りるとの認識に基づいて、賃金を支給」とのくだりである。

法律上「使用者の責めに帰すべき事由」によって働けないときは、賃金請求権は失わないとされている。
平たく言えば、使用者の責任で働けなくなったときは、働いてなくとも給料払えよ、ということである。

これに関して、二つ法律がある。

民法第536条第2項
「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。」

労基法第26条
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」

労基法は民法の特別法、そして特別法は一般法に優先する。
だから労基法に基づき6割だけ払えばよい。
こう思っている使用者は多い。

しかしそれは間違っている。

両者の関係について、両者は併存するのである。
両者の違いは ①帰責事由は労基法の方が広い。例えば、広い部分は監督官庁の勧告による操業停止、親会社経営難からの資金資材の入手困難などがあげられる。
さらに②労基法は罰則を持って強制される。

以上の違いはあるが、民法第536条第2項の使用者の責めに帰すべき事由がある限り、労基法によって60%支払ったからと言って、残り40%を支払わなくてよい、とはならないのである。

社労士さんなどから、よく聞かれるので念のため。
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by kazuo_okawa | 2019-02-05 00:15 | 労働 | Trackback | Comments(0)
2018年 03月 21日のブログで安倍政権・厚生労働省が進める副業・兼業促進を批判した。
副業・兼業はそれまで一般的には消極的であったが、安倍政権・厚生労働省はその方針を180度変えて促進するというものであり、そもそも本業のほかに、副業・兼業せよというのであるから労働者の労働時短の流れに逆行することは明らかである。

しかも、兼業の場合に(それぞれが法定時間内でも合算すれば法定時間を超えるとき)残業割り増し手当はどちらの使用者が払うのかとか、通勤途上など労災の責任はどちらがとるのかなど法的な整備は不十分である。

要するにこれは安倍首相の「一億総活躍社会」という名の「一億聡国民働かせ政策」に迎合したとんでもない方針転換なのだが、そんな矢先、2019年01月10日付共同通信の記事が大変興味深いものであった。

それは、ガソリンスタンド運営会社など2社の契約社員として働いていた大阪府の男性が長時間労働でうつ病となり労災認定を受けたものの、その支給が1社の賃金に基づいた休業給付しかなかった。そこで、2社の賃金を合算しないのは違法だとして、国を相手取り支給決定処分の取り消しを求め大阪地裁に提訴していた、という記事である。

原告の訴えは普通の市民感覚としてよくわかる。

<これからは副業して二重に働け。しかし、労災になっても休業補償は1社分しか出さない…>
これで納得する国民がどれだけいるのだろうか。
安倍首相にきちんと説明してほしいものである。
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by kazuo_okawa | 2019-01-15 15:38 | 労働 | Trackback | Comments(0)

川口教授の講演を聞く

本日、連合大阪法曹団の定期総会の記念講演で、川口美貴関西大学教授の講演を聞く。
川口教授のご専門である「労働者性」であるが、非常に斬新で、通説を痛烈に批判する。

即ち私たちが学んできた「使用従属性」「指揮命令下」といった概念を次々と批判するのである。
そして、いわゆる労働者性を判断する、通説の各要素を批判し、結局、具体的な労働供給契約のもとで、労働の供給を受けるものとの関係で「労働者性」が決まるという。

従って、「労働者性」は、場面場面で異なり、ある人がある場面では「労働者」、別の場面では「労働者」ではない、ということが起こる。
しかも、供給を受けるものとの関係も考慮するから「消費者」相手の場合でも、「労働者」となる場合がある。

いやあ斬新である。
労働者性は場面、場面で考えるというのはまだしも、「消費者」相手の場合などは非常に画期的というか、今まで考えていなかった発想である。

川口説は「労働者」の概念は広がり、労働規制が働くということが分かる。

しかし、ビルゲイツのような大金持ちは、仮に、気まぐれで「セブンイレブン」にアルバイトに行ったときは、その限りでビルゲイツが「労働者」というのはどうなのか。

いやあ、理屈はわかり、素晴らしい説ではあるが、咀嚼するには時間がかかる。

昨日ブログに挙げた藤井聡太七段。
100年に一度の天才であり、彼は「労働力」以外にも商品を持っている。

しかし、川口説では、対局は「非労働者」、そして解説は「労働者」という結論は当然となる。
う~ん、なんというか、いやあ、じっくりと考えたい興味深いテーマである。
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by kazuo_okawa | 2018-12-06 23:59 | 労働 | Trackback | Comments(0)
藤井七段が初めて解説するということで話題になった12月1日の叡王戦。
対局は羽生善治竜王対菅井竜也七段という好カード。

これを藤井七段が初解説するのである。
無論、藤井七段だけでなく山崎隆之八段もダブル解説役である。

このタイムシフト(録画)を見ていると、何と、山崎八段が「藤井さんのこの対局の解説は午後10時までです。法律で決まっていますので」と説明していた。

いやあ、将棋番組を見ていて、労働基準法が出てくるとは思わなかった。

確かに労働基準法は、満18歳に満たない者を午後10時~午前5時(深夜)に労働(勤務)させる事を禁止している(労働基準法61条)。
しかしこれは、「労働者」保護のための法律であり、労働者でなければ適用されない。
現に未成年の芸能人や俳優(子役)、歌手などで、午後10時を過ぎても活動している例を思い浮かべる方もいるだろう。
つまりそういうタレントは「労働者」とされていないのである(つまり午後10時過ぎても活動出来る)

では労働者かそうでないかはどのように決めるのか。

一般に、労働者とは、使用者の「指揮監督下の労働」であるかどうか,支払われた報酬が「労働の対価」であるかどうかによって判断される。
平たく言えば、実力ある未成年タレントで「指揮命令下」になければ「労働者」ではない。
厚労省は一例として「歌唱、演技などが他人によって代替できず、人気がある」などを基準に判断し、「労働者」ではなくて「自営業者」とみなした場合は労基法の規制は受けない、としている。

では藤井七段はどうなのか。

年収1000万円を超える16歳棋士であり、将棋界では「他人によって代替できず、人気がある」棋士であることは違いない。
その報酬も、優勝賞金部分が大きい。
しかし彼は一方、日本将棋連盟の指示する対局は断れない(対局義務はある)。

とまあ、労働者性については結構難しい。

そこで日本将棋連盟は、無難に、労働基準法適用と考えたのだろう。

過去も、「中学生棋士」は4人いるが、18歳未満のときに解説をしたことなど聞いたことはない。
おそらくこういう18歳未満のときの解説役は藤井七段が始めてだったのだろう。

考えてみれば、こういう労働基準法問題が出てくること自体が、実は大変凄いのである。

【追記】
藤井七段はかつて対局で午後10時を回ったことがあり、そのときにも労働基準法の適用の有無が話題になった。
このとき日本将棋連盟は、棋士は「個人事業主」で労働基準法の適用は受けない。「棋士の労働時間に制約はなく、対局時間も棋士の意思に委ねられている」と説明していた。
同様に、解説役も「個人事業」と割り切っても良かったと思うのだが…。
なぜなら、余人を持って代えがたい日本一の詰将棋力を持つ藤井七段の、終盤の解説こそ聞きたいのであり、この一番の最後の楽しみのところで「はい、午後10時になりました。」と終わるのはいささか釈然としないのである。
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by kazuo_okawa | 2018-12-05 00:25 | 労働 | Trackback | Comments(0)
労働組合の要請で、18日に講演を行った。
労働基本権や労働組合の役割など話したあと、今年の労働法の話題を説明した。

それは2018年に成立した「働き方改革法」である。

その中身は「長時間労働規制」というものの、「100時間未満」の残業の容認であり、しかも建設、運転、医師について猶予するなどザル法である。
また「残業代ゼロ法(高度プロフェッショナル制度)」は年収要件は法律に明記されず拡大の危険がある。
「同一労働同一賃金」は発想は正しいが、具体的にどう定めるのか、今のところ考えられているガイドライン方式は、不透明な部分が多い。

以上のように労働者にとっては必ずしも良い改正と言えないが、参議院はこの「働き方改革法」について何と47もの附帯決議を行っている。

主なものは次の通りである。
「事業主は、特例の上限時間内であってもその雇用する労働者への安全配慮義務を負う(5)。」
「高度プロフェッショナル制度を導入するに当たっては(略)この制度創設の趣旨にもとるような制度の誤用や濫用によって適用労働者の健康被害が引き起こされるような事態を決して許してはいけない(19)。」
「各社の労使による合意なき通常の労働者の待遇の引下げは、法改正の趣旨に反するとともに、労働条件の不利益変更法理にも抵触する可能性がある(32)。」
「低処遇の通常の労働者に関する雇用管理区分を新設したり職務分離等を行った場合でも、不合理な待遇の禁止規定や差別的取扱いの禁止規定は回避できない(33)。」などなど。

この附帯決議は大いに利用出来る。

例えば、郵政では、契約社員に住宅手当を支払わないのは不合理であるとの判決が出た途端、一部の正社員に対する住宅手当を撤廃するとの方向を打ち出した。このように、一部の会社は、契約社員の待遇改善を回避するために、正社員の待遇引下げ等に着手しているが、附帯決議は、会社のこうした行為であって許されないとしており、これを団体交渉で活用すべきである。

これは一例であるが、付帯決議は使えるものがあるし、また団体交渉によって改めて労働組合の存在感を示すチャンスである。

労働組合へ、エールを込めて講演した。
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by kazuo_okawa | 2018-11-19 15:41 | 労働 | Trackback | Comments(0)

声は届いているか?

表題は「労働情報」最新号(No970)の緒方桂子南山大学教授の巻頭エッセイの表題である。

大手企業に勤める友人がいわゆる「高度プロフェッショナル制度」を賛成しているという会話から、本来、届いてほしい労働者(その友人など)に声(つまり高度プロフェッショナル制度の問題性)が届いていない、ことを指摘している。

高度プロフェッショナルこと残業代ゼロ法案の問題性はすでに指摘の通り、労働者の労働強化を緩和するものではなく、むしろ残業を加速する。
「過労死法案」ともいわれるゆえんだ。

今のところ年収要件があるが(それが緩和されない保証はない)、この年収要件のために、多くの労働者にとっては「自分は関係ない」ように見える。

そういえば、先日、連合大阪法曹団幹事会会議で高度プロフェッショナル制度の話題になったときも、連合大阪の方が「労働者の中には『高度プロフェッショナル』という名に高級な労働者と思って賛成する者がいる」という発言があった。

「美しい言葉に変えて印象操作する」というのが安倍首相の手法だが、またしても騙されるのであろうか!?

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by kazuo_okawa | 2018-05-30 17:55 | 労働 | Trackback | Comments(0)

どんな労働者なのか!

安倍政権が最重要法案と位置づける働き方改革関連法案は、衆議院厚生労働委員会で、野党側が抗議する中、採決が行われ、一部修正のうえ、自民・公明両党や日本維新の会の賛成多数で可決されたという。

ひどい話である。

安倍首相が「働き方改革国会」などともっともらしい名称をつけて、その目玉としているのが「働き方改革関連法案」は例によって、玉石混交の一括法案としている。

「一括法案」自体の問題性は繰り返し述べてきた。
またしてもそういう手法をとるのか、としか言いようがない。

問題は安倍首相が「高度プロフェッショナル制度」と呼び、私たちが「残業代ゼロ法案」と呼んでいる制度の導入である。

政府はあれこれ必要性を述べるが、要するに、残業代をゼロにしたい経営側の意向に沿うもので、労働者にとっては全く良いことはない。

ところが加藤勝信厚労大臣は「労働時間規制を外すことに肯定的な労働者の意見がある」と説明している。
労働時間規制がなくなり、それこそ「死ぬほど働かせられる」可能性のある制度を肯定する労働者とは、一体全体どんな労働者なのか?

全く不可思議としか言いようがない。

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by kazuo_okawa | 2018-05-25 22:54 | 労働 | Trackback | Comments(0)
民法改正により賃金債権の時効をどうするかが議論になっているが、当然民法に合わせるべしと、私は繰り替えしこれまで述べてきた。

一方、厚労省は2020年施行を念頭に置いて、有識者検討会を開いて検討している。
その「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」議事録が厚労省ホームページに公開されている。
第2回・第3回は関係団体等からのヒアリングが行われ、とりわけ、第2回は、労働側弁護士と経営側弁護士で意見が真っ向からぶつかっている。

経営側の伊藤昌毅弁護士は「民法(債権法)の改正によって民法の時効制度が改正され、短期消滅時効 (これには、民法 174 条 1 号の使用人の給料債権の 1 年の時効が含まれる) が廃止され、一般債権の消滅時効(権利行使できることを知ったときから 5 年間、権利行使できるときから 10 年間)に 1 本化されたから、労働基準法 (以下、労基法)115 条の時効(賃金等は 2 年間、退職手当は 5 年間)を見直し改正後の民法の時効に合わせるべきとの議論は、労基法が刑罰(取締) 法規であることを理解しない短絡的謬論である。」と激しい口調である。

「短絡的謬論』との決めつけに驚くが、そのこと自体が「短絡的謬論」だろう。
無論、刑罰の点だけ民法とは変えるという手法はありうるが、だからと言って、そもそもの時効自体を一般法の民法より短くするというのは論理の跳躍であり、その発想にはとうていついていけない。

伊藤弁護士は他の理由もあげるが、所詮使用者側の都合にすぎない。

また刑罰の点であるが、この点だけ、労働法、民法と変えるという手法はありうるのであるから、激しい口調の伊藤弁護士説は何ら根拠とならない。。

現に今、使用者の都合で働けなくなった労働者の賃金はどうなるのかという点では、一般に次のように考えられている。
A 民法第536条第2項は次のように規定する。
「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。」
難しく書いていますが「債権者」とは使用者のこと、「債務者」とは労働者のことと読み替えてください。
一方、労働法は次のとおりである。
B.労働法第26条
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」
さてこの両者の関係をどう考えるか。
実は、通説は、A、B両者の関係について、「両者は併存する」と考えられている。
つまり、60%の支払については、Bは罰則を持って強制しているというわけである。

このように、基本は民法によりつつも、刑罰は別異に解する、というのは手法としてありうるのである。
従って、労働法は刑罰法規であるからという伊藤弁護士の主張は(刑罰の点は民法と別とるするとしても)時効そのものを民法と別にする理由にはならない。

まあ、伊藤弁護士の論考を見る限り、賃金債権の時効は、民法に依拠して5年とすべきと思われる。

【追記】
本稿は、刑罰と民事上の義務は別にしても構わないから、刑罰を理由とする使用者の論理はおかしいと指摘したところに主眼があり、<2年分の未払より、5年分の未払の方が悪質だろうから>刑罰も、時効5年に連動させておかしくないと思っている。

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by kazuo_okawa | 2018-04-25 00:21 | 労働 | Trackback | Comments(0)
本日(2日)の共同通信記事に、労働局の「圧力」問題が報じられていた。

東京労働局の勝田智明局長が3月30日の定例記者会見で、質問した記者に「何なら皆さんの会社に是正勧告してもいいんだけど」と脅しとも取れる発言をした問題で、野党6党は2日、国会内で厚生労働省からのヒアリングを開き、「前代未聞の暴言だ」「報道に対する圧力になりかねない」と厳しく批判したという。

野党の抗議は当然である。
権力をカサにした本当にひどい話である。

このニュースを聞いて、昨年1月ころに、とあるメディアの役員の方と話をしていて、ある話題に聞き入ったことがある。
それは、そのころ唱えられていた政権の「働き方改革」、特に労働時間規制について、その利用については、報道に対する弾圧に使われかねない、との警戒を指摘されていたからである。

すなわち熱心な新聞記者ほど労働時間に関係なく取材するだろう。
たとえ「裁量労働制」を適用していても、(要件を満たしていないとか)ひっかけられるおそれは常にある。

権力批判に熱心であるほど、こういった権力側からの圧力には注意しなければならないし、権力のでっち上げを幾つも取材しているところほど警戒していることがうかがえる。

その意味では「労働時間規制は正しい」などと無批判に喜んでいるのではなく、効果的な労働時間規制とともにその「副作用」にも十二分に注意が必要なのである。

今回の労働局発言は、本当に水面下では、権力側が報道規制の道具として使うことを考えているのではないか、と想像してしまう。
実に不気味な話である。

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by kazuo_okawa | 2018-04-02 17:25 | 労働 | Trackback | Comments(0)
30数年前の話であるが、私が司法試験を最終的に合格した時の、労働法における口頭試験(面接試験)の質問は、副業に関して生ずる問題を問うものであった。

A社で働く労働者が、副業でB社で働くと、トータルで労働法の規制時間を超える。
その場合の、残業割り増し手当はどこが払うのか、労災においてはどうなるかなど、法律的には実に面白い問題であり、詳細は忘れたものの、その質問は今でも覚えている。
(きちんと答えて合格していますので、そのことは念のため)

細かくは省くは、当時は、副業は好ましくない、という社会状況であった。

そもそも労働者は、やりたくて副業をするのではない。
生活のためにやむなく副業するのであるが、そうであれば、本来は、本業のところで権利(労働三権)を行使して賃上げを求めるべきであり、それゆえ副業は好ましくない、とされてきた。
厚労省の就業規則モデルも、会社(使用者)が労働者の副業を禁止するものである。

それがどうだ!

今年になって、 厚労省はその方針を変えた。

「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表し、表題通り、副業・兼業を促進し、会社の就業規則モデルも副業禁止から、副業容認モデルに変えているのである。
これはいかんでしょ!
厚労省は一体どうしたのか!

副業・兼業を勧めるというのは、時短の流れに逆行し、どこまで労働者を働かせるのというか!

ここまで言えば、誰しもわかる。
安倍首相の「一億総活躍社会」という名の、一億国民に働かせる政策。
それに迎合したものであることは明らかだ。

働き方改革法案における、裁量労働制の、厚労省データのインチキ性は大きく報じられた。要するに、官僚(厚労省)は安倍政権に忖度しているのである。

そしてこの「副業・兼業の促進に関するガイドライン」である。
物悲しいとしか言いようがない。

スーパー裁量労働制といわれる「残業代ゼロ法案」こと高度プロフェッショナル制度は到底許してならないが、同じように、副業・兼業を促進するこのガイドラインも批判されなければならない。


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by kazuo_okawa | 2018-03-21 17:00 | 労働 | Trackback | Comments(0)