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by kazuo_okawa

カテゴリ:大学あれこれ( 25 )

特別ゲストに前川喜平氏

龍谷大学での私の講義『裁判と人権』で前期15回の内、1回は特別ゲストを招く事が出来る。

今年度は、元文部科学事務次官の前川喜平氏をお招きし、先週、『憲法と道徳教育』と題して前川氏の講演会を開催した。
今年から、小・中における『道徳』の教科化の完全実施がはじまったことから、その意味を語ってもらうという趣旨である。
教科化とは、道徳の時間を,検定教科書の導入により着実に行われるように実質化し、学習指導要領で進め方を指導していくものである。

前川氏の講演の進め方は、教室を動き回り、学生と問答するソクラテス・メソッド。
例えば「親は敬うべき。これはイエスかノー」
「日本の国を愛すべき。イエスかノーか」
などと学生にマイクを向け、答えさせる。

或いは、実際に小学校の道徳教科書で使われている『手品師』(少年に手品を見せると言う約束を優先し、大舞台に立てるビッグチャンスを断る)や、
『星野君の二塁打』(監督のバントの指示を無視して決勝打を打つも監督から叱られる話)を途中までストーリーを示して、どうすべきかと考えさせる。

しかし、学生に問うと多様な答えのあるところ、教科書自体は、『犠牲』を称える内容である。
つまり、検定教科書自体が、色々な考えのあるところ、『手品師』や『星野君の二塁打』など一つの考えに誘導しているようにうかがえるのである。

憲法は個人の尊重を重視し、多様な価値観を認め合うところ、一つの考えに誘導する事、しかもその方向が「犠牲」を尊ぶなど指摘する。

前川氏は戦前の『道徳』つまり、戦前の体制と教育勅語を説明する。
この道徳の教科化の背景、つまり推進者には戦前のノスタルジーがあると説明する。

そして結論は、道徳教科書は①多様な考えのあるところ一つの方向に誘導する②その方向が、憲法的価値に反する、二重の意味で立憲主義違反である。

以上のことを、前川氏は学生向けにわかりやすく説明された。

前川氏はこれ以上は話さなかったが、『犠牲』の精神を称え、考えさせずに指示通り動くことを褒める、そして一つの方向に導く。
これが何を意味するかは、もはや明らかだろう。

前川氏の講演は、実際に道徳を教える現場の教師にこそ聞いてほしいと思うのである。
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by kazuo_okawa | 2019-06-10 21:18 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)
表題は、芳沢光雄教授の新著(光文社新書)のタイトルである。
副題は「日本の数学教育の致命的欠陥」である。

私は、芳沢氏の著はけっこう何作か購読しており、加えて龍谷大学法学部で講座をもっている身としては興味深いタイトルであったことからノータイムで購入した。

オビにもある問題「2億円は50億円の何%か」を解けない大学生がいるという。
…本当だろうか。

オビにある「2億円は50億円の何%か」という問題は、
互いに倍して「4億円は100億円の何%か」と同じであるから「4%」
一瞬にしてわかるだろう。
それを解けない大学生がいるのだろうか、と疑問をもちながら読み進んだが…。

冒頭、<「は・じ・き」と「く・も・わ」をご存知だろうか>とあるが私は知らない。

どうやらある時期から
<速さ×時間=距離>
<元にする量×割合=比べられる量>
を図示化して(円の中にTを書いて3分し、Tの上に「き」の文字、Tの下の二つの部分には「は」「じ」といれる。この図示をもとに、下方の「は」と「じ」をかけて上の「き」となる、など覚えさせる)、まあ言ってみれば「丸暗記」させる
といった教育をしているようなのである。

これはひどいだろう。

数学は丸暗記になじまない。

本書は、さらに次々と例題が出て、解けない者がいることを、これでもか、これでもかと繰り返す。

余談であるが、この問題が、ちょうど簡単なパズル集のようで面白い。
…と同時にこれ解けないのかと驚く。

芳沢教授の説に全面的に共感した次第である。


by kazuo_okawa | 2019-05-02 22:02 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)

死刑の抑止力!

龍谷大学で『裁判と人権』という講座を長年もっている。

若い大学生相手に講義するのは私にとっても学ぶべきところがある。

今年、前期の試験に『死刑』の問題を出した。
我が日弁連が『死刑廃止』に決定したこともあり、改めて死刑問題を考えてほしいからである。
無論、授業でも十分に説明した。

そして試験問題。
死刑制度についての賛否も問うた。

別に、賛否どちらの結論でもよいのだが、それなりに「論理的」なことが評価の対象となる。

この3日間、採点に追われていたのであるが、その答案を見ていると…。
『私は死刑制度に賛成である。その理由は死刑に抑止力があり、何故なら…』
と続き…。

私は、講義で死刑廃止説の立場から講義している。

抑止力については『証明されておらず、抑止力はない』と講義で説明している。

無論、個々の犯罪者は色んなことを言う。
たとえば、
①未成年で死刑にならないから決行した
②死刑にしてほしくて(無差別殺人を)行った
など色々と述べていても、大きく総体的にみれば、抑止力はない。

ところが、一部の答案者は、前記①だけをあげて、抑止力あり、そして賛成、とつなげるのである。

講義を聞いていないのかとも思うが、むしろ、問題は(講義に勝る)この国の空気(死刑賛成)が蔓延していると言うことだろう。

死刑廃止に向けて消極的な政府の責任は大きい。

by kazuo_okawa | 2018-08-05 16:40 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)
龍谷大学で「裁判と人権」という講座を持たせてもらっている。
<司法を取り巻く状況を、学生に刺激的に教えてほしい>というのが大学の依頼であり<人権>の観点から若い学生に幅広く講義している。

そして龍大の場合、一年に一回特別ゲストを呼ぶことを許されている。
冤罪被害者や周防監督に来てもらったこともある。

今年どうするか!
「沖縄問題」を取り上げることにした。

沖縄問題は、 日米関係・防衛の在り方・民主主義・地方自治・人権・メディアの在り方など、言わばこの国の様々な諸問題を凝縮しているといえる。
にもかかわらず本土の人間には、どこか「他人事」である。
そこで今年は「沖縄問題」とした。
ゲストは、沖縄在住の弁護士で、沖縄問題に取り組み、数々の訴訟の代理人となってきた専門家である。

ときあたかも、6月23日は沖縄「慰霊の日」。

ニュースによれば、翁長雄志知事は平和宣言で、戦後73年を経ても全国の米軍専用施設の70・3%が沖縄に集中し、基地から派生する事件・事故や環境問題に悩まされ続けている理不尽さを訴え、「20年以上も前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場問題の唯一の解決策と言えるのか」と日米両政府に現行計画の見直しを求め、さらには、民意を顧みない辺野古新基地建設は沖縄の基地負担軽減だけでなく、アジアの緊張緩和にも逆行していると指摘し、「『辺野古に新基地を造らせない』との私の決意は県民と共にあり、これからもみじんも揺らぐことはない」と強調した、という。

きわめて共感を覚える。

ところが 安倍首相は来賓あいさつで、沖縄の過重な基地負担の現状を「何としても変えていかなければならない。政府として一つ一つ確実に結果を出していく」「引き続き、沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」と一見決意を述べながら、辺野古移設については触れなかったという。

相変わらずである。
言葉だけそれらしく言いながら、実際は何もしない。

メディアの報道量が減ってきたのも気になる。

こういう時期だからこそ、沖縄問題を改めてじっくりと勉強したい。

そう思って次回の龍大講義は、ゲストを招いての沖縄問題である。

尚、龍大の講義に使っている拙著「裁判と人権」(一葉社)はこの4月に大きく改訂しました。
お読みいただければ幸いです。
【6月28日追記】
高木弁護士にはわかりやすい講義をして頂いた。
高木弁護士は冒頭「『沖縄問題』というのは正しくない。何故ならこれは、『日本の問題』であり、従って『沖縄の米軍基地問題』というべきだ」と述べられた。なるほどと思わせられる指摘である。

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by kazuo_okawa | 2018-06-24 14:21 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)

意外な出会い!

月・火と東京出張である。
月曜日の晩、とある銀座の店に行く。
するとバーテンダーが何と、私の龍大の教え子。

私は、龍大法学部で「裁判と人権」という科目を教えているのだが、彼はその講義を聞いて、単位を取得したという。
これは全くの偶然です。

いやあ、こういう出会いは嬉しい。

しかもこれで、今年二人目である。
幸いいずれも合格点をあげている。
(不合格にしていたら、おそらく話題にしないだろう)

龍大生は本当に職種が色々である。
是非頑張ってほしい。
なにやら気持ちよくビールを飲んだのでした。



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by kazuo_okawa | 2017-08-22 00:20 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)

稲田朋美か!

暑い一日だったが、大学の試験の答案を採点をする!

<問いをもって問いに答える>答案を見ると
「お前は、稲田か!」と突っ込みを入れたくなる。

今年多かった誤答は、取調の可視化の意味である。
「被疑者に対する取調の状況を録音録画し」と、ここまではいいのだが「公開すること」とつなげている。
公開したらいかんでしょ!
誰かが「予想問題と解答」を誤って作っているのだろうか。
同じ間違いというのが不思議である。

「密閉の取調」というのもあった。
無論、「密室の取調」の間違いである。
第一「密閉」していたら窒息してしまう。

…とまあ、ホントに熱い一日でした。


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by kazuo_okawa | 2017-08-06 20:00 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)
龍谷大学法学部で約20年講義を行っている。

そのうち12年間、龍谷大学はロースクールを開校している。
私は学部の講義のほかに、このロースクールにも協力した。
そしてそのロースクールは、2016年度をもって閉校した。

2016年3月18日にはその慰労会に参加させてもらった。

そこには私の教え子ともいえる若き法曹が同じく参加していた。

彼は、私の法学部時代の講義(「裁判と人権」)を聞いて、法曹を志したという。
非常に嬉しい。
彼とは、今も親しくさせて貰っている。

私が若い人に伝えたいことはたくさんあり、どれだけうまく伝えられたか分からない。
しかし、少しでもその人の人生に、良い影響を与えたなら、これほど素晴らしいことはない。

2017年度、新しく、学部での講義が始まる。
先に述べた「裁判と人権」である。

若い人たちに、私の思いを伝えたい!


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by kazuo_okawa | 2017-04-12 21:57 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)

監視とプライバシー

龍谷大学法学部での私の講義「裁判と人権」の試験の答案を採点している。

今回、不合格答案で目についたのは、監視とプライバシーの混同である。

私たちは主権者であるが、私たちのひとり一人の幸福を目指すために、選挙で一時的に権力を託し、また行政にその役割を託す。
行政や権力者(政権)の仕組みはあくまで主権者のために動いてもらう為に委託したのである。
それゆえ、この場合、権力者や行政が本当に、主権者たる私たちのために働いてくれるのかチェックが必要である。
これが行政への監視である。
(これは公務員のプライバシー権とは何の関係もない。
あくまで、公務のチェックであり、公務員の仕事を終えた後のプライバシー領域においては、そこではプライバシーは保たれるべきである。)

一方、国民は主権者として自由を有している。
誰からも、自由を制限する「監視」を受ける理由はなく、ましてや、権力者に監視されるいわれはない。

繰り返すが主権者は私たちなのである。

まとめて言えば、
行政には監視を
市民には反監視(プライバシー保護)
となるのである。

試験の採点は私自身の教え方のチェックでもある。
つまり学生の理解の悪いのは私の教え方が悪いともいえる。
まあ、多くの学生は理解してくれているが、う~ん。
…少しばかり反省。



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by kazuo_okawa | 2016-08-06 00:54 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)
司法書士をしている連れ合いから嬉しいニュースを聞いた。
連れ合いが新人司法書士向けの研修に講師として講義したときである。

終了後、その新人司法書士は、連れ合いのところへ来て「先生のご主人は大川一夫先生ですね。」と尋ねる。
連れ合いは無論、その通りですと答える。

するとその司法書士は「実は私大阪府立大学の経済学部生だったときに、大川一夫先生の講義を聞いて、法律というのがこんなに重要で、また面白いものだと知って、法律家を目指しました。そして司法書士になれました。大川一夫先生に宜しくお伝え下さい」と私宛のメッセージを伝えてくれたという。
しかも「大川一夫先生の熱い講義をまた聞きたいです」とも添えてくれたらしい。

昨年度をもって、龍谷大学のロースクールとともに大阪府立大学経済学部の労働法講義も終了した。
(あとは龍谷大学の法学部生向けの講義のみである。)
法律を勉強していない経済学部生への講義というのは講師をしていてもそれはそれで刺激的であった。

そしてその学生の中に、それまで法律に関心の無かった方が、関心を持って頂くだけでなく、法律家を目指されたとは…。

私の講義によって、その人の人生にいくばくかの力を与えたとすれば、講師としてこれほどの喜びに優ることはない。




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by kazuo_okawa | 2016-03-26 23:06 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)
2009年から引き受けてきた大阪府立大学経済学部での労働法の講義が先週で終了した。
1年間の講座でしたが、教えることは学ぶことでもあると改めて思いました。
1年間ですと、一応労働法の全分野に及びます。
私自身の知識の整理にも成りました。

と同時に、この7~8年の労働法・労働政策の移り変わりの激しさを改めて思います。
この経験は、今後さらに生かしていきたいと思っています。

このような素晴らしい機会を与えて頂いた関係者や
質問や意見を頂いた学生の皆さんに感謝します。
また、私の話が、学生の皆さんの人生にほんのわずかでもお役に立てば嬉しいです。

取り急ぎ御礼まで。
by kazuo_okawa | 2016-02-07 23:50 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)