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by kazuo_okawa

カテゴリ:法律相談・法律の話題から( 19 )

9月4日、記録的暴風といわれる台風21号が近畿地方を直撃・横断した。

翌5日、台風の被害における損害賠償についての相談の電話が相次ぐ。
被害者側、加害者側、双方からの相談である。

典型的なのは、建物・工作物の一部がこの台風によって飛ばされ、をれが近隣に被害(建物が破損された、車が壊されたなど)を与えたとき、その損害賠償責任、つまりもとの建物・工作物の所有者に責任を問えるのか?という問題である。

結論から言えば、民法は工作物責任を規定している。
これはどういう意味かと言えば、工作物(建物も同じです)に瑕疵(欠陥という意味です)があり、その瑕疵によって、他者に被害を及ぼせば工作物所有者は責任を負う規定である。
従って、工作物からの被害であればその所有者は責任を負うのである。
まあ、言ってみれば、所有者はほぼ間違いなく責任を負う。

しかし、一方、所有者の瑕疵(欠陥)とは違う原因で他者に被害を与えてとしたら、それは所有者の瑕疵(欠陥)と「因果関係」がないから、その場合は責任を問われないと考えられている。

まあ、私が学生時代に勉強したときの有名な判例に「伊勢湾台風事件」がある。
(古う~)
これは想定外の台風だったので、瑕疵(欠陥)によって被害が生じたのではない、という理屈で責任を認めなかった判例です。

というわけで理屈は先の通りで。
所有者責任を負うが、因果関係無ければ(想定外の場合)は責任は問われない、というもんです。

しかし、台風の多いこの日本において、実務家的感覚からすれば、この例外(想定外の場合)が認められるのは少ないと思います。

5日、相談が多かったので参考にしてください。

【追記】
その後も相談が相次ぐが「想定外」かそうでないのか具体的な立証が難しい。私が言っているのは近隣の様子を幅広く写真を撮るように、ということである。例えば、カーポートの屋根が飛んできて被害を受けた事件では、加害カーポート以外の他のカーポートはどうなのかということである。他のカーポートの屋根が飛んでいないのに、加害カーポートの屋根のみが飛んでいたら、その加害カーポートに欠陥があった可能性が高い。逆にどのカーポートの屋根も飛んでいたら「想定外」の可能性が高い。
尚、これはあくまで一つの参考であり、裁判における証明(立証)は他の色々な要素を総合的に判断される。
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by kazuo_okawa | 2018-09-06 01:39 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)

公正証書の効力?

お婆ちゃんがこんな遺言を書くはずがない!
きっと、無理矢理書かされたものだ!
だからこの遺言は無効だ!
…こういう相談はかなりあります。

しかし、その遺言が公正証書であれば、まず無効にすることは困難です。

一般に裁判において、「書面」の効力は人々が思う以上に強い。
つまり紙に書かれたものは信用されがちなのです。
ましてやそれが公正証書となればそれを無効にするのは至難の技です。
何せ、公証人がその内容を確認しているのですから…。
公証人の作った公正証書が信用できないとなると制度の根幹にも関わります。

それやこれやで、公正証書の無効というのはまずありえません。

過去の裁判でも、希に無効となったケースは公証人自身が何らかの意味で「無効の可能性」に言及したものです。
言い換えれば、公証人が法廷で「問題ない」と証言すればまず無効に出来ません。

司法の常識として「紙」に書かれたものの証明力は高いこと、
公正証書の証明力は極めて高いこと
これらを知っておくことは大変重要です。

と同時に、<お婆ちゃんがこんな遺言を書くはずがない!>というのは、おばあちゃんの発言や態度などから自分に都合の良い事のみ覚えているという「バイアス」にかかっていることも少なくありません。

そういう「バイアス」にかかっていないか、自己を冷静に見る目も重要でしょう。

リスクを説明しない弁護士に高い着手金を払って依頼する前に、その勝訴の見込みを冷静に考える必要があると思います。

(酒席で聞いたセカンドオピニオンをもとにした話題ですので、少し、内容をぼやかしています。いずれにせよリスクを説明しない弁護士にはご注意を!。)


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by kazuo_okawa | 2017-12-13 00:27 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)

自己破産を進める弁護士

ちんぴらヤクザのような人物に騙されて、本来、負うはずのない債務を負わされることがある。

そのような、相談者が若い弁護士の相談したところ、何と、自己破産せよ、とアドバイスを受けたという。

相談者は、弁護士の解答に納得し得ない。
かくて、セカンドオピニオンを求めてきた。

これは無論相談者が正しい。

何故に若い弁護士がそういう解答をしたかは、想像に難くない。

弁護士にとって、自己破産申立は、それほど難しくはない。
逆に、ちんぴらヤクザのような連中と喧嘩するのは大変である。

さて司法改革で法曹人口は増えた。

推進派の理屈は、数が増えて、競争により弁護士のサービスが決めこまやかになるとのことだった。
しかし現実はそうはなっていない。

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by kazuo_okawa | 2017-12-09 23:54 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)
法律相談を受けていて、相談者に否定的な回答をしたときに「泣き寝入りするしかないんですか!?」と言われることがある。
証拠上勝てないときもあるが、本稿で述べたいのは、法制度上の限界があるときだ。

例えば、行政事件などは、住民側には、出訴期間や当事者適格、訴えの利益などいくつも壁がある。
行政事件は住民側はまず勝てない、と断言する弁護士もいる。

損害賠償額がそもそも低いことについて驚かれることもある。
こんなにひどい目に合わされて、たったこれだけですか、というわけだ。
裁判で勝っても、こちらの頼んだ弁護士費用の全てが相手から取れるわけではない。
(取れない事もある)

労災事件などは、救済例の前には、数多の救済されない労災被害者の屍が続いた、とも言われる。

それやこれやで法制度上理不尽なことはいくらもある。
それに対して、泣き寝入りなのか、と落胆されるのである。

法制度の限界については、そういう法制度を(あなたも含めて)私たちが作ったのですよ、としか言いようがない。

20XX 年、
とある相談者「こんなに働いているのに、残業代が貰えないんですか?」
「2017年の総選挙の結果、そういう法律ができてしまったのですよ。」
「泣き寝入りするしかないんですね…」

安倍自民党の公約は「働き方改革」などと言うファジーな言葉ながら「残業代ゼロ法案」をそこに潜ませている。

「泣き寝入り」を増やさないためにも、公約を見極める必要がある。
無論、危険な公約は「残業代ゼロ法案」だけに限らない。

【2018年7月23日追記】
昨日国会が閉会したが、安倍政権は、残業代ゼロ法案を含む働き方改革法案を強行採決した。
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by kazuo_okawa | 2017-10-21 13:39 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)

詐欺ではない!

守秘義務があるので詳細は言えないが、関係者が死亡し相続が発生することがある。
多数の関係者がいるときに法定相続分通りの遺産分割協議書を作れば、なにがしかの遺産を取得する。
死亡者(被相続人)とほとんどつながりがなければ、思わず財産を手にすることもある。
無論そのためには、印鑑証明書と実印を押してもらわなければならない。

とある事案でその対象者(相続人の一人)がなかなか押印してくれない。
印鑑証明書の準備などしていただくだけで何百万円も手にできるのである。
にもかかわらずなかなかしてくれない。

その対象者は警察署に相談に行ったという。
分からないことがあれば相談する。
その心構えは正しい。

しかし何と、その警察官はまるで詐欺であるかのように「これは怪しいから相続放棄しなさい」と勧めたという。
驚くべきアドバイスである。
みすみす財産を捨てよというのですからね。

わからないことは分からないと言えばよいのに(例えば「民事なので分からないから、無料法律相談にでも行くように」とか…)、そうではなくて、堂々と間違ったアドバイスをする。

困ったもんです。

その警察官の言葉を信じて、相続放棄していたら、丸損です。
こっちの方がまるで、詐欺にあったようなもんですね。
(幸い、その対象者は放棄は思いとどまりましたが…)



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by kazuo_okawa | 2017-04-25 19:27 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)
詐欺のネタは尽きないものである。
いつかのブログで、メールで届いた訴状という詐欺をご紹介した。
訴状がメールで届くことはない。
立派な詐欺である。

最近、全国的に葉書で送られているのは「総合消費料金未納分訴訟最終通告書」という通知である。
一見、裁判所が送ったような形を取り、訴訟前の告知を装っている。
何か思い当たるところがあればつい連絡してしまうかもしれない。
しかし、裁判所がこんな書面を送るはずはない。
これも詐欺である。

裁判所がホームページで注意を呼び掛けているくらいであるから、相当な範囲で出回っているのであろう。
無視するのが一番である。

どうぞご注意を!


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by kazuo_okawa | 2017-04-25 19:26 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)
弁護士ドットコムから表題の取材を受けました。
忘年会シーズンで警察が取り締まり強化する中で飲酒運転「呼気検査」拒否することは可能かという取材です。

一般的に警察の捜査は基本は任意捜査ですから応じなくても構いませんが、呼気検査は道路交通法67条3項に根拠があります。
従って呼気検査に協力する義務が生ずることを説明しています。

どうぞ是非、弁護士ドットコムにアクセスして記事をお読み下さい。



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by kazuo_okawa | 2016-12-24 14:14 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)
弁護士ドットコムから、表題の取材を受けた。
町でこのようなことが行われており、また、逮捕された者がいるとのニュースも流れた事から、実際に法的にはどうなのかと取材されたものである。

その内容は「弁護士ドットコムニュース」に掲載されていますので、どうぞインターネット上でアクセスしてお読みください。

尚、私は風俗専門弁護士として取材を受けたのではなく、労働専門弁護士として取材を受けましたので、念のため…。



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by kazuo_okawa | 2016-11-06 12:03 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)
日経の土曜日の特集版「NIKKEIプラス1」の一面、「何でもランキング」がなかなか面白い。
先週9月24日に、掲載されていたのが標題の通り。
要するに、法律違反と思わない法律のランキングである。

1位は「使わないのに車にバットを入れておく。」
バットは凶器にもなるから、野球道具として使わないのに車に入れておくのは、正当な理由無く凶器を隠し持っていることになり、軽犯罪法1条2号違反である。

2位は「宅配業者に道を聞かれて 嘘を言う」
悪戯による業務妨害は軽犯罪法1条31号違反である。
悪質なのは刑法233条違反。

3位は「電車の切符を買う行列に割り込む」
これも軽犯罪法1条13号違反である。

…というように、まさかというような法律違反がランキングとしてあげられなかなか面白い。

何故こういう面白いことが起こるかと言えば、作られたときはそれなりの意味があっても、やがて「時代遅れに」なることがあるからだ。
軽犯罪法はその宝庫であり、良く取り上げられる。

あるいは作られたときから「一部の利益」だけを考えて作られた法律、更には「拡大解釈」の余地のある法律は見方を変えれば、全く滑稽でしかない。
「道徳」と「法律」の混同もときには吹き出す。

実はこの種の本は、職業柄関心があり、(雑誌の特集などのときも含めて)良く買うが、以下の著書は笑えた。

「あなたの知らないヘンな法律」(王様文庫)
「へんな法律」(扶桑社)
「金魚を金魚鉢で飼ってはならない」(ワニ文庫)
「よい国~世界の法律・制度まるごとガイド」(イースト・ブレス)

他に「最悪の法律の歴史」(原書房)などもあるがハードカバーで読むのが大変である。

「へんな法律」を考えることは、実は、「法律とは何か」を考えさせてくれる。
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by kazuo_okawa | 2016-10-02 19:28 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)
NEWSポストセブンや映画『ヤクザと憲法』などで「ヤクザ家族が不利益を被っている」ことが報じられている。
それを端的に示したのが表題の問いである。

親が暴力団員だからといって、子どもが幼稚園に入園することを拒否することは法的に問題ないのだろうか。

弁護士ドットコムから取材を受け、それに答えたのだが、少ない枚数で答えるには難しい問題である。

第一に、暴対法などの暴力団規制法体系自体に、規制範囲が大きく、かつ規制対象があいまいで憲法上の疑義がある。
第二に、そういう法体系を是認したとしても、親と子供は別人格であり、子供の人権は最大限尊重されなければならない。
第三に、しかし自由主義のもとでは、契約をする、しないは基本的に自由であり、一定の場合にのみ規制される。
第四に、そもそも暴力団規制は、政策的に、辞めた元暴力団員を社会で受け入れる体制作りを共にしないとすすまない。

以上の問題がからみあっており、少ない枚数で答えるにはなかなかに難しいのである。

ドットコムを検索し、是非、ご覧ください。


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by kazuo_okawa | 2016-09-26 18:02 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)