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by kazuo_okawa

2019年 12月 14日 ( 1 )

アメリカの心理学者であるダニエル・ウェグナーの「シロクマ実験」は記憶力についての実験である。

「シロクマのことは絶対に考えてはならない」と命ずると、却ってシロクマを意識してしまうという実験である。
考えないようにすればするほど、例えば動物園に行くだけでもシロクマについて考えてはいけないことを意識して、考えることに繋がるものも排除しようとするため、結果的に他の動物に比べても高い頻度で思い出し、忘れることが難しくなる。
つまりシロクマを忘れることが難しくなる、という実験である。

この人間の不可思議な意識を説明する理論が、ウェグナーの「皮肉過程理論」であり、そこに、人間は自分の思考をコントロールしたいと思う時、実行過程と監視過程の2つが働くというのである。

この説明は何やら難しいが、この説明理論が正しいかどうかはともかくとして、この実験結果(つまり意識するな、と言われれば却って意識する)という結論自体は誰しも納得するのではないだろうか?

さて、中野信子氏の新著『悪の脳科学』(集英社新書)である。

藤子不二雄Ⓐ氏の名作『笑ゥせぇるすまん』のエピソードをもとにして、それを脳科学的に読み解くというものでなかなかのアイデアである。

ところが20ページほど読んで、すぐに引っかかる。

中野氏は「人間の脳は、約束や禁則をいつか破ってしまうように作られている」という。
ホントかいな!
まあ、それは中野氏の説だからいいとしても、その根拠に、先の「シロクマの実験」をあげるのである。

これは明らかに、論理の飛躍だろう。

「シロクマのことは絶対に考えてはならない」と命ずると却って覚えているのであるが、これは記憶力の問題であって、被験者は誰も「約束や禁則を破ろう」と考えたわけではないだろう。

記憶力についての実験を、人間の脳が約束や禁則をいつか破ってしまう、と結びつけるのは全く根拠になっていない。

さて、問題はここからである。

私は書物を読んで疑問に思うと、出版社に葉書を出すことにしている。

これまでも色々な書物の疑問をはがきに書いて意見を述べてきた。

一番良心的な作者・出版社は、丁寧な手紙とともに次の改訂版で改訂し、そしてその改訂版を贈って頂いたところである(作者・出版社に好感を抱いたことは言うまでもない)。

そして多くは、通り一遍のハガキ(印刷されているもの)を送ってくる。
まあ、読んで頂けたと思うので(作者に届いたと思うので)、それはそれで構わない。

初めてである。

全く無視されました。

新書に挟まれたハガキで、私の住所・名前も書いて、集英社に送った。
葉書を送って約4週間立つが全く応答がない。

私の、上記の疑問は決しておかしくないと思うのですがね…。
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by kazuo_okawa | 2019-12-14 00:59 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)