何げない記事であるが、朝日新聞18日付夕刊に
「容疑者 短い会話も」
「勾留は困難な状況」
と出ている。
これは、京都アニメーション第一スタジオ放火殺人事件の被疑者のことを報じているのである。
無論、これは警察発表をそのまま記事にしたものだ。
カルロス・ゴーン事件によって我が国の中世的刑事司法、人質司法が明らかにされたはずだった。
一瞬、その中世的状況が改善されるかに思ったが、しかしそれは全く勘違いで、この問題をどこも報じなくなれば全く「元の木阿弥」である。
本件被疑者には、その火傷の病状から、当然ながら「逃亡のおそれ」も「証拠隠滅のおそれ」もない。
つまり、勾留が「困難」なのではなくて、もともと「勾留」の要件を満たしていないのである。
記事は警察発表そのままなんだろうが、その発表に異議を述べる記者はいないのだろうか。
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