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by kazuo_okawa

2019年 07月 06日 ( 1 )

『刑事弁護人』

GPS捜査違法判決を勝ち取った大阪の著名な刑事弁護士亀石倫子さんの最新著作である。

警察が、被疑者の人物の車に(令状なしに)秘密裡にGPS端末を取り付けて、その人物の行動を追いかけるという捜査手法を繰り返していた。
弁護士の感覚からすれば、到底許されない違法捜査であるが、その最高裁判決を勝ち取るまでのドキュメントである。

亀石さんが弁護士を目指すところから話は始まり、そして刑事専門弁護士事務所へ入所。接見に行って(若い女性であることから)被疑者が失望の色を目に浮かべることから、やがて経験を積み上げていき、そしてこのGPS事件に出会う。

調査そして学者、弁護士に連絡を取ったり、あるいはGPS実験など、その行動力に驚くとともにまさしく本書はその下りが圧巻である。

無論、学問的・理論的に難しいところであるが、共同執筆者新田匡央氏の手腕だろう、分かりやすく説明を入れるとともに、亀石さんの性格を、亀石さんが「私の未来の夫」にプロポーズするシーンを入れたりするなど、読みやすい工夫もしている。

亀石さんは弁護団を結成するのだが、実は、亀石さん以外は、民事に強くとも刑事は素人。
亀石さんが「まずは、『ダイヤモンドルール』読んで!」とうところなどは、業界人としても面白い。

いやいや実際、後藤貞人弁護士を始め(「そんなもん、ピチョっとつけたらアカンやろ」というセリフに後藤弁護士の様子が目に浮かぶ)、実名で有名人が出てくることから、間違いなく業界人にも楽しめる。

本書は、刑事弁護の何たるかを知ってもらうために多くの人に強くお勧めしたい著である。

本書裏表紙の謳い文句は本書のテーマでもある。

「権力の暴走を許してはいけない」
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by kazuo_okawa | 2019-07-06 19:30 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)