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by kazuo_okawa

2019年 06月 03日 ( 1 )

AIの影響

6月1日に常翔ホールで行われた関西将棋まつりに参加した。
この日は東京から渡辺明二冠も参加したが、そのトークが興味深い。

渡辺二冠は豊島将之三冠と6月4日の棋聖戦で、言わば、棋界の頂上対決をする。
これに関連して、対局前に事前研究をするのかどうかという質問で、渡辺二冠は
<第一局は先手、後手が分からないから事前研究しないが、第二局以降は先手・後手が分かっているので事前研究する。昔と違って研究せざるを得ない>と述べたのである。

この事前研究に、人間を超えたコンピューターソフトAIを研究に使うことは今や当然の前提となっている。
まあここまでは普通のやり取りであるが、渡辺二冠はさらに驚くべきことを述べた。

<最近若手と話をしたが、AIなどから正しいとされる序盤を、そのまま「丸暗記」するという>

「丸暗記」!!
およそ考えられない言葉である。

人は「考える葦」であり、棋士は、その将棋という頭脳ゲームでは類まれなる、思考力を持っているからこそ、私たち将棋ファンは将棋観戦に興味をきたす。

もしも今後、棋界の主力が「暗記力」の強いものが牛耳るとしたら、そういう者たちの将棋に我々将棋ファンは見ていて感銘を受けるだろうか!
いや、そもそもAI中心に、<何故その手がいいのか>を考えることなく、丸暗記する手法が、果たして強くなるのか、という根源的な疑問もある。

将棋界を知らない人が、よく、藤井聡太七段や豊島名人(三冠)を「AIの申し子」と名付ける人がいるが、
全くもって将棋を知らない大いなる大きな誤りである。

彼らは(渡辺二冠も含めて)もともと自分の棋風を確立しているところに、自らの弱点を克服するために、AIの評価を自分なりに咀嚼して、さらにバージョンアップしてきたのである。

一からAIに学んだわけでもなく、AIを丸暗記するのでもない。

<AI丸暗記若手派>がどのよウになるのか。

これは、人とAIにも関係する大変興味深いテーマである。
棋界のここ数年は実に興味深い。
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by kazuo_okawa | 2019-06-03 00:02 | 将棋 | Trackback | Comments(0)