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by kazuo_okawa

2018年 09月 25日 ( 1 )

到達不能極を読む!

江戸川乱歩賞は、嗜好や現実性などで評価が分かれることもあるが、いろんなミステリの賞の中でまず「はずれ」は少ない。

私も毎年、楽しみにしており(昨年は受賞作なしであったが)今年も発売されてすぐに買った。
斎藤詠一氏の『到達不能極』である。

【以下ネタバレに近いのでご注意ください】

表紙が凄い。
一番大きく、しかも赤い文字で「爆誕!」
さらに「衝撃の”受賞作なし”から1年―。こんな熱量を、興奮を待っていた!」

こんな見出しなら、多くのミステリファンはワクワクして買うだろう。

過去と現在を交互に描くという、まあ、ミステリとしてはよくある手法で、無論お約束通り、過去のある人物と現在のある人物が「同一人物」としてつながる(本作では物語の中盤で明かされる)。

舞台のスケールは大きく、サスペンスタッチであることは間違いないだろう。

しかし私には、中核のSF部分がどうにも受け付けない。

私自身は、エンターテインメントとしてのSFは、それはそれで否定していない。

しかも本作のテーマでもあるこの部分は、昨今のAIやロボットの登場などから「意識とは何か」という実に興味深いテーマと絡む。
それだけにテーマとしては面白いのだが、しかしあの時代に、あれはないでしょう、と思ってしまうのである。
(あの時代のコンピュータを知れば知るほどそう思う)

結局、このSF部分を受け入れられるかどうかが、本作の評価に大きくかかわるだろう。

湊かなえ氏の選評が優しくて好ましい。
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by kazuo_okawa | 2018-09-25 01:33 | ミステリ | Trackback | Comments(0)