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[ 2018-09 -09 07:32 ]
2018年 09月 09日 ( 1 )
プロになろうとするものは、そのプロ養成機関「奨励会」に入って一定の成績を積み上げて昇給昇段していく。
一勝の重みは大きく、一局の勝敗が明暗を分けることもある。
極端に言えば人生を左右する。
両者持ち時間を使い果たして「1分将棋」になっていた。
しかし形勢は糸谷必勝態勢。
ところが事件は起きた。
こんな出来事は今まで聞いたことがない。
前代未聞の事件である。
そこで奨励会を世話する幹事井上慶太九段がその場に現れた。
弟子を沢山有し、現在のタイトルホルダー菅井竜也王位やA級棋士稲葉陽八段などを育てた一流の棋士である。
その育て方は名伯楽ともいわれる。
アマチュアへの指導も非常に優しい。
言わば「ほめて育てる」という人間術の達人である。
「それは反則負けやな」
後に「怪物」という異名をとる今の糸谷八段の姿からは到底想像できないが、その糸谷少年が大泣きしたのである。
その場で大泣きしている糸谷2級を前にこう述べたのである。
「将棋世界」最新号は、「光り輝く関西若手天才少年たちの仰天秘話」という特集を組みこの糸谷エピソードも紹介されている。