人気ブログランキング |

私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa

2016年 01月 05日 ( 1 )

関西大学法学大学院教授川口美貴先生が「労働法」(信山社)のテキストを上梓された。
お連れ合いから直々の購入依頼があったので、 昨年早速、購入したが実に分厚い。

それはともかく、出だしが良い。
文学者でも推理作家でもいわゆる物書き(小説家)などは、物語の最初の出だしにかなりこだわるものだ。
それは、大学の教科書でも同じであろう。

川口「労働法」の出だしは、次の通りである。

「労働法は、労働力以外の商品を有していない人間を中核的対象とし、その生存権(憲25条)保障を、労働権保障(人権保障を内包する雇用・労働条件の保障)という観点から実現することを目的とする「法分野」である(「労働法」という名の法律はない)。」

思想性に溢れている、実に見事な定義の仕方である。

比較として、東大学派を見る。
「我が国で今日「労働法」と呼ばれている専門的法分野は、1つの定義として、「労働市場、個別的労働関係および団体的労使関係に関する法規整のの総体をいう」と把握しておくことができよう。」(菅野和夫東大名誉教授)
「労働法とは、労働関係に登場する4つの行為者、すなわち、労働者、使用者(使用者団体)、労働組合等の労働者代表組織、そして国家の相互関係を規整する法の総体である」(荒木尚志東大教授)

…正しい。
「労働法」の定義として、文句の付けようが無いくらい正しい。
しかし、面白くも何ともない。
まあ、教科書ですから、面白くなくてもいいのかもしれませんが…。

私の高校時代。
私が影響を受けた世界史の谷口清隆先生という恩師がおられた。
彼が、労働者を定義して
「彼は彼自身に属する労働力という名の商品を販売する以外に生活手段の無い人」
このように教室で述べた。
非常に印象に残っている定義の仕方であり、40数年経った今でも覚えている。

川口先生のテキストを読み、谷口先生を思い出した次第である。
.
by kazuo_okawa | 2016-01-05 22:09 | 労働 | Trackback | Comments(0)