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by kazuo_okawa

2014年 08月 26日 ( 1 )

8月26日付け朝日新聞夕刊によれば
「原発事故後に自殺に賠償命令」
「東電に4900万円」
という大きな見出しとともに以下のように報じている。

「東京電力福島第一原発の事故後、政府の指示で福島県川俣町から避難を強いられ、一時帰宅中に自殺した女性の遺族が、東電に計約9100万円の賠償を求めた訴訟で、福島地裁は26日、東電に約4900万円の支払いを命じる判決を言い渡した。」

報道によれば、この裁判で、被告東電側はその責任を争い、本人の「脆弱性」を主張していたという。
つまり同じような状況下にある被災者はたくさんいるのに、にもかからず「自殺」したのは、本人の脆弱性によるというわけである。

「脆弱性」!

長年、労働側で労災事件を闘ってきた弁護士として、この言葉ほど腹立たしい言葉はない。
要するに「労働災害」を否定するために、本人が「弱かった」から生じた(従って災害による被害ではない)という被告側が常に口にする「弁解」の言葉なのである。
先の東電のように、他に「自殺」したものはいない、という弁解もよく聞く。
無論、こういう反論は論外である。

残念ながら、過去の労災事件では本人の「脆弱性」の名の下に、災害との因果関係を認めなかった判決もある。

しかし、違法な「災害」(安全義務違反)があったなら、そこから生じた被害には、本人の「弱さ」にかかわらず、救済すべきであろう。
もともと「人」は、強いものもいれば、弱いものもいる。
それが人間というものである。
「弱い」ゆえに救われないというのでは到底納得し得ない。

本件は注目された裁判であったが、福島地裁、潮見直之裁判長は「自殺と原発事故との間には相当因果関係がある」と、遺族側の主張を認めた、という。

素晴らしい判決である。

判決文全文を読んでいないために、一般化し得るのかどうかは何とも言えないが、
この判決が、広く、労災被害者の救済につながるものならば
尚更素晴らしいといえよう。
弁護団と裁判官に敬意を表したい。
by kazuo_okawa | 2014-08-26 23:29 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)