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私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa

2014年 02月 23日 ( 2 )

ソチオリンピックもようやく閉会式であるが、
この間のソチ報道ラッシュのため、本来報道されるべき
オリンピック以外の重要なニュースが隠れていた可能性がある。

ひたすら「戦争国家」へと突き進む安倍首相とその側近の暴走ぶりや
大阪の暴走市長の暴挙などはさすがに報道されているが、
水俣病訴訟に30年以上関わっている弁護士としては
水俣病に関する毎日新聞(2月19日付)の記事が目を引いた。

「水俣病認定 国が代行」という見出しの通り、
公健法上「水俣病」に当たるかどうかの判断を、これまで行ってきた熊本県でなく
国が代行するという。
しかし国が関与することによって、またまた、本質的な解決が遠のく可能性が高い。

このニュースは、実は大変なニュースであるが、毎日新聞以外の各紙は
報道していないか、極めて小さな扱いであり、おそらく
多くの市民はこのニュースの意味に気づかないであろう。

実際、一体全体、何のことかと思われる方が多いであろう。
それはそうである。
水俣病問題は国は一貫して、その責任の隠蔽に終始し
その仕組みを分かりにくくしてきたからである。

石油コンビナート政策という「国策」の被害である公害、水俣病。
その患者救済のために公健法という法律があるが、
患者はなかなか「公健法上の水俣病」と認定されない。
そこで、国家賠償法上の責任があるとして国相手に裁判を行い、
2004年10月に我々は勝訴判決を得た。
即ち、水俣病発生について、国の責任を認め
合わせて、従来公健法行政でしてきたような誤った「狭い認定手法」でなく
最高裁は、原告を正しく水俣病と認めたのである。

この2004年判決にもかかわらず、国は驚くべき事に、その後も
公健法における従来の認定手法は正しい、と強弁した。

しかし「水俣病」は何処へ行っても「水俣病」である。
国家賠償法上は「水俣病」であるが、公健法上は「水俣病でない」
などということはありえない。

2004年10月以降、マスコミは、「2つの水俣病」とそのおかしさを
批判してきたが、しかし、国は頑としてその姿勢を変えなかった。

私達は、そのため再度裁判を起こさざるを得ず、そして、
2013年4月に、極めて当たり前の勝訴判決を得たのである。
つまり、国賠法上の「水俣病」は、公健法上の「水俣病」であるという
常識的な判決を下したのである。
こんな当たり前のことを認めさせるために9年かかったことも異常だが
何と、国はその後も、姿勢は変えない!

しかし、熊本県は2013年最高裁判決を受けて、
まあ何というか、批判も多いが、それなりに頑張ってきた。

その中でのこのニュースでなのある。

国が代行するのである。今後、何が起こるか分からない。
むしろ、救済が遠のく可能性がある。

そうならないように国を注視しなければならない。
そういう意味で重要なニュースなのである。

ここまで書いてきてもなかには、水俣病は、過去の、そして地方の問題と
思っている方も多いかもしれない。

しかし、実はその構造は、「国策」の被害の押しつけという点で、
「基地沖縄」「原発福島」と、その構造は同じである。

この水俣で、「正義」が実現されないと、沖縄、福島でも正義は実現されないだろう。
まさしく同じ闘いなのである。
もしも正義が実現されないとなれば、大変恥ずかしいことである。

オリンピック報道に埋もれず、大きく報道した毎日に敬意を表したい。
by kazuo_okawa | 2014-02-23 20:37 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)
エコノミスト菊池英博氏の新著
「そして日本は略奪される-アメリカが仕掛けた新自由主義の正体」
(ダイヤモンド社)が出版された。

菊池氏は、新自由主義の財政政策に反対し
消費税増税にも強く反対する。
増税反対の根拠は、日本は決して「赤字国」ではなく
対外的に世界最大の純債権国であるというところにある。
国の財政収支はいわゆる一般会計だけで見るものではない。
「剰余金」「積立金」などの特別会計も含めてみれば
日本は決して「赤字」でないのである。

実は私は4年前に菊池氏の講演を聞き、当時思ってもいなかった視点に説得力を感じた。
そこで、その後、3/11震災後に、大阪弁護士会法友倶楽部のシンポジウム
「復興財源と雇用創出」のパネリストとして、更には
大阪弁護士会の講演の講師にお招きした。

そもそも「自由」がはびこれば力の強いものが勝つ。
「自由」の名の下に「関税障壁」を取っ払えば
アメリカが日本の富を収奪すると言うことは何となく想像出来るところである。

同氏の新著は「超金融緩和、消費増税、TPP」で日本の巨額マネーが
アメリカに略奪され、日本では「格差社会が益々拡大する」ということを
具体的に丁寧に説明したものである。

ところで菊池氏は、2012年3月2日の衆議院予算委員会で
民主党推薦の参考人として呼ばれ、「日本は『赤字』でない」
「消費増税は不要である」「日本のデフレは恐慌型であり、
消費増税でなく、政府主導の金融フォローしかない」との意見を力説した。
しかし安倍政権は、菊池意見の内、消費増税は不要だ、
というような自己に都合の悪い意見は目にもくれず、
政府投資など自己に都合の良いと事だけをつまみ食いした。

ズルいというか、たくましいというか、何というか、あきれてしまう。

横道にそれたが、皆さんに、本書を、是非お薦めしたい。
by kazuo_okawa | 2014-02-23 02:04 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)