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by kazuo_okawa

2014年 02月 22日 ( 1 )

森信雄七段「逃れ将棋」

将棋の森七段は、
故村山聖を筆頭に山崎隆之、糸谷哲郎など優秀な弟子を育てた名伯楽である。
村山との師弟物語は何度読み返しても涙が出る。

と同時に森七段は「スーパートリック109」や「あっと驚く三手詰」など
詰将棋や次の一手問題の創作の名手である。
「あっと驚く三手詰」などは、その表題通り、わずか三手詰なのに
人間の心理の落とし穴をついてなかなか解けない。
三手という超短手数の中に「妙手」を織り込んだ見事な作品集である。

その森七段がこのたび「逃れ将棋」(実業之日本社)を発行した。
不思議な表題であるが、森七段の創作である。
その本の帯文句には「将棋界初の逆転詰将棋問題集」とある。

う~ん。
その逆転の発想に驚く。
将棋は相手の王を詰ますゲームである。
それゆえ王を詰ます「詰将棋」は山ほどある。

ところが「将棋界初」という森七段の考えたゲームは、何と、
詰まされる側に立った上で、詰まされないようにする、
つまり「逃げるが勝ち」というゲームでなのである。

囲碁の死活問題からの類推で、将棋でも「生きる(逃げる)問題」というのは
あっても良さそうだがこれまではなかった。

やはり、将棋の場合は、王を詰ますゲームをという本質から
こういう問題は思いつきにくい上、
仮にそういう問題を思いつき、作ろうとしても「守りの妙手」は浮かばない、ということもあろう。

帰宅の電車の中で最初の10問ほど解いたがこれが結構面白い。
詰ます爽快感とは違う、逃げ切る爽快感というのは、実に不思議な感覚である。

森七段の職人芸に感心する。
by kazuo_okawa | 2014-02-22 00:27 | 将棋 | Trackback | Comments(0)