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by kazuo_okawa

2014年 02月 04日 ( 1 )


「将棋世界」最新号(2月号)に、今期王将戦第1局の解説が出ている。
タイトルホルダー渡辺明王将に羽生3冠が挑戦している注目の第1局である。

戦型が注目され、羽生が後手番矢倉を選択したことが興味深く
遠く名人戦を睨んでいるのだろう、と私は推測しているが
それはもとより、この王将戦が両棋士の「将棋観」の闘いであることも興味深く
「将棋世界」の解説を読んで、なお、その思いを強くした。

渡辺明はリアリストである。
徹底的に合理的に考える。
その合理主義思想は私には気持ちいいくらいである。
「先手良し」或いは「先手悪し」として評価が定まっているところを
あえて研究するのは効率が悪い。
時間をかけて研究しても、結局は従来通りの結論に終わることが多い。
それよりも結論の出ていないところを研究した方が効率的である。
思い切り大胆に要約すると、これが渡辺の手法である。

一方の、羽生は、結論の出ているところもあえてその「不利の側」を持つ。
この第1局も不利といわれる後手番矢倉を採用しつつ、決して、「不利の評価」に
納得していなかったことが、この「将棋世界」の解説を読んで分かる。
まさしく羽生はロマンチスト、というわけである。
こちらもいい。

こういう対局観の違う棋士同士の激突は大変面白い。

将棋史をひもとけば
かつては米長邦雄対加藤一二三はドル箱カードの一つであった。
ベビーフェイス米長は、運、ツキ、流れというものを重視する。
相手が仕掛けてきたときに「逃げるようでは男でない。
そんな男には、勝利の女神はそっぽを向く」と受けて立つ。
一方、ヒール加藤は、棒銀一筋のように盤上の最善手を目指す。
こういう将棋観の違いが、両者のキャラクターの違いとともに
その激突をドル箱カードの一つにした。

リアリスト渡辺対ロマンチスト羽生の闘いは間違いなく
現代のドル箱カードの一つである。

どちらを贔屓するというのではない。
対局そのものが大変興味深いのである。
王将戦。
この先も楽しみである。
by kazuo_okawa | 2014-02-04 22:57 | 将棋 | Trackback | Comments(0)