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by kazuo_okawa

2014年 01月 08日 ( 1 )

1月6日付け朝日新聞によれば
JR大阪駅の駅ビル「大阪ステーションシティ」で
通行人の顔をカメラ約90台で撮影し、その顔の特徴を登録して
同一人物を自動的に追跡する実験がこの4月から始まる、という。
顔認証技術の精度を確かめるのが狙いで、データは
個人が識別できない処理をしたうえで、JR西日本に提供される。

これは総務省所管の独立行政法人「情報通信研究機構」が
JR西日本とステーションシティを運営する「大阪ターミナルビル」の協力を得て、
2年間実施する、という。

実験では、各カメラで3メートル四方にいる数十人の顔を撮影する。
両目間の幅など100カ所程度の各人の顔の特徴を抽出して
特定のIDを与えて登録し、別のカメラが同じ特徴を持つ顔を識別すると、
同一人物と判断して追跡する仕組みだという。

以上が、朝日の記事の内容であり、監視カメラ技術の進歩など色々な事を考えさせるが、
一番思うのは、道行く人の了解を取っているのか、
(あるいは少なくとも知らせているのか)
ということであろう。

勝手に、人の顔を撮影するのは肖像権の侵害である。
ところが、この実験は単に、顔の撮影だけでなく
その人の行動を追跡するのである。

普通に考えて、単に「肖像権」以上の権利侵害だと通常考えられるのではないだろうか。

これで思い出すのが、約20年前に、
釜ヶ崎合同労組委員長稲垣浩氏の依頼で
後藤貞人弁護士と私が受任した(後に大弁護団に拡大)釜ヶ崎監視カメラ撤去訴訟である。

この裁判は、地裁、高裁、最高裁といずれの判決も
釜ヶ崎内の監視カメラ15台中、合同労組の建物を狙ったカメラについて
それは犯罪予防の目的を超えるとしてその1台の撤去を認めたのである。

この裁判で、私達は、肖像権以上の権利侵害があるとして
それは「監視されない権利」だと構築した。
判決は、私達が主張したこの「監視されない権利」を
プライバシー権と同じだとして
結局、前述のカメラ1台の撤去を認めたのである。

この判決は,初めて、公道でも(顔をさらして歩いていても)
プライバシー権が認められるとした、画期的な判決である。

冒頭の朝日新聞の記事は、この監視カメラ撤去訴訟を想起させる。

無論、公的エリアか私的エリアか、
或いは目的は何か、目的外使用はないのか、など
細かい議論はある。

しかし、重要なのは、道行く人の行動を
勝手に撮影するのは、何よりもまず、プライバシー権侵害である、
ということを誰しもが自覚するべきということであろう。
規制や利用の議論はその次である。

そうでないと「人権を尊重する社会」とは到底いえない。
by kazuo_okawa | 2014-01-08 00:35 | 情報・プライバシー | Trackback | Comments(0)