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by kazuo_okawa
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2013年 09月 28日 ( 2 )

裁判長、笑顔の補足説明

昨日、大阪高裁で実に画期的な
憲法違反を指摘する判決が出た。

その内容は、先のブログの通りであるが
判決言い渡しの法廷で大変興味深いシーンがあった。

判決の言い渡しは、普通は「主文」という結論だけが読み上げられる。

本件では次の通りである。

「本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする」
これだけである。
控訴したのはこちらだから、これでは負けである。

そして「事実及び理由の朗読は省略します」と
裁判長が述べて、そくさくと退席するのが通常である。

かつての「荒れる法廷」だと、裁判長退席の場面で
絶妙のタイミングで、傍聴席からヤジが飛ぶ。

「裁判長、逃げるのか!」
「理由を言え!」
これが、傍聴のヤジの二大横綱である。

ところがである。
昨日は違いました。

裁判長が、退席せずに、私の方を見て話し出しました。
(私に話しかけたのは、主任の武村弁護士が欠席して
私が一番前の席に座っていたからです)

「理由はあとから読んで頂くとして、
公選法自体は違憲としました」

(内心、おおおっと驚く)

「しかし違法というのは、まあ要するに
熟慮期間が過ぎていない、というわけです」

分かりますね、というように笑顔をうかべられたので 
裁判長に私は軽く頷づいた。

終わって書記官も私に近づく。

「ほらここです。」と何と、判決文を持ってきて
違憲判断のページを示したのである。

まあ、珍しいシーンですね。
by kazuo_okawa | 2013-09-28 16:49 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)
私の古くからの知り合いである稲垣浩さん(労働組合委員長)が
道交法違反などで、2010年3月から10月にかけて
滋賀刑務所に服役した。
その受刑者である期間中の7月に参議院選挙が行われたのであるが
受刑者に投票が制限されている公職選挙法(公選法)を根拠に
稲垣さんは投票できなかった。

そこで公選法は憲法違反である、として
提訴したのがこの事件である。

私は最初から弁護団に加わりこの訴訟に関わった。

残念ながら一審判決は、全面敗訴。

ところが大阪高裁は、2013年9月27日に、
理由中であるが、受刑者の投票権を一律に制限する
公選法は憲法違反である、としたのである。

裁判そのものは、違憲の公選法であるが、それを廃止する
立法をしなかったからといっても、十分に期が熟していたのに
放置していたというわけでないから、国家賠償法上の違法性は無いとして
損害賠償請求そのものは棄却した。

しかし内容的には実に画期的な判決である。

まず、判決は選挙権が憲法上の基本的な権利であることをのべ
そしてその制限には「やむをえない事由」が必要という。

次ぎに判決はそのやむを得ない事由があるのかを判断する。

まず刑事施設収容中であることに伴う事務的支障はない。
それは国民投票法では受刑者も投票権のあること、
未決収容者にも選挙権のあることからしても、
事務的支障は制限の事由にならない。

受刑者であること自体も制限の理由にならない。
ここで判決は受刑者の収容目的は改善更生であることも指摘する。

更に、一審判決が強調した「情報取得の困難性」についても
判決は明快である。
法が受刑者に情報取得を禁止していないこと、
2005年最高裁判決の事案である在外邦人の場合よりも
国内の受刑者の方が情報提供は容易であること、
仮釈放中の者には「情報取得の困難性」は理由にならない、ことから
結局、これも制限の事由にならない。

そして結論として、公選法は憲法違反だとしたのである。

凄い。

我々からすれば当たり前の判決であったが
実に素晴らしい判決である。
by kazuo_okawa | 2013-09-28 16:24 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(2)