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by kazuo_okawa

2013年 05月 29日 ( 1 )

5月25日付朝日新聞夕刊記事において
万引きに悩まされる店が
万引き犯を捕まえて、その顔写真を張り出していることと
その問題点について報じられていた。

問題点をコメントしたのは私であり、
そのことは既にこのブログでも述べた。

ところで、この私のコメントが興味深いのか
朝日新聞とは違うメディアからも問い合わせがあった。

他社が報じたことを、別のメディアが追いかけるのは
よほどのニュースでないとまれである。

この件では、単純に、「万引き犯は悪いやつだ。
その万引き犯の権利が侵害されるのか」という
素朴な疑問であろう。

無論、どんな犯罪者であれ、人権はある。
人権は守らなければならない。
万引き犯も同様である。

すると、では、万引き犯が、
顔写真を張り出したその店に対して
損害賠償請求できるのか、と聞かれた。
悪い加害者が、気の毒な被害者に
逆に損害賠償請求できるのはおかしいでしょう、という
ニュアンスがこの質問にはある。

顔写真の掲載は、その人物のプライバシー権の
侵害にあたる。
それゆえ勝手に顔写真を貼りだしているとなれば
明らかに違法である。
しかし、その万引き犯が真に了承していれば
別である。
承諾があればそれは合法である。

もっとも実際は、真に了承していたか
勝手に写真を撮って張り出したのか
その認定は難しいであろう。
しかも万引き犯には負い目がある。
それゆえ実際に、万引き犯が
店に対して損害賠償請求をすることは考えにくい。

しかしそのことと、顔写真張り出しはプライバシー権の侵害となる
という問題とは別なのである。

犯罪者にも権利がある、ということを
わかりやすく説明するのはなかなか難しい。

とはいえ、それをわかりやすく説明するのが
我々法律家の役目であろう。

どんな質問にもコツコツと丁寧に応じていきたいと改めて思う。
by kazuo_okawa | 2013-05-29 01:37 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(1)