昔は言われたものだ「勝利した責任」と。
準決勝で藤井聡太六冠に勝った責任というのもあろう。
叡王戦挑戦者決定本戦トーナメントで藤井六冠に勝利した永瀬拓矢九段が
そのままの勢いで伊藤匠叡王への挑戦権を獲得するのだろうと思っていた。
しかし読みがはずれた。
12日、挑戦者は斉藤慎太郎八段に決まった。
いや斎藤八段を応援していたから結果には満足しているのだが。
斉藤、永瀬戦はかつて王座戦を戦った因縁の相手である。
斉藤八段は優雅に指す。
相手の駒を取るときに、先に駒台のスペースを空けてから取るという谷川方式である。
1分将棋になってもそのスタイルと崩さなかった。
そして将棋そのものも見ていて終盤が面白かった。
斉藤玉はハラハラする玉回り。
そんな中で攻防の14角など妙手が出る。
終局後、好調のきっかけはAbemaトーナメントで藤井六冠、古賀悠聖六段とチームを組んだことだという。
いうまでもなく詰将棋力を誇るチームである。
インタビューで斉藤八段は<気晴らしは詰将棋を作ること>と延べ、新作が詰パラに掲載中と答えていた。
その作品は「王位継承」
攻め方「都玉」で始まり、玉方「都玉」で終わるという実に飛んでもない作品だ。
よくぞまあ、こんな作品を思いつくものだど感服する。
斉藤八段は、その端正なルックスから「西の王子」を「継承」したことがあり
その優しい人柄と合わせて関西の人気棋士である。
伊藤叡王とは再戦であるが、その対局は盛り上がるだろう。
正当派居飛車党同士の真っ向勝負。
実に楽しみである。