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by kazuo_okawa
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50年、有難う!

2024年5月5日に京都大学推理小説研究会(略称京大ミステリ研)の設立50周年大同窓会が京都で開かれた。
私にとっての青春時代の一つが京大ミステリ研であり、私が作りあげたと言うのはいささか傲慢すぎるとしても、間違いなく「システム」を作り上げた者としては、非常に思い入れのあるサークルである。

京大ミステリ研をして、他の大学のミステリ研と違う最大の特色は「犯人当て」というゲームに興じたことだ。
これは他の大学にはない。
(ミステリの)「創作」もするがこれはこれで同人誌を有するサークルでは行っているところもあるだろう。
しかし「犯人当て」を有するサークルはどこにもない。

それゆえ5月5日に行われた大同窓会の記念企画は次の通りである。

14時<出張! 円居挽のミステリ塾>
    登壇者  円居挽、丸茂智晴(星海社) ゲスト:方丈貴恵
15時30分<座談会:犯人当てをめぐって>
    登壇者(50音順)我孫子武丸、綾辻行人、大山誠一郎、法月綸太郎、麻耶雄嵩
      司会:新井久幸(OB、新潮社)
本格推理ファンなら垂涎の凄い顔ぶれでしょう。

そして、<円居挽のミステリ塾>には、何と、「創作」と「犯人当て」の違いを論ずるというテーマが交わされる。
いやあ、聞いていて実に面白い。

私たちオリジナル・メンバーが、いわば、楽しみで始めた「犯人当て」である。
しかし私がミステリ研を存続させるために作り上げた「システム」が、その後いわば一人歩きして、まあ,円居挽氏、方丈貴恵氏ら多くの後輩の方へ、ある種のプレッシャーつまり、「犯人当てを解きなさい」「犯人当てを作りなさい」というプレッシャーになっていたのですね。

楽しいから、面白いから、行っていた「創作」であり「犯人当て」なんですがね…。
いや、存続して頂いた後輩の皆さんには感謝の気持ちと共にある種の申し訳けなさも生じてくる。
そんな思いも含みながら聞いていた。

さて京大ミステリ研はなんと言っても綾辻行人氏だろう。
最初の京大ミステリ研出身作家であり、京大ミステリ研の名前を高めてくれた。
「最初」であること、そのフロンティア精神は大変素晴らしい。
信頼する親友でもある。

その綾辻氏が、私たちに気を使ってだろう、自分たちの座談会の前に、振ってくれた。
つまり、私と松田一郎氏の登壇である。
まあ、円居挽氏らの発言に、何か言いたいことがあるだろう、と思ってくれたに違いない。

そこで急遽二人で登壇し、そもそも何故犯人当てをしたのか、その初期の方法、つまり朗読主義、そしてその意義などを即興の掛け合い漫才風に話させてもらった。
私が強調したのは「京大ミステリ研は自由である」ということだ。
「犯人当ては楽しいからしたのであり、趣味のサークルで、それがプレッシャーならする必要はない」
熱心に聞いて頂き、大いに笑って頂いたのは嬉しい。

そして綾辻氏らのメイン座談会。
皆さんの発言を紹介したいのはやまやまですが、現役一流作家の、裏話も含めた貴重な発言ばかりであり、それを伝えるのは禁じ手なので省略します。
内容はどこまで行っても「犯人当て」でした。

私はいつ頃からか思っているのですが、私のもう一つの趣味である将棋と似ているなと。つまり「創作」(推理小説)と「犯人当て」の関係性は、実践将棋と詰将棋の関係性を思わせる。
「犯人当て」も詰将棋も厳密なルールがある。
そしてそれは「創作」(推理小説)や実践将棋とは別物であり、それらには直接役立たない。
いやしかし、全く役立たないということもないし、ある種の武器にもなる。

とまあ、似ているのである。

改めて感謝です。
皆さん、50年続けて頂い有難うございます。

楽しい一日でしたが、綾辻行人さんは早くもX(旧ツイッター)にあげて頂きました。
有難うございます。


by kazuo_okawa | 2024-05-06 08:59 | ミステリ | Trackback | Comments(0)