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by kazuo_okawa

これぞ、夢のタイトル戦!

一瞬、何が起こったのかと非常に驚いた。

王将戦挑戦者決定リーグ羽生善治九段対豊島将之九段の対局であるが、仕事の合間にアクセスしていると、AI評価がほぼ互角の状態から、豊島九段が飛頭の銀打ちをして大差が開いた。
王手飛車を狙ったものだが、羽生九段のうまい切り返しを豊島九段が見落としていたようだ。
終局後のインタビューでも豊島九段がそのことを率直に述べる。
豊島九段を応援していた者としては、プレイオフを見たかったがこれは残念である。
是非また大きく復活してほしい。

しかしながら羽生九段が勝利し、今期挑戦者決定リーグを6勝0敗と全勝で藤井聡太王将への挑戦権を獲得した事は感動的ですらある。
とりわけA級陥落を始めとする不調をみればレジェンド羽生九段ですら、年齢には勝てないのか、と思ったものである。

しかし、羽生九段は羽生九段である。

そしてインタビューは、いつものひょうひょうとした感じで羽生流である。
記者会見ではかつての中原誠十六世名人とのタイトル戦が実現しなかった事が聞かれていたように世代を大きく超えたもの同士のタイトル戦はその実現が難しい。

そんな中で藤井王将とのタイトル戦について、「自分自身の結果が伴っていない状態が続いていた。現実的には難しいと思っていた」「何とか実現でき、うれしい」とその率直な気持ちを明かしている。

年齢について聞かれたときも、「年齢の事を考えても若返るわけではないので、置かれている現状の中で一生懸命にやっていくしかない」「諦めてしまうのではなく目の前の一局を大事にしていきたい」と答える。
更に重ねて別の記者が「50代でも伸びしろがあると考えておられるか」という質問にも「伸びしろがあるかどうかは分からない。あったらいいな、という感じでいる」と答える。
力まず、しかしそれでいながら努力をする姿が垣間見れる。

羽生九段は、多くの注目を集めることになるタイトル戦について、「将棋ファンの皆さんや、これまで将棋に関心の無かった人にも楽しんでもらえるような将棋を指したい」とファンを大事にする発言もしている。

羽生九段のこういう姿勢が胸を打つ。
夢のタイトル戦、今から大いに楽しみである。


by kazuo_okawa | 2022-11-23 06:38 | 将棋 | Trackback | Comments(0)