毎年11月17日は「将棋の日」として日本将棋連盟は各種イベントを行う。
今年は新型コロナウイルスの影響でオンラインである。
23日にオンライン中継された「第46回将棋の日オンライン.」の特別企画は、ファンから募集した『質問・疑問・聞いてみたい』という同じ10の質問に、現役タイトルホルダー(渡辺明三冠、豊島将之二冠、藤井聡太二冠、永瀬拓矢王座)4人が答えるというものである。
藤井二冠の答えが印象に残る。
かつて「将棋の神様がいたら何をお願いするか?」という質問に、「一局お手合わせ願いたい」という意表を突く答えに誰しも驚いたが、今回も驚かされる。
同じ質問故4人の回答がおのずから比較される。
「面白かった本、おすすめの本」
この質問に藤井二冠は、他の3人がどう答えるかをまず考え「多分漫画を答えられる方が二人、渡辺名人と永瀬王座は漫画でかたい。豊島竜王がわからないので楽しみ」と答える。
この読みはほぼ当たっており(豊島竜王はミステリ)、しかも藤井二冠自身は若島正氏の「盤上のフロンティア」を挙げる。
あくまで将棋なのである。
「一日将棋以外のことをするなら」
という質問に、う~ん、と考える。
将棋以外でなんでこんなに考え込むかということ自体に驚かされるのであるが、次いで出たのが「一か月なら、まず最初の3日にそれを考える」と答える。
そして「棋士になって幸せを感じるとき」に「いい将棋をさせたとき」と答える。
「将棋の子」としか言いようがない。