いわゆる大阪都構想を目指す大阪維新松井一郎市長などの演説に、時折「二重行政をなくす」という言葉を耳にする。
橋下徹氏がかつて大阪府知事時代に「大阪都」を目指したときも、しきりにそのフレーズを聞かされた。
まるで「二重行政」それ自体が悪いかのように…。
そして2008年に橋下氏が新知事スタート時に「二重行政」の見本であるかのように持ち出したのが「法律相談」であった。
大阪市にも、大阪府にも「法律相談」があるのは、二重であり、無駄である。
法律相談は大阪市だけでよい。
これが彼の理屈である。
もしも、大阪市の法律相談も、大阪府の法律相談も閑古鳥がなくような状態なら無駄だろう。
しかし当時は弁護士人口が増加途中とは言え、「法律相談」無料事業は少なく、大阪市民、大阪府民にとって無料で弁護士から法律相談を受けられるのは大きなサービスであり、大阪市、大阪府とも無料相談は大盛況であった。
「二重」だから悪い、というわけではないのである。
大阪弁護士会は反対したが、ならば、大阪弁護士会は(府からの委託料無しで)只でやれ、と彼が言い出し、論点がずれていったのである。
相変わらず「二重行政」自体が悪いかのような発言を聞く…。