藤井聡太二冠(王位・棋聖)は22日、第70期王将戦挑戦者決定リーグの開幕戦で羽生善治九段に敗れ、黒星でのスタートとなった。
開幕戦を、羽生九段対藤井二冠という黄金カードをもってきたところが素晴らしい。
2020年度、藤井二冠がタイトル戦に出場する可能性が残るのはこの王将戦のみであること、そしてともに中学生棋士たる「天才対決」であることが否が応でも注目度を増す。
しかも、羽生九段からすれば、対藤井戦はこれまで3戦全敗。
これ以上負けるわけにはいかない。
そして本来は相手の得意戦型に合わせる羽生九段であるが、この日は自らは得意であり、藤井九段はやや勝率の低い横歩取りに誘導した。
この序盤4手だけで将棋ファンとしては震えるだろう。
途中藤井二冠も読んでおらずプロもうなった48歩を羽生九段が放つ。
これはまだ54手目なのであるが、解説豊川孝弘七段はこの一手をみて、羽生九段が勝ちますね、と断言した。
結果は、見事に羽生九段の勝利。
嬉しいことに23日の新聞テレビはこの対局を大きく報道する。
合わせて、厳しいスタートとなった藤井二冠の次局の相手は豊島将之竜王・叡王である。
将棋ファンなら周知の事実であるが、藤井二冠は豊島二冠に5戦全敗である。
この豊島二冠にも注目が集まるのは非常に嬉しい。
非情に楽しみの多い王将リーグである。