NHK「麒麟がくる」(第24回)を見ていると面白い場面に出くわした。
足利家第13代将軍足利義輝が三好長慶派によって命を落としたあと、空いた将軍の座を巡って、覚慶擁立派と義栄擁立派に二分される。
義栄擁立の三好派は、さらに覚慶を幽閉するも、覚慶擁立派の細川藤孝らが覚慶の身を隠す手助けをする。
つまり幽閉場所からの脱出である。
その脱出トリックがマジック・ミステリファンには面白い。
幽閉場所一条院から、大きな箱を神輿のように6人の駕籠かきが運び出そうとする。
当然、出口にいる門番兵が停止させて、中を改めさせろという。
しかし、箱の中を開けると仏像である。
かくて箱は持ち出されるが、覚慶は無事脱出。
駕籠かきの一人に扮していたのである。
昔、マジックナポレオンズが類似の脱出トリックを見せていたが、大きな箱自体がミズディレクションとなっている。
また駕籠かきは見慣れているので「目に見えない」。
これはチェスタトンの名作「見えない人」のトリックも思い起こす。
何気ないワンシーンに色々な古典的トリックを思い出す。