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by kazuo_okawa

女帝 小池百合子

石井妙子著『女帝 小池百合子』(文芸春秋)を読む。

<芦屋令嬢、カイロ大学を4年で首席卒業、元キャスター>などの華麗な経歴が売り物の彼女であるが、石井氏は膨大な資料をもとにそこに切り込む。

芦屋育ちではあるが、芦屋といっても高級住宅街ではなく、また倒産と政治家を目指して有名人に近づく破天荒な父を持ち、複雑な環境から小池氏はのし上がっていく。
そこには見栄と虚飾にまみれている。

そのありさまは下手なミステリよりも面白い。

中心はカイロ大学首席卒業への疑問である。
エジプト人女性の言葉として「たどたどしい日本語で『私、東大出たよ、一番だったよ』と言われたら、日本人のあなたは、どう思いますか。」
卒業証明書への疑問が深まる。
カイロ大学が裏付けたというがその人物、日本とエジプトの関係などから却って疑惑を深める…。

私にとって関心のあったのは言うまでもなく水俣病史のくだりである。
(ここが正確故、本書の信用性は高いと感ずる)

そして小池氏の、水俣病被害者のみならず、アスベスト被害者への冷たさや「嘘」にもぞっとしてしまう。

私はこれまで小池百合子氏を何度も批判してきて、一体この人は、何のために、何をしたいがために政治家になったのだろうと疑問に思ってきた。(ブログ2016年7月26日「小池百合子氏」のこと・2017年9月29日「今、改めて小池百合子氏を批判する」をお読みいただきたい)
本書を読んでその答えが垣間見える。

ぜひ本書をお読みいただきたい。
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by kazuo_okawa | 2020-06-23 07:09 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)