本日発売の『文春砲』が炸裂し、黒川弘務東京高検検事長が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下、東京都内の産経新聞記者宅で賭けマージャンをしていたと報じた。
黒川氏は法務省の事情聴取に、現金を賭けてマージャンをしていたことを認め辞職の意向を伝えたという。
いやあすっきりしない。
まるで、出来の悪いミステリを読むようである。
私と黒川氏は司法修習35期の同じクラスであり、私たちの検察教官は実に魅力的な人物であった。
その教官は「被害者とともに歩む」ほか数々の熱い言葉を私たち修習生に教えたが、その一つに「深夜の赤信号でも交通ルールを守る。それが検察だ」とあり、このある種の清廉さに打たれ検察を志望した者も少なくない。
歳月は人を変えるのか。
「花の35期」と呼ばれるが、それを代表する法曹人の一人であり、
人当たり良く、優秀である彼が、こんな軽率な事をしていたとはとうてい信じ得ない。
それとも<これは絶対に漏れることはない>と産経新聞記者を全面的に信用していたのか。
文春記事によれは、文春にリークしたのは産経新聞関係者だという。
官邸ヨイショ新聞である。
出来が良かろうが、悪かろうが、仕掛け人は、いつの場合も「それによって利益を得るもの」である。
今回、これで利益を得たのは誰なのか。
ニュースに寄れば、官邸は混乱の責任を取る形で稲田伸夫検事総長の辞職も求めているという。
これが、本当なら「どの口が言うか」である。
安倍首相、麻生副総理こそ、これまでの数々の「混乱の責任」をとって直ちに辞職すべきだろう。
それにしても悲しい。