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by kazuo_okawa

新型コロナと通勤災害

本日、親しい労働組合幹部から相談があったのは、通勤途上で新型コロナウィルスに罹患したら労災になるか、というものであった。

無論、その「問い」に対する「答え」という意味では、労災になる。
一般の通勤途上での災害と同じである。

ただ問題は、「通勤途上で新型コロナウィルスに罹患した」ということが立証できるかどうかである。

外出自粛の要請があるため、自宅と会社の往復のみで他には何処にもよらず、そして自宅と会社では万全の注意をしているからそこでうつされたはずはない。

そうであっても果たして認めてくれるかどうか。

組合幹部からの相談ということで思い出したのは、25年前の阪神淡路大震災の時である。
あのときも通勤途上で「震災被害」にあった人が続出した。

そしてあのときの労働組合はいずこも、迅速に労災を認めよ、と運動したはずである。

そして労働省(当時)の「人命尊重を最優先に人道的立場で最大限の努力をする必要がある」との通知を引き出した。

25年後の今、果たして安倍政権下で「人命尊重最優先」で動いてくれるのであろうか。

或いはそもそも労働組合の行動力は残っているのだろうか。

突然襲った災害の性質は全く違うが、改めて25年の歳月を思うのである。
【追記】
前記の例では、後に労災手続きをとるとしても、まずは健康保険の傷病手当金の受給手続きをとることが実践的である。

【4月14日追記】
厚生労働省は新型コロナと労災の取扱いについて、1ヶ月以上前に次の通達を出していることがわかった。
「新型コロナウイルス感染症に係る労災補償業務の留意点について」(基補発0203第1号 令和2年2月3日)
通達本文をみると「・・・したがって、新型コロナウイルス 感染症にり患したとして労災 保険給付に関する相談又は問い合わせがあった場合には、特定の業種や業務について業務起因性がないとの予断を持って対応することがないよう、相談者等に対して労災補償制度を懇切・丁寧に説明すること。その際、別紙のQ&Aを参考とすること。」と記載されている。
その別紙には「国内において、新型コロナウイルス感染症を発症した場合についても、業務又は通勤における感染機会や感染経路が明確に特定され、感染から発症までの潜伏期間や症状等に医学的な矛盾がなく、業務以外の感染源や感染機会が認められない場合に該当するか否か等について、個別の事案ごとに業務の実情を調査の上、業務又は通勤に起因して発症したものと認められる場合には、労災保険給付の対象となる。
【業務上と考えられる例】
○接客などの対人業務において、新型コロナウイルスの感染者等と濃厚接触し、業務以外に感染者等との接触や感染機会が認められず発症」などが記載されている。

【4月24日追記】
4月24日付毎日新聞によれば、厚労省は「コロナ労災」について、感染ルートを厳格に特定できなくても業務中感染を柔軟に解釈していくとの方針を固めた、とのことである。いい方針である。

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by kazuo_okawa | 2020-04-09 18:20 | 労働 | Trackback | Comments(0)