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by kazuo_okawa
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「公益性」という魔術

ニュースによれば
文化庁が所管する独立行政法人日本芸術文化振興会が、芸術文化活動を助成するために交付する助成金に関し、その交付要綱を改正し、助成金の「内定取り消し」にあたり、「公益性の観点から不適当と認められる場合」、内定や交付の決定を取り消すことできるようにした、という。

日本芸術文化振興会の活動のひとつとして助成事業があり、687億円の運用益(政府からの出資541億円、民間からの出えん金146億円)による「芸術文化振興 基金」の助成と、文化庁の「文化芸術振興費補助金」を使った助成の2種類がある。今回、この2つの助成事業における交付要綱を、9月 27日付で改正した。
つまり、第8条「交付の決定及び通知並びに不正等による交付内定の取消し」と第17条「助成金の交付決定の取消し」において、それぞれの 取消し条件として
「その他公益性の観点から助成金の交付内定が不適当と認められる場合」
「その他公益性の観点から助成金の交付が不適当と認められる場合」
という文言を追加したのである。

文化庁の助成金をめぐっては、「あいちトリエンナーレ2019」に交付予定だった約7800万円を突如として不交付とし、国会でも質疑が行われ るなど、未だに事態は収束していないことは周知のとおりであるが、日本芸術文化振興会は今回の改正について「あいちトリエンナーレ2019」とは無関係と回答している。

さてこの「公益性」と聞いて思い出すのは、自民党憲法改憲草案である。
本来、人権は権力に対しても「自由」であるからこそ「人権」である。しかしその人権も他者の人権を侵害することは許されない。
つまり「人権は他の人権によってのみ制約を受ける」わけである。

その人権と人権の調整原理が現行憲法の「公共の福祉」と言われている。
しかるに自民党改正草案はこの現行憲法の「公共の福祉」に代わる人権制約原理として持ち出してきたのが「公益性」なのである。
(正確には「公益および公の秩序」)

その意味で「公益性」は人権制約のシンボルともいえる言葉である。
また一つ、人権がじりじりと後退した印象を受けることは間違いないだろう。
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by kazuo_okawa | 2019-10-19 07:14 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)