第32期竜王戦決勝トーナメントの準決勝、豊島将之名人対渡辺明三冠戦が8月2日に行われた。
この二人は現在レーティング1位、2位の言ってみれば最強棋士同士の対局である。
渡辺三冠は、今期絶好調でほぼ負け知らず。
負けた相手は豊島名人しかいない。
一方、豊島名人も藤井聡太七段を始めとする実力者を打ち破り、負けた相手は、渡辺三冠と永瀬拓也叡王のみである。
この二人の大一番で、先手豊島名人が角換わりを志向し渡辺三冠が受けて立つ。
共に得意戦型である。
Abemaの佐藤天彦前名人(九段)の解説が実に明快である。
先手豊島名人名人の45桂跳ねに渡辺三冠が22銀引きとしたのが新趣向という。
つまり研究しているわけだ。
豊島名人が攻めるのだが、夕食休憩明け69手目、43歩成と攻めを決行したとき思わず声がでた。
こういう積極的な攻撃が豊島名人の魅力なのである。
レジェンド羽生善治九段の名言を思い出す。
「勝利の女神は勇者に微笑む」
この後、猛攻し、豊島名人が見事に勝利し、決勝戦に進出した。
最強の敵、渡辺三冠を倒した豊島名人にとって、竜王位へ大きく道が開けたといえるだろう。
いやあ、踏み込む勇気ですね!
【追記】
豊島名人はその後挑戦者となり、そして竜王位を獲得。史上4人目の竜王名人となった。
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