佐藤天彦名人への挑戦者を決めるA級順位戦。
羽生善治九段、広瀬章人竜王とともに6勝1敗で並んでいた豊島将之二冠が、羽生九段との直接対決に勝利した。
角換わり腰掛け銀というともに十八番の戦型。
40手目で後手番豊島二冠が先に仕掛けるのが、「観る将」として実に心地よい。
加えて、77手目67金と78手目43銀の両者の応酬の凄さは、アマチュアには解説無くしてその凄さが分からない超トップレベルの達人同士の切り合いである。
さらには81手目羽生九段の25歩に控え室に驚きの声が上がったという。
しかしその羽生九段の勝負手に、さらにそれをそのまま同歩と受けてたった豊島二冠に解説陣の絶賛ぶりが凄すぎる。
そもそも全体を通じて、豊島二冠の指し手の早さに、研究手を感じさせ、その強さを感じさせる勝ち方である。
昨年、惜しくも挑戦権を逃した豊島二冠が、昨年とは違ってその後二冠となり、自信もつけただろう。
この「自信」は大きいと思われる。
いやあ、私としては是非とも、佐藤天彦対豊島将之の名人戦が見たい。
【追記】
本日、広瀬竜王が敗れたため、豊島二冠のみ1敗がただ一人となり単独一位である。
仮に豊島二冠が最終局で敗れれば、羽生、広瀬どちらかとのプレイオフとなる。
いずれにせよ豊島二冠が、名人戦挑戦へ向けて大きく前進したことは違いない。
本文に書いた通り是非とも佐藤天彦対豊島将之の名人戦を実現してほしい。
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