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by kazuo_okawa

沈黙のパレード

東野圭吾の新作である。

帯文句が凄い。

「ガリレオ、再始動!
容疑者は彼女を愛したふつうの人々。
哀しき復讐者たちの渾身の謎(トリック)が、
湯川、草薙、内海薫の前に立ちはだかる。
東野圭吾の最新長編。前人未踏の傑作が誕生」
である。

このうたい文句を読めばミステリファンなら買わずにはおられない。

帯文句に言う『彼女』とはみんなに愛されるも行方不明になって死体で発見された女性。
そしてその彼女を殺したと思われる人物Aが殺された。
その彼女を愛した人々が容疑者というのは、このA殺人事件の容疑者というわけである。

【以下、物語の「構想」を明かしていますのでご注意ください。】

『再始動』のうたい文句の通り、シリーズキャラクターの強みを存分に生かしている。
ガリレオ湯川をアメリカ帰りにして、警察への協力姿勢を、以前のやや消極的な姿勢とは変える。

湯川は過去の事件『容疑者X』に言及し、また関係者の料理屋で食事する場面は『真夏の方程式』を思わせる。

そしてミステリの核心であるが、
物語を読み進めれば、ミステリファンなら、誰しもクリスティの『オリエント』を思い浮かべるだろう。
それゆえ読者としては<哀しき復讐者たちの渾身の謎(トリック)>だけがメインではないだろう。
まあ、何かあるのだろうと思ってしまうのである。

しかしそれは、東野ならば当然予測できる事である。

そこからがうまい。
最初のドンデン返しが本格ミステリならではであり、これだけでも見事であるが、東野はさらにもう一ひねりするのである。

そして、その最終的な読後感がいい。

ところで映画などで観た主役湯川が、左手の親指、人差し指、中指を開いて顔に当てて考えるポーズ。
あれ、『フレミング』とは気づかなかった…。
.

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by kazuo_okawa | 2018-10-14 22:58 | ミステリ | Trackback | Comments(0)