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by kazuo_okawa

台風21号と損害賠償責任

9月4日、記録的暴風といわれる台風21号が近畿地方を直撃・横断した。

翌5日、台風の被害における損害賠償についての相談の電話が相次ぐ。
被害者側、加害者側、双方からの相談である。

典型的なのは、建物・工作物の一部がこの台風によって飛ばされ、をれが近隣に被害(建物が破損された、車が壊されたなど)を与えたとき、その損害賠償責任、つまりもとの建物・工作物の所有者に責任を問えるのか?という問題である。

結論から言えば、民法は工作物責任を規定している。
これはどういう意味かと言えば、工作物(建物も同じです)に瑕疵(欠陥という意味です)があり、その瑕疵によって、他者に被害を及ぼせば工作物所有者は責任を負う規定である。
従って、工作物からの被害であればその所有者は責任を負うのである。
まあ、言ってみれば、所有者はほぼ間違いなく責任を負う。

しかし、一方、所有者の瑕疵(欠陥)とは違う原因で他者に被害を与えてとしたら、それは所有者の瑕疵(欠陥)と「因果関係」がないから、その場合は責任を問われないと考えられている。

まあ、私が学生時代に勉強したときの有名な判例に「伊勢湾台風事件」がある。
(古う~)
これは想定外の台風だったので、瑕疵(欠陥)によって被害が生じたのではない、という理屈で責任を認めなかった判例です。

というわけで理屈は先の通りで。
所有者責任を負うが、因果関係無ければ(想定外の場合)は責任は問われない、というもんです。

しかし、台風の多いこの日本において、実務家的感覚からすれば、この例外(想定外の場合)が認められるのは少ないと思います。

5日、相談が多かったので参考にしてください。

【追記】
その後も相談が相次ぐが「想定外」かそうでないのか具体的な立証が難しい。私が言っているのは近隣の様子を幅広く写真を撮るように、ということである。例えば、カーポートの屋根が飛んできて被害を受けた事件では、加害カーポート以外の他のカーポートはどうなのかということである。他のカーポートの屋根が飛んでいないのに、加害カーポートの屋根のみが飛んでいたら、その加害カーポートに欠陥があった可能性が高い。逆にどのカーポートの屋根も飛んでいたら「想定外」の可能性が高い。
尚、これはあくまで一つの参考であり、裁判における証明(立証)は他の色々な要素を総合的に判断される。
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by kazuo_okawa | 2018-09-06 01:39 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)