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by kazuo_okawa

闘う<人権擁護>!

変な表題だと思われたかもしれないが、死刑制度についてさらに述べる。

死刑は、国家による「殺人」である。
そして、人の生命は、人にとって何もにも代えがたい一番重要で貴重な価値があり、それは国家であっても決して奪ってはならない。

このように言うと必ず反論されるのが、そういう重要で貴重な価値である(他人の)「生命」を奪ったのだからこそ「死をもって償うべし」という意見である。

要するに「目には目を!」である。
「ある価値」を奪ったものには「その価値」を与えない(奪う)。

これは冷静に考えれば、いきなり結論を言っているに等しく、(なぜ「目には目を!」を採用するのかという)根拠が述べられていないことがわかる。
<そういう制度>を選択したというにすぎない。

私は常に思うのだが、ではその「目には目を!」論者が、他の分野においてもそういう世界観をもっているなら(賛否は別として)一貫しているといえる。
つまり
「ある価値」を奪ったものには「その価値」を与えない(奪う)。
「自由の敵」には「自由」を与えない。
「民主主義の敵」には、「民主主義の価値」を与えない。

ここまでくれば表題の意味は分かりであろう。

世界一先進的といわれたワイマール憲法から「ナチス」を生んだ反省から、戦後のドイツは、「ナチス」のような、民主主義の敵には「自由」を与えないことにした。
これが「闘う民主主義」である。

しかしわが国の憲法は「自由の敵」にも自由を与えた。
「民主主義の敵」にも民主主義の価値を共有させている。

「人権の敵」にも「人権」は認めているのがわが国憲法の理念である。
論者が「戦う民主主義」の価値観をもって、教育勅語を敬う戦前回帰型のウルトラ右翼には自由を与えるべきではない、との価値観なら一貫している。

「目には目を!」論者が、果たして他の分野においてもそういう世界観をもっているのだろうか。
つくづくと考えてしまう。

もっともドイツは、闘う民主主義をとりながら、死刑は廃止している!
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by kazuo_okawa | 2018-07-09 22:17 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)