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by kazuo_okawa

竜王戦挑戦者交代事件の「和解」!

24日、東京出張からの帰途、新幹線の車中で、日本将棋連盟会長佐藤康光九段と三浦弘行九段その代理人三者の記者会見の模様を生放送(ニコ生)で見る。
昨年の竜王戦挑戦者交代事件について和解が成立したという。

内容は、連盟、三浦九段とも、第三者委員会の結論(第三者調査委員会作成の調査報告書における「三浦九段が不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はない」旨及び「日本将棋連盟による本件処分対応は許容される範囲内の措置であり、やむを得ないものと評価されるべきである」)を相互に受け入れ、日本将棋連盟が慰謝料として三浦九段に一定の補償を行うことをもって円満解決とするという内容である。

両当事者がこれで納得したのなら、第三者がとやかく言う筋はない。

三浦九段の、藤井聡太四段の活躍など明るい話題が出ている将棋界の為に和解した、というコメントが泣かせる。
また、渡辺竜王が本日突然連盟に来て、三浦九段に直接謝罪したという。
それを受け入れた三浦九段の「大人の態度」も良い。

しかし、ニコ生のツイートをみてもある種の「もやもや感」は残る。
それは、ファンにとって楽しみだった、渡辺対三浦の竜王戦が理不尽に実現しなかったからだろう。にもかかわらずファンにこの楽しみを奪ったことの責任を(特に、三浦は渡辺に分が良かったから面白い竜王戦になるはずだったのに)誰もとらないからである。
これにて一件落着、というのであるから、これ以上誰も責任はとらない。

「取組」が突然変わることについて、一般に多くのショー・スポーツとはそういうものである。
「取組」が変わることのあることは織り込み済みのはずであり、そんなことに目くじらを立てていればショー観戦は成り立たない。
現に、怪我その他様々の理由で突然取組が変わるショー・スポーツは幾らでもある。

しかし「将棋」はそういうものなのだろうか。
しかも、今回の挑戦者交代は「言われ無き疑惑」に過ぎない。

「もやもや感」の根源はおそらくそこにあると思うのだが、直接のスポンサーたる読売新聞社にはファン心理といったそこへの関心はなく、挑戦者交代はもとより、今回の和解など、全て納得済みなのだろう。
連盟もまた、巨額のスポンサー読売新聞社の了解で、全てが終わったのであろうと思われる。

「今、闘いたい3人の棋士は?」と聞かれた三浦九段が、すかさず「藤井聡太四段」と答え、その後しばらく考えた後、「渡辺竜王」「橋本八段」と答えたジョークが嬉しい。

「みうみう」人気は更に上がるだろう。


【6月2日追記】

「将棋世界」最新号(7月号)に76期順位戦の取組表が出ていた。
注目の、「渡辺対三浦戦」はなんと最終局である。
う~ん。ニャンとも言えない。


【2021年5月追記】

その後、一旦信頼を失った将棋界はスーパースター藤井聡太の登場によって空前の人気を博す。その藤井聡太のデビュー戦が竜王戦で対加藤一二三戦など話題の組み合わせが竜王戦で続く。連盟と読売新聞社にとっては「雨降って地固まる」という最高の結果になった。

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by kazuo_okawa | 2017-05-25 00:30 | 将棋 | Trackback | Comments(0)