参政権と投票の秘密
2017年 01月 16日
昨年7月の参議院選挙のことである。私は豊中市在住のN氏から依頼を受けて、彼の投票場まで同行した。N氏は脳性麻痺であり車いすを使っている。字を書くのが難しいが、会話は出来る。私は何度も話をしている。普通に理解出来る。無論、判断能力には何ら問題はない。彼はこれまで、家族・知人の代筆で投票してきた。では何故私が今回投票場まで同行することになったのか。
実は2013年、成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法が改正された。
しかしこの改正で代理投票において選挙人の投票を補助すべき者は、投票に係る事務に従事する者に限定されたのである。つまりは公務員である。
この成年被後見人の選挙権の回復自体には全く異存はない。しかし従来投票できたものの投票を制限するのはおかしいだろう。
いや、参政権を行使したければ「投票の秘密」は放棄せよ、と言うわけだ。私が同行したのは従来通りの投票をさせよ、と交渉したのだが、選挙管理委員会は認めない。そして、N氏が弁護士たる私を補助者に、と要請しても認めない。
かくてN氏は投票を断念した。「投票の秘密」は何よりも重要だったからだ。
彼はいう。参政権と投票の秘密の二者択一を迫ること自体が差別だと!
人権は拡大の歴史!のはずである。しかも、参政権は民主主義の基本!
ならば何故従来認められていた投票方法がみとめられないのか。どう考えてもおかしい。
この問題点を問うべく下記の通り集会を行います。
選挙権の問題は民主主義の基本。
他人事と思わず是非広くご参加下さい。
記
障害者の投票権について考える
日時:2017 年2月5 日( 日) 13:30 開場 14:00 開始
場所:ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)
5階大会議室2
運営協力費 500円
【問題提起】上脇博之(神戸学院大学法学部教授)
渡邊充佳(大阪市立大学都市文化研究センター研究員、社会福祉士)
大川一夫(「障害者の代理投票に合理的配慮を!国賠訴訟」弁護団)
【主催】「障害者の代理投票に合理的配慮を!国賠訴訟」を支える会(準)
連絡先:06-6844-2280(TEL/FAX) メール ra.senkyo.2016@gmail.com
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