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by kazuo_okawa

法月綸太郎「挑戦者たち」を読む!

法月氏は、京大ミステリ研出身であり、大変才能溢れる作家である。
エラリークイーン張りの本格ミステリの著作のみならず、ミステリの評論も素晴らしい。

その法月氏の最新作が「挑戦者たち」である。

いやあ、非常に面白い。
どういう内容かと言えば、本格ミステリの中に「読者への挑戦状」がついている作品がある。
つまり、ミステリながら、「犯人当て」ともなっている。
代表的なのがエラリークイーンの国名シリーズであり、本格ミステリファンには、その作品中に織り込まれた 「読者への挑戦状」はご存じだろう。

この「挑戦者たち」は、その「読者への挑戦状」だけを取り上げたパロディなのである。

実は私は「小説新潮」発表時から面白いな、と思っていた。
それをまとめたのが本作である。

まあ、犯人当ての好きな方は思わずにんまりするだろう。

そしてこの著。
何と、最後に、初版本限定プレミアム挑戦状(正解者全員プレゼント)が付いているのである。

どんな挑戦状か!
実は作者が巻末にあげた多数の引用・参考文献リストに1冊だけ、実在しない架空の本が紛れ込んでいるという。
いやあ、面白い。

【以下、ネタバレ、ではなかった。法月氏は私の後輩ですが、ネタは知りませんので、私の勝手な推測です。ご注意】

引用・参考文献は数えていませんが100冊はあるでしょうね。
この中から、実在しない架空の本を探せ、というのですからその挑戦状自体が面白い!
いかにもみんな、ありそうです。
しかし、法月氏は新本格作家。
単に、誰も知られていないような作品がやっぱり「架空」でした、では、何とも面白くない。
現に、数多のミステリを読んできた私ですら知らない人物が何人もいる(無論、知らない人物はミステリ作家でも何ともない人物が多いのですが…)。
このときに(ミステリファンにとって)このようなあまり知られていない人物の文献が「架空」です、といわれても、ああそうですか、と言うだけである。
繰り返すが、挑戦状の作者は名うての新本格作家である。
そして題名が「挑戦者たち」である。
とすれば、これが「架空」ですよ、と真相を明かされたときに、アっ!と唸るような真相を忍ばせているに違いない。
と、考えると、やはり著名なミステリだろう。
そういうミステリでなければ、何にも面白くない。
そしてそのミステリも(ファンなら)一見、誰でも、知っているように思えるミステリ。
しかしこういう「本」は実際には無かった!
それこそ意表をつく!
…と考えると…。

翻訳の違い(「謎」か「秘密」かありましたね…)か、あるいは他の出版社では出ているが、その出版社では出ていないとか…。

いずれにせよ、心理の盲点をついているだろ…。

解答編が楽しみである…。
作者のことだから、きっと何かを準備しているに違いない。



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by kazuo_okawa | 2016-09-03 00:38 | ミステリ | Trackback | Comments(0)